デジタル大辞泉だいじせん 「生殖せいしょく器官きかん」の意味いみ・読よみ・例文れいぶん・類語るいご せいしょく‐きかん〔‐キクワン〕【生殖せいしょく器官きかん】 有性ゆうせい生殖せいしょくをするための器官きかんの総称そうしょう。動物どうぶつでは生殖せいしょく巣す・生殖せいしょく輸管およびそれらの付属ふぞく部分ぶぶんをいい、雌めすでは卵巣らんそう・輸卵管ゆらんかんや子宮しきゅう・膣ちつちつなど、雄ゆうでは精巣せいそう・輸精管かん・精せい嚢せいのうや陰茎いんけいなどからなる。植物しょくぶつでは種子しゅし植物しょくぶつの花はななどをいう。 出典しゅってん 小学館しょうがくかんデジタル大辞泉だいじせんについて 情報じょうほう | 凡例はんれい
精選せいせん版ばん 日本にっぽん国語こくご大だい辞典じてん 「生殖せいしょく器官きかん」の意味いみ・読よみ・例文れいぶん・類語るいご せいしょく‐きかん‥キクヮン【生殖せいしょく器官きかん】 〘 名詞めいし 〙 生物せいぶつが有性ゆうせい生殖せいしょくを行おこなうために備そなえる器官きかんの総称そうしょう。動物どうぶつの雄ゆうでは精巣せいそう・輸精せい管かん・前立腺ぜんりつせん・陰茎いんけいなど、雌めすでは卵巣らんそう・輸卵管ゆらんかん・子宮しきゅう・膣ちつ(ちつ)などが属ぞくする。植物しょくぶつでは雄おしべ・雌めしべ、または造みやつこ精せい器き・造みやつこ卵たまご器きなどをさす。生殖せいしょく器き。性器せいき。〔生物せいぶつ学がく語彙ごい(1884)〕 出典しゅってん 精選せいせん版ばん 日本にっぽん国語こくご大だい辞典じてん精選せいせん版ばん 日本にっぽん国語こくご大だい辞典じてんについて 情報じょうほう | 凡例はんれい
日本にっぽん大だい百科全書ひゃっかぜんしょ(ニッポニカ) 「生殖せいしょく器官きかん」の意味いみ・わかりやすい解説かいせつ 生殖せいしょく器官きかんせいしょくきかん 有性ゆうせい生殖せいしょくをする生物せいぶつに備そなわっている生殖せいしょくのための器官きかん。生殖せいしょく器き、性器せいきなどともいう。ヒトを含ふくむ動物どうぶつの生殖せいしょく器官きかんには、配偶はいぐう子こ(生殖せいしょく要素ようそ)である卵たまご(卵子らんし)や精子せいしをつくる生殖せいしょく腺せん(せん)、配偶はいぐう子こを体外たいがいに運はこぶ生殖せいしょく輸管(生殖せいしょく管かん)とその付属ふぞく腺せん(付属ふぞく生殖せいしょく腺せん)および外部がいぶ生殖せいしょく器き(交接こうせつ器き)が含ふくまれる。また、植物しょくぶつにおいては、花はな、配偶はいぐう子こ嚢(のう)などが生殖せいしょく器官きかんである。[木村きむら武二たけじ]ヒトの生殖せいしょく器官きかんヒトの生殖せいしょく器官きかんは一般いっぱんに「性器せいき」とよばれることが多おおいので、その形態けいたい的てきな詳細しょうさいについては別項べっこう「性器せいき」を参照さんしょうされたい。本ほん項こうではヒトの生殖せいしょく器官きかんについて、その機能きのうのうちもっとも重要じゅうようなホルモンとの関係かんけいを中心ちゅうしんに論述ろんじゅつする。 男性だんせいの生殖せいしょく器官きかんは、精巣せいそう(睾丸こうがん(こうがん))、副ふく睾丸こうがん(精巣せいそう上体じょうたい)、輸精管かん(精せい管かん)、貯精嚢(精せい嚢)、前立腺ぜんりつせんなどの内部ないぶ生殖せいしょく器き(内うち性器せいき)と、陰嚢ふぐり、陰茎いんけいの外部がいぶ生殖せいしょく器き(外そと性器せいき)からなる。男性だんせいホルモンは、それらのうち精巣せいそう内ないにある精細せいさい管かん(精子せいしはここで産さん生むされる)の周囲しゅういを埋うめる間あいだ細胞さいぼう(間あいだ質しつ細胞さいぼう、ライディッヒ細胞さいぼう)から分泌ぶんぴつされる。