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関節(カンセツ)とは? 意味や使い方 - コトバンク

関節かんせつみ)カンセツ英語えいご表記ひょうき)joint
articulation

デジタル大辞泉だいじせん関節かんせつ」の意味いみみ・例文れいぶん類語るいご

かん‐せつ〔クワン‐〕【関節かんせつ

ほねほねとを連接れんせつさせる可動かどうせい結合けつごう周囲しゅうい結合けつごう組織そしきまくつつみ、内側うちがわにはすべりえきはいっていて潤滑油じゅんかつゆやくをする。
(スル)関節かんせつまたは関節かんせつじょう連結れんけつ結合けつごうしていること。「大腿だいたいこつ関節かんせつするほね
[類語るいご]節節ふしぶし

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精選せいせんばん 日本にっぽん国語こくごだい辞典じてん関節かんせつ」の意味いみみ・例文れいぶん類語るいご

かん‐せつクヮン‥関節かんせつ

  1. 名詞めいし ほねほねとがたがいに運動うんどうできるように連結れんけつしている部分ぶぶんほねめん関節かんせつめん)は、一方いっぽうがくぼみ、他方たほうきでてたがいにかみあうかたちをしている。〔やまいろん俗解ぞっかいしゅう(1639)〕

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改訂かいてい新版しんぱん 世界せかいだい百科ひゃっか事典じてん関節かんせつ」の意味いみ・わかりやすい解説かいせつ

関節かんせつ (かんせつ)
joint
articulation

骨格こっかく構成こうせい要素ようそたがいに結合けつごうされている部位ぶいで,ふつうはそこでたがいに独立どくりつうごくようになっているものをいう。

脊椎動物せきついどうぶつ関節かんせつはほとんどがかたそと骨格こっかく構成こうせい要素ようそであるからへんあいだ形成けいせいされるもので,節足動物せっそくどうぶつをはじめ軟体動物なんたいどうぶつ触手しょくしゅ動物どうぶつなどにられる。関節かんせつするからへんは,一般いっぱんにちょうつがい構造こうぞうとんがじく(せんじく)構造こうぞうたがいにわされている。節足動物せっそくどうぶつからだぶしあいだぶしあいだ関節かんせつでは,硬化こうかしていないクチクラそうをもつふしせきまくとなりぶしかたからあいだをつないでいて,そと骨格こっかくけい完全かんぜんからだつつみながら関節かんせつ可動かどうせいにしている。かたから組合くみあ構造こうぞう強固きょうこでなく,しゅとしてふしせきまく筋肉きんにくとで結合けつごうされている関節かんせつでは,多少たしょう回転かいてんさせることも可能かのうとなっている。発達はったつした筋肉きんにくとなりぶしかたから内面ないめんあるいはうち突起とっき付着ふちゃくして,拮抗きっこうてき収縮しゅうしゅくして関節かんせつ屈伸くっしんさせる。二枚貝にまいがいるいからへんはちょうつがい靱帯じんたいじんたい)あるいはたまたい接着せっちゃくされ,それが閉殻ぶし拮抗きっこうてきはたらいてから開閉かいへいさせる。うであしるいでは,からへんのちょうつがい両側りょうがわに閉殻ぶしひらきからぶし別々べつべつ付着ふちゃくして,からへん結合けつごう開閉かいへいさせる。
執筆しっぴつしゃ