その分泌ぶんぴつは、下垂かすい体たいの生殖せいしょく腺せん刺激しげきホルモンに依存いぞんし、精子せいし形成けいせいは男性だんせいホルモンおよび生殖せいしょく腺せん刺激しげきホルモンに依存いぞんするので、生殖せいしょく腺せん刺激しげきホルモンの分泌ぶんぴつが不足ふそくすると男性だんせいの性せい機能きのうは支障ししょうをきたす。生殖せいしょく腺せん刺激しげきホルモンは春機発動期しゅんきはつどうき(思春期ししゅんき)にその分泌ぶんぴつが活発かっぱつになり、性せい成熟せいじゅくがおこる。 一方いっぽう、女性じょせいの生殖せいしょく器官きかんは、卵巣らんそう、輸卵管ゆらんかん(卵管らんかん)、子宮しきゅう、腟ちつ(ちつ)などの内部ないぶ生殖せいしょく器きと、陰かげ核かく、陰かげ唇くちびる(小陰こかげ唇くちびると大だい陰かげ唇くちびる)、および腟ちつ前庭ぜんていなどの外部がいぶ生殖せいしょく器きに分わけられる。このうち、とくにホルモンとの結むすび付つきがよく知しられているのは卵巣らんそうと子宮しきゅうである。卵巣らんそう内ないの卵胞らんぽうは、卵たまご細胞さいぼうを小ちいさな細胞さいぼうが取とり囲かこんだもので、発達はったつすると胞状になり卵胞らんぽう液えきを蓄たくわえるようになる。このような卵胞らんぽうをグラーフ卵胞らんぽうという。卵胞らんぽうは生殖せいしょく腺せん刺激しげきホルモンに刺激しげきされて発達はったつし、ある程度ていどに達たっすると女性じょせいホルモンの一ひとつである発情はつじょうホルモン(エストロゲン、卵胞らんぽうホルモンともいう)を分泌ぶんぴつする。発情はつじょうホルモンは他たの女性じょせい生殖せいしょく器官きかんを発達はったつさせるとともに、生殖せいしょく腺せん刺激しげきホルモンの大量たいりょう分泌ぶんぴつを誘発ゆうはつし、それが引ひき金がねとなって卵胞らんぽうは破やぶれ、卵たまご細胞さいぼうは卵巣らんそうの外そとへ出だされる。これが排卵はいらんとよばれる現象げんしょうである。排卵はいらん後ごの卵胞らんぽうは変化へんかして黄体おうたいをつくり、黄体おうたいホルモンを分泌ぶんぴつするようになる。黄体おうたいホルモンは、先さきに発情はつじょうホルモンによって刺激しげきされていた生殖せいしょく器官きかんをさらに発達はったつさせる。とくに子宮しきゅうの内壁ないへきは黄体おうたいホルモンによって著いちじるしく肥厚ひこうするが、黄体おうたいが退化たいかすると内壁ないへきは脱落だつらくし出血しゅっけつがおこる。これが月経げっけいである。月経げっけい周期しゅうきは生殖せいしょく腺せん刺激しげきホルモンと卵巣らんそうの変化へんか、それに伴ともなう女性じょせいホルモン分泌ぶんぴつの周期しゅうき的てき変化へんかの反映はんえいであり、排卵はいらんを境さかいにして前後ぜんごに、卵胞らんぽうの発達はったつする期間きかんと黄体おうたいの活動かつどうする期間きかんが、それぞれ2週間しゅうかんほどあるため、通常つうじょう約やく28日にちごとに月経げっけいがおこる。 子宮しきゅう以外いがいの生殖せいしょく輸管、および外部がいぶ生殖せいしょく器きはいずれも女性じょせいホルモンによって発達はったつし、維持いじされているので、女性じょせいホルモンの欠損けっそんは性せい機能きのうに重大じゅうだいな支障ししょうをきたす。また女性じょせいホルモンの分泌ぶんぴつや卵胞らんぽうの発達はったつ、排卵はいらん、黄体おうたい形成けいせいなどはいずれも下垂かすい体たいの生殖せいしょく腺せん刺激しげきホルモンに支配しはいされているため、このホルモンの分泌ぶんぴつの変調へんちょうも月経げっけい不順ふじゅんや無む排卵はいらん症しょうなどを引ひき起おこす。 また生殖せいしょく器官きかんは、男女だんじょいずれの場合ばあいも外界がいかいと連絡れんらくしているため、細菌さいきんなどの感染かんせんを受うけやすく、とくに交接こうせつによる伝染でんせんがおこりうることに注意ちゅういする必要ひつようがある。生殖せいしょく器官きかんの発達はったつをホルモンが支配しはいしていることと関連かんれんして、子宮しきゅうや前立腺ぜんりつせんの良性りょうせい、悪性あくせいの腫瘍しゅよう(しゅよう)の原因げんいんにもホルモンが関係かんけいしていると思おもわれる例れいは多おおく、ホルモンと発癌はつがん(はつがん)の関係かんけいが種々しゅじゅ論ろんじられている。 男女だんじょの生殖せいしょく器官きかんには、成体せいたいでは明瞭めいりょう(めいりょう)な差さがあるが、発生はっせいの初期しょきには差さがなく、生殖せいしょく腺せんも最初さいしょは同おなじ部ぶ域いきから発生はっせいし、遺伝いでん的てきに決定けっていした性せいによって精巣せいそう、卵巣らんそうのいずれに分化ぶんかするかが決定けっていする。またその他たの内部ないぶ生殖せいしょく器きについても、最初さいしょはミュラー管かん、ウォルフ管かんの両方りょうほうが存在そんざいし、前者ぜんしゃが子宮しきゅうに、また後者こうしゃが輸精管かんに分化ぶんかする能力のうりょくをもっているが、どちらが残のこるかは生殖せいしょく腺せんがどちらになるかで定さだまることが知しられている。これらのことを総合そうごうすると、個体こたいは初はじめ男女だんじょどちらにも分化ぶんかしうる形かたちをとるが、遺伝いでん的てきな影響えいきょうとホルモンの影響えいきょうとによってどちらかの性せいに分化ぶんかするように方向ほうこうづけられると考かんがえるべきである。[木村きむら武二たけじ]動物どうぶつの生殖せいしょく器官きかん脊椎せきつい(せきつい)動物どうぶつの生殖せいしょく器官きかんは、卵生らんせい、胎生たいせいの違ちがいなどもあって形かたちや機能きのうに差さはあるが、基本きほん的てきにはヒトの生殖せいしょく器官きかんと同様どうようで、雌めす性せいおよび雄ゆう性せい生殖せいしょく器官きかんが区別くべつされる。また、ホルモンの関与かんよの仕方しかたにもヒトと共通きょうつうな部分ぶぶんが多おおい。ただし、月経げっけい周期しゅうきはヒト以外いがいではサルにのみみられ、他たの哺乳ほにゅう(ほにゅう)類るいではこれとは異ことなる形かたちの周期しゅうき(発情はつじょう周期しゅうきといい、月経げっけい周期しゅうきをも含ふくめて性せい周期しゅうきと総称そうしょうする)が存在そんざいする。しかし性せい周期しゅうきが雌めす固有こゆうのものであり、生殖せいしょく腺せん刺激しげきホルモンの分泌ぶんぴつの周期しゅうき性せいによるものである点てんはヒトと共通きょうつうである。性せい周期しゅうきが雌めすに存在そんざいし雄ゆうに存在そんざいしないのは、発生はっせいの、ある特定とくていの期間きかんに性せいホルモンの分泌ぶんぴつがあるかないかで決定けっていされることが確認かくにんされている。すなわち、雄ゆうではその期間きかんに性せいホルモン分泌ぶんぴつがあるため性せい周期しゅうきがなくなるのである。 なお、無む脊椎動物せきついどうぶつの生殖せいしょく器官きかんは、脊椎動物せきついどうぶつとは発生はっせい的てきにも形態けいたい的てきにも甚はなはだしく異ことなっているものが多おおい。また、生殖せいしょく様式ようしきの違ちがいによって、グループごとに特有とくゆうな生殖せいしょく器官きかんを有ゆうすることが多おおく、脊椎動物せきついどうぶつほどはまとめて論述ろんじゅつしがたいといえよう。[木村きむら武二たけじ]植物しょくぶつの生殖せいしょく器官きかん動物どうぶつに比くらべて、植物しょくぶつの生殖せいしょく器官きかんはそれほどはっきりしていない。胞子ほうしや配偶はいぐう子こを生殖せいしょく細胞さいぼうとしてまとめるならば、シダの胞子ほうし嚢や、種子しゅし植物しょくぶつの花はなは生殖せいしょく細胞さいぼうを含ふくむ生殖せいしょく器官きかんと考かんがえられるが、別べつの見方みかたをすれば、花はなは生殖せいしょくのためのシュート(植物しょくぶつの成長せいちょう単位たんい)とも考かんがえられる。