脊椎動物せきついどうぶつでは,軟骨なんこつ軟骨なんこつほねほね軟骨なんこつほねなどの連結れんけつは,その可動かどうせいからみておおきくふたつの様式ようしきけられる。だい1は,相接あいせっする2ほねまたは軟骨なんこつあいだ可動かどうせいがほとんどあるいはまったくない場合ばあいで,これを不動ふどう結合けつごうぶ。少量しょうりょう結合けつごう組織そしき繊維せんいむすびつけられた頭蓋とうがいかくほねあいだ縫合ほうごう)や哺乳類ほにゅうるい歯根しこん歯槽しそうこつあいだ軟骨なんこつむすびつけられた哺乳類ほにゅうるい骨盤こつばん左右さゆう恥骨ちこつあいだ恥骨ちこつ結合けつごう)や頭蓋とうがいそこちょう(ちよう)かたちこつこう頭骨とうこつあいだなどがそのれいである。これらの場合ばあい動物どうぶつ種類しゅるいによってはほねして一体いったいとなっていることもあり,おな動物どうぶつでもよわいとともにほねして2ほね癒合ゆごうすることもある(ほね結合けつごう)。だい2は両方りょうほうほねあいだ介在かいざいする結合けつごう組織そしきおおくて可動かどうせいおおきい場合ばあいで,これを可動かどう結合けつごうという。四足しそく動物どうぶつ四肢ししこつ上下じょうげ顎骨がっこつ連結れんけつがそれである(人体じんたいでは,しいあいだえんばんという軟骨なんこつによる椎骨ついこつあいだ連結れんけつ不動ふどう結合けつごうとされるが,脊椎動物せきついどうぶつかいには自由じゆうげられるヘビの脊柱せきちゅうられるように,可動かどう結合けつごうである椎骨ついこつあいだ連結れんけつれいすくなくない)。ふつう関節かんせつばれるものはこのような可動かどう結合けつごうのことで,それにはふたつの様式ようしきがある。ひとつは両方りょうほうほね(または軟骨なんこつ)が靱帯じんたいだけでむすびつけられている場合ばあい靱帯じんたい結合けつごう)で,魚類ぎょるいにおける脊柱せきちゅう以外いがいほね連結れんけつ,あるしゅのカメのかぶとはらかぶとられるちょうつがいじょう関節かんせつ鳥類ちょうるい肋骨あばらぼね側部そくぶはら側部そくぶ連結れんけつなどがそれにあたるが,人体じんたいではきわめてまれである(脛骨けいこつ腓骨ひこつとおくらいはしどうしなど)。もうひとつはすべりまくせい結合けつごうばれるもので,両方りょうほうほねはし軟骨なんこつ関節かんせつ軟骨なんこつ)におおわれ,それらのあいだにすきま(関節かんせつ腔)があって粘液ねんえきすべりえき)をたし,その連結れんけつ全体ぜんたい結合けつごう組織そしきせいふくろ関節かんせつつつみ)でつつまれている場合ばあいである(人体じんたい解剖かいぼうがくではこのたね連結れんけつ厳密げんみつ意味いみでの〈関節かんせつ〉とする)。関節かんせつ腔のなかにはうすえんいたじょう軟骨なんこつ関節かんせつえんばん)や環状かんじょうまたは三日月みかづきがた軟骨なんこつ関節かんせつ半月はんつき)がはさまっている場合ばあいがあり,これらは関節かんせつめんどうしの適合てきごうとすべりを円滑えんかつにするはたらきをもっている。関節かんせつ軟骨なんこつ関節かんせつほね軟骨なんこつ形成けいせいされる過程かていほねせずに残存ざんそんしたものである(ただし哺乳類ほにゅうるいしも顎骨がっこつ関節かんせつにある関節かんせつ軟骨なんこつ由来ゆらいことなる軟骨なんこつである)。すべりまくせい結合けつごうでは,2ほねのうち一方いっぽうした関節かんせつめん関節かんせつあたま)が他方たほうのくぼんだ関節かんせつめん関節かんせつ(か))にはまりこむかたちになっていることがおおい。このような関節かんせつ形態けいたいにはっきゅう関節かんせつ楕円だえんたい関節かんせつくら(くら)関節かんせつ蝶番ちょうつがい(ちようばん)関節かんせつなど種々しゅじゅかた区別くべつされ,こうした形態けいたいがそれぞれの関節かんせつ機械きかいてき機能きのうもととなる。これらの関節かんせつには,関節かんせつ腔のなか強固きょうこなひもじょう靱帯じんたい関節かんせつない靱帯じんたい)が両方りょうほう関節かんせつめんむすびつけているものもある。可動かどうせいはげしい関節かんせつでもほねほねとが一定いってい範囲はんい以上いじょううごくことがないのは,関節かんせつめんそのものの形態けいたいによるほか,上記じょうき関節かんせつつつめ関節かんせつない靱帯じんたい種々しゅじゅ外部がいぶ靱帯じんたい関節かんせつ腔内のかげあつなどの総合そうごうされたつよ結合けつごう作用さようによるところがおおきい。もっともヒトでは,このようなすべりまくせい関節かんせつもあるしゅ病変びょうへんによって全体ぜんたいほねして一体いったいとなり,可動かどうせいをまったくうしなうことがある。なお,化石かせきられるところによると,古生代こせいだい原始げんし魚類ぎょるいであったいたがわ(ばんぴ)るいのなかには,カニのあしのように関節かんせつでつながるむねびれをもつ種類しゅるいどうかぶとるい)やコメツキムシのように頭部とうぶかた骨格こっかくがちょうつがいじょう関節かんせつ連結れんけつする種類しゅるいふし頸類)があったが,それらの関節かんせつ構造こうぞう機能きのう十分じゅうぶんあきらかになっていない。
執筆しっぴつしゃ

ヒトの全身ぜんしんにはおおくの関節かんせつがあり,個々ここ関節かんせつにはそれぞれのうごきにおうじて形態けいたい相違そういがみられるが,しかしすべての関節かんせつ共通きょうつうした基本きほんてき構造こうぞうがある。関節かんせつをつくるふたつのほねは,一般いっぱんひとつは凸面とつめんをなし,これを関節かんせつあたまといい,はそれにおうじて凹面をなし,これを関節かんせつ窩という。関節かんせつあたま関節かんせつ窩はたがいに適合てきごうしたかたちをとるから,そのあいだにある関節かんせつ腔はあまりひろいものではない。しかし相対そうたいするふたつのほねかたちがあまり適合てきごうしない場合ばあい(たとえばひざ関節かんせつ)は,比較的ひかくてきひろ関節かんせつ腔をのこすことになるが,そのときでも,後述こうじゅつするように,関節かんせつない靱帯じんたいすべりまくつつまれた脂肪しぼうのひだが関節かんせつ腔内に突出とっしゅつして,関節かんせつめんかたちととのえているため,関節かんせつ腔はひろくない。ちなみに関節かんせつ腔といっても,そこには空気くうきはいっているわけではなく,すべりまくから分泌ぶんぴつされたすべりえきたされていて,これが運動うんどう潤滑油じゅんかつゆのようなはたらきをしている。関節かんせつ腔の外側そとがわつつまく関節かんせつつつみという(ふるくは関節かんせつといった)。関節かんせつつつみつつまれて関節かんせつ腔が独立どくりつしたひとつの間隙かんげきかんげき)となる。関節かんせつつつみは2まいまくからる。外側そとがわまく繊維せんいまくといい,これはほね表面ひょうめんおお骨膜こつまくのつづきで,関節かんせつつつみのところではこの骨膜こつまくがひじょうにあつくなって関節かんせつつつみをつくっている。骨膜こつまくはおもににかわばらこうげん繊維せんいでできているから,関節かんせつつつみ繊維せんいまくもその本体ほんたいにかわげん繊維せんいである。関節かんせつつつみ内側うちがわにあるまくさきべたすべりまくである。すべりまくすべりえきというねば稠(ねんちゆう)せいのある液体えきたい関節かんせつ腔内に分泌ぶんぴつして,関節かんせつめんうごきやすいようになめらかにするのにやくだっている。関節かんせつあたま関節かんせつ窩では,ともにほね自体じたい関節かんせつ腔に露出ろしゅつしているわけではなく,その表面ひょうめん関節かんせつ軟骨なんこつという軟骨なんこつおおわれている。この軟骨なんこつは,関節かんせつめん運動うんどうにおける摩擦まさつやわらげる役目やくめがあるほか,場合ばあいによっては運動うんどうおうじて変形へんけいして,運動うんどうがスムーズにおこなえるように調節ちょうせつしている。なお関節かんせつ軟骨なんこつ表面ひょうめんすべりまくをかぶらない。関節かんせつつつみ外側そとがわには,関節かんせつ補強ほきょう装置そうちとして靱帯じんたいがある。靱帯じんたいにかわげん繊維せんいたばで,関節かんせつするふたつのほねあいだむすんでいて,関節かんせつつつみ外面がいめんせっしている。ひとつの関節かんせつには通常つうじょう,いくつもの靱帯じんたい付属ふぞくしている。そのほか,関節かんせつつつみ外側そとがわにある筋肉きんにくやそのけんも,靱帯じんたいおなじように関節かんせつ補強ほきょう装置そうちとしてやくだっている。けん靱帯じんたいとは本体ほんたいはともににかわげん繊維せんいたばであるが,靱帯じんたい関節かんせつ付属ふぞくしているもので,とくに筋肉きんにくとは関係かんけいはない。けん関節かんせつよりもむしろ筋肉きんにく付属ふぞくぶつで,筋肉きんにくほね付着ふちゃくするところではかならけんかいしてほね付着ふちゃくしている。

個々ここ関節かんせつは,その目的もくてきおうじていろいろ複雑ふくざつ運動うんどうをするが,全身ぜんしん関節かんせつをその運動うんどう様式ようしきによって分類ぶんるいすると,1じくせい関節かんせつ,2じくせい関節かんせつじくせい関節かんせつの3しゅけることができる。1じくせい関節かんせつというのは,たとえばひじ関節かんせつのように屈伸くっしん運動うんどうだけしかできない関節かんせつで,この場合ばあい運動うんどうじくひとつだけで,それはひじ関節かんせつ横切よこぎって水平すいへいはしる。2じくせい関節かんせつとは,たがいに直角ちょっかくまじわる2方向ほうこうじくをもった関節かんせつで,具体ぐたいてきにはこのふたつのじく沿って4方向ほうこう運動うんどうじゅん連続れんぞくしておこなうと描円運動えんうんどうぶんまわしともいう)ができる。したがって結果けっかてきにはあらゆる方向ほうこううごかすことができるが,じく回旋かいせんはできない。たとえば手首てくび関節かんせつ(橈骨(とうこつ関節かんせつ)がこれにあたる。じくせい関節かんせつとは,かた関節かんせつのように,あらゆる方向ほうこううごかすことができるほかに,じく回旋かいせん,すなわちいわゆるねじれができるものをいう。

 他方たほう,この分類ぶんるいとはべつに,関節かんせつめんほね形状けいじょうによって関節かんせつ分類ぶんるいするとつぎのようになる。(1)たま関節かんせつは,関節かんせつあたま関節かんせつ窩も球状きゅうじょうまるかたちをしているもので,運動うんどうめんからはじくせい関節かんせつ相当そうとうする。かた関節かんせつ股関節こかんせつがこれにあたる。(2)楕円だえん関節かんせつは,関節かんせつめん楕円だえんたいちかく,楕円だえんちょうじくたんじくじくとした2じくせい運動うんどうおこなう。橈骨しゅ関節かんせつがこのいちれい。(3)蝶番ちょうつがい関節かんせつは,屈伸くっしん運動うんどうだけしかできない1じくせい関節かんせつで,ひじ関節かんせつひざ関節かんせつなどがこれに相当そうとうする。(4)車軸しゃじく関節かんせつ蝶番ちょうつがい関節かんせつおなじ1じくせいであるが,この関節かんせつ特徴とくちょうは,関節かんせつめん車輪しゃりんのようなかたちをしていて,その中心ちゅうしんとおせんじくとして回旋かいせん運動うんどうおこなう。前腕ぜんわんにおける橈骨としゃくこつあいだ関節かんせつがこれで,この運動うんどうによってのひらまえけたりうしろにけたりする(この運動うんどうかいがいかいないという)。

 つぎ人体じんたいにあるおもな関節かんせつについて,そのおよその構造こうぞう運動うんどうについて説明せつめいしよう。

かたかぶとこつ上腕じょうわんこつあいだ関節かんせつで,関節かんせつあたまをつくる上腕じょうわんこつ上端じょうたん上腕じょうわんこつあたま)はほぼ完全かんぜん球面きゅうめんをなし,これにたいするかたかぶとこつ関節かんせつ窩も球形きゅうけいの凹面をつくる。この関節かんせつ特徴とくちょうとして,関節かんせつ窩が関節かんせつあたましていちじるしくちいさいので,関節かんせつあたま関節かんせつ窩からおおきくはみしている。このことはかた関節かんせつ運動うんどうせいがきわめておおきいことに関連かんれんしているが。その反面はんめん脱臼だっきゅうをおこしやすい欠点けってんがある。関節かんせつつつみ外面がいめんにはとくにこれを補強ほきょうする靱帯じんたいはないが,関節かんせつ運動うんどう関係かんけいした筋肉きんにく関節かんせつつつみ補強ほきょうしている。それらの筋肉きんにくは,ことに関節かんせつ上面うわつらこうめん発達はったつしている。したがって関節かんせつ前方ぜんぽう下方かほうでは関節かんせつつつみよわく,この部分ぶぶん脱臼だっきゅうすることがおおい。実際じっさいには,上肢じょうしよこきょじょうしたとき,外力がいりょく上方かみがたまたは後方こうほうからくわわると,上腕じょうわんこつぜん下方かほう脱臼だっきゅうすることがおおい。かた関節かんせつっきゅう関節かんせつであるからすべての方向ほうこう運動うんどうでき,また上肢じょうしじく回旋かいせんもできる。しかし実際じっさいには,周囲しゅういほねなどによる運動うんどう制限せいげんがあって,かた関節かんせつだけの運動うんどうでは,上肢じょうし水平すいへいに90きょじょうできるにすぎない。上肢じょうしをさらに上方かみがたにほぼ真上まうえまでげることができるのは,かた関節かんせつ運動うんどうのほかに,同時どうじむねくさり関節かんせつかたくさり関節かんせつ運動うんどうくわわるためである(このように,ひとつの運動うんどうおこなうのにあたって,隣接りんせつした複数ふくすう関節かんせつ同時どうじはたらいて,運動うんどう範囲はんい拡大かくだいする現象げんしょうがしばしばみられる。ヘビが自分じぶんからだよりもおおきいものをみこむことができるのも,ヘビのあご関節かんせつのこのような特殊とくしゅ構造こうぞうによる)。上腕じょうわんこつたいするかたかぶとこつ関節かんせつめんは,真横まよこからやく30前方ぜんぽうかたむいた方向ほうこうにある。かた関節かんせつはこの線上せんじょうもっと作業さぎょうしやすい。この位置いち上肢じょうし作業さぎょうという。日常にちじょうものくときやはしをつときの上腕じょうわんこつ位置いちは,すべて無意識むいしきてきにこの位置いちをとっている。またかた関節かんせつおもとした左右さゆう上肢じょうし運動うんどう範囲はんいは,ほぼ自分じぶん視野しや範囲はんい一致いっちしている。
かた

上腕じょうわんこつと橈骨およびしゃくこつとのあいだ関節かんせつで,これら3ほね相互そうごあいだにあるみっつの関節かんせつ共通きょうつう関節かんせつつつみおおわれてひじ関節かんせつをつくる。このような関節かんせつを〈ふく関節かんせつ〉という。しかしひじ関節かんせつとしての本来ほんらいはたらきは,上腕じょうわんこつしゃくこつとのあいだ関節かんせつうでじゃく関節かんせつ)でおこなわれる。ひじ関節かんせつ運動うんどうは,ひじの屈伸くっしんで,したがって1じくせい蝶番ちょうつがい関節かんせつである。

前腕ぜんわんにおいて平行へいこうならんでいる橈骨としゃくこつあいだ結合けつごうをいう。このりょうほねはそれぞれの上端じょうたん下端かたんふたつの関節かんせつをつくって結合けつごうしている。これをうえ橈尺関節かんせつしも橈尺関節かんせつという。前者ぜんしゃひじ関節かんせつ関節かんせつつつみつつまれている。このふたつの関節かんせつは,じく回旋かいせんのみをおこな車軸しゃじく関節かんせつで,回旋かいせん運動うんどうじく上方かみがたは橈骨の上端じょうたんとおり,下方かほうしゃくこつ下端かたんとおる。このせんじくとして,橈骨がしゃくこつまわりを回旋かいせんする。この運動うんどう具体ぐたいてきには,のひらを前後ぜんごにまわす運動うんどうで,のひらをまえける運動うんどうかいがいといい,反対はんたいうしろにけることをかいないという。

手首てくび関節かんせつで,たん関節かんせつばれることもある。橈骨の下端かたんこつとのあいだ関節かんせつで,関節かんせつめん楕円だえんがたをなすから,関節かんせつ分類ぶんるいじょうは2じくせい楕円だえん関節かんせつ相当そうとうする。のひらの屈曲くっきょく前方ぜんぽうげる)・伸展しんてんうしろへらす),およびうちてんのひらを小指こゆびがわたおす)・そとてんおなじくははゆびがわたおす)をおこない,この4方向ほうこう運動うんどうじゅんをおってつづけると,描円(ぶんまわし)ができる。

ははゆび親指おやゆび)はゆびくらべてひじょうによくうごく。その原因げんいんがこの中手なかて関節かんせつうごきによる。こつひとつであるだい菱形ひしがたこつははゆび中手なかてこつとのあいだ関節かんせつで,関節かんせつめんうまにのせるくらかたちをしたくら関節かんせつである。くら関節かんせつというのは,楕円だえん関節かんせつおなじく2じくせいである。したがってこの関節かんせつでは,ははゆび屈曲くっきょく伸展しんてんのほか,ないてんははゆびだい2ゆびせっする),そとてんのひらをうえけて水平すいへいにおいたとき,ははゆび先端せんたん上方かみがた運動うんどう)をおこない,さらにこれらの運動うんどう総合そうごうして描円ができる。ここでたいせつなのは,ははゆび屈曲くっきょくしたときに,ははゆびよっつのゆびかいうことで,この運動うんどうをとくに対立たいりつという。この運動うんどうができるのは,人間にんげんふくめた霊長れいちょうるい特徴とくちょうで,ものをしっかりにぎるのにやくだつ。人間にんげんでも,あかぼうのときには,まだこの運動うんどうがじょうずにできない。

ひろしこつひろしほねうす大腿だいたいこつあたまとのあいだ関節かんせつで,関節かんせつめんはほぼ完全かんぜん球面きゅうめんをなす。したがってかた関節かんせつおなじくせいたま関節かんせつぞくするが,かた関節かんせつちがてんは,関節かんせつ窩としてのひろしほねうすふかくて,関節かんせつあたま大腿だいたいこつあたま)のやく1/3をおおっている。したがってかた関節かんせつほど運動うんどう範囲はんいひろくないが,また反面はんめん脱臼だっきゅうしにくい。関節かんせつつつみ外面がいめんせっする靱帯じんたいつよい。じくせいであるから,あらゆる方向ほうこう運動うんどうできるが,その運動うんどう範囲はんいは,ひざをげたときに,ばしたときよりもやく2ばい拡大かくだいされる。これは股関節こかんせつひざ関節かんせつふたつの関節かんせつをこえてひろしこつから脛骨けいこつにつく大腿だいたいなが筋肉きんにく緊張きんちょう関係かんけいしている。股関節こかんせつのいまひとつの特徴とくちょうは,関節かんせつつつみひろ大腿だいたいこつあたまのみならず大腿だいたいこつ頸までつつむため,この部分ぶぶん血管けっかん分布ぶんぷ十分じゅうぶんでないことである。高年こうねんしゃおお大腿だいたいこつ頸部骨折こっせつなおりにくいのは,このことにも原因げんいんがある。
先天せんてんせい股関節こかんせつ脱臼だっきゅう

大腿だいたいこつ下端かたん脛骨けいこつ上端じょうたんとのあいだ関節かんせつで,そのほか関節かんせつ前面ぜんめんにある大腿だいたいよんとうすじけんのなかにある膝蓋骨しつがいこつ関節かんせつ構成こうせい関与かんよしている。1じくせい蝶番ちょうつがい関節かんせつでひざの屈伸くっしんおこなうが,ひざをげた位置いちでは,さらにあしうち旋やそと旋ができる。これは,ひざをばしたときには,関節かんせつ両側りょうがわにある靱帯じんたい(じんたい)(がわふく靱帯じんたいという)が緊張きんちょうしてあしうち旋,そと旋はできないが,ひざをげた位置いちではこれがゆるむために可能かのうとなる。スキーのときなど,ひざをすこげた姿勢しせいすべるのはこのためである。大腿だいたいこつ下端かたん球面きゅうめんちかいが,脛骨けいこつ上面うわつら平面へいめんてきであるから,この両者りょうしゃ関節かんせつめんは,たがいに適合てきごうしたかたちではない。このため関節かんせつ腔がひろいが,これを関節かんせつつつみより突出とっしゅつした脂肪しぼうふくんだすべりまくのひだや関節かんせつない靱帯じんたいめている。また関節かんせつめん不適合ふてきごうおぎなうために,脛骨けいこつ上面うわつらには繊維せんい軟骨なんこつから関節かんせつ半月はんつきがのっている。これには内外ないがいふたつの半月はんつきがあり,内側うちがわ半月はんつき外側そとがわ半月はんつきという。関節かんせつ半月はんつきは,はげしい衝撃しょうげきなどで裂傷れっしょうしょうずることがあり,そのときは激痛げきつうはっするという。膝蓋骨しつがいこつは,ひざの屈伸くっしんのときにほね筋肉きんにくとのあいだしょうずる摩擦まさつ軽減けいげんする。

あし関節かんせつともいう。脛骨けいこつ下端かたんおよび腓骨ひこつ下端かたんがつくる関節かんせつ窩に,距骨が関節かんせつあたまとして適合てきごうしている。そとくるぶし(がいか)(そとくるぶし)とうちくるぶし(うちくるぶし)をむすせんじくとして,あし屈伸くっしんおこなう。

がわ頭骨とうこつした顎骨がっこつとによってつくられる関節かんせつで,みみのすぐ前方ぜんぽう位置いちし,咀嚼そしゃく(そしやく)運動うんどうさいして,皮膚ひふうえからよくそのうごきにれることができる。この関節かんせつくち開閉かいへい,および上顎じょうがくしたあごをかみわせる(咬合(こうごう))ときにはたらく。このことは,食物しょくもつ咀嚼そしゃくするさい重要じゅうようである。あご関節かんせつは,かたちのうえからは,蝶番ちょうつがい関節かんせつないし楕円だえん関節かんせつであるが,そのうごきは動物どうぶつしょくせい関係かんけいしていて複雑ふくざつうごきをする。その運動うんどう分析ぶんせきするとつぎの3しゅ分類ぶんるいできる。(1)しもあご上下じょうげ運動うんどう,すなわちくち開閉かいへい,(2)しもあご前進ぜんしん運動うんどう,これはくちじた状態じょうたいいちじるしい,(3)しもあご水平すいへい運動うんどう,これはしもあごよこうごかす