元来がんらい、植物しょくぶつでは個体こたいという概念がいねんが動物どうぶつに比くらべて明確めいかくでないので、生殖せいしょく器官きかんについても動物どうぶつと同列どうれつに論ろんずることはむずかしく、またとくにその必要ひつようもないとも考かんがえられる。[木村きむら武二たけじ][参照さんしょう項目こうもく] | 性器せいき | 生殖せいしょく 男性だんせい性器せいきの構造こうぞう 精巣せいそうの各部かくぶ名称めいしょう 女性じょせい性器せいきの構造こうぞう 出典しゅってん 小学館しょうがくかん 日本にっぽん大だい百科全書ひゃっかぜんしょ(ニッポニカ)日本にっぽん大だい百科全書ひゃっかぜんしょ(ニッポニカ)について 情報じょうほう | 凡例はんれい
百科ひゃっか事典じてんマイペディア 「生殖せいしょく器官きかん」の意味いみ・わかりやすい解説かいせつ 生殖せいしょく器官きかん【せいしょくきかん】 有性ゆうせい生殖せいしょくにかかわる器官きかん。植物しょくぶつでは種子しゅし植物しょくぶつの花はな,藻類そうるいやコケ植物しょくぶつにおける胞子ほうし嚢と配偶はいぐう子こ嚢がこれに当あたる。動物どうぶつでは生殖せいしょく腺せん,生殖せいしょく輸管および付属ふぞくする腺せんをいう。ヒトでは,性器せいきとも。男女だんじょ(雌雄しゆう)で大おおきく異ことなり,また体内たいない部ぶに含ふくまれる内うち生殖せいしょく器きと,体からだ表ひょうに現あらわれる外そと生殖せいしょく器きとに分わけられる。内うち生殖せいしょく器きには生殖せいしょく腺せんである精巣せいそう(睾丸こうがん(こうがん))および卵巣らんそうのほか,男性だんせいでは精巣せいそう上体じょうたい(副ふく睾丸こうがん),精せい管かん,精せい嚢,射精しゃせい管かん,前立腺ぜんりつせんなど,女性じょせいでは卵管らんかん,子宮しきゅう,腟ちつ(ちつ)がある。外そと生殖せいしょく器きは生殖せいしょく管かんの体外たいがいへの開口かいこう部ぶ付近ふきんで,男性だんせいでは陰茎いんけい,陰嚢ふぐり,女性じょせいでは陰かげ核かく,陰かげ唇くちびる(いんしん),その間あいだの腟ちつ前庭ぜんていなどに分化ぶんかする。脊椎動物せきついどうぶつでは泌尿器ひにょうきと発生はっせい的てきにも位置いち的てきにも近ちかい関係かんけいにあり,泌尿生殖せいしょく器きと総称そうしょうされることもある。→関連かんれん項目こうもく陰かげ核かく|陰茎いんけい|外そと陰部いんぶ|精せい管かん|精せい嚢|前立腺ぜんりつせん|腟ちつ|泌尿器ひにょうき 出典しゅってん 株式会社かぶしきがいしゃ平凡社へいぼんしゃ百科ひゃっか事典じてんマイペディアについて 情報じょうほう
世界せかい大だい百科ひゃっか事典じてん(旧版きゅうばん)内うちの生殖せいしょく器官きかんの言及げんきゅう 【性器せいき】より …生殖せいしょく器き(生殖せいしょく器官きかん)reproductive organのことで,有性ゆうせい生殖せいしょくを行おこなうための器官きかんであるが,ヒトでは性器せいきという場合ばあいが多おおい。以下いか,ヒトの性器せいきについて述のべる。… 【生殖せいしょく】より …なお,有性ゆうせい生殖せいしょくを行おこなうものに雌雄しゆう同体どうたいの種類しゅるいと異体いたいの種類しゅるいとがあるが,後者こうしゃの種類しゅるいの中なかには自然しぜん条件じょうけんで性せい転換てんかんを行おこなう種類しゅるいもある。【石居いしずえ 進すすむ】[生殖せいしょく器官きかんreproductive organs] 狭義きょうぎには有性ゆうせい生殖せいしょくを行おこなうための器官きかん。植物しょくぶつの場合ばあい,胞子ほうし囊と配偶はいぐう子こ囊,それを中心ちゅうしんとする器官きかんを総称そうしょうする。… ※「生殖せいしょく器官きかん」について言及げんきゅうしている用語ようご解説かいせつの一部いちぶを掲載けいさいしています。 出典しゅってん|株式会社かぶしきがいしゃ平凡社へいぼんしゃ「世界せかい大だい百科ひゃっか事典じてん(旧版きゅうばん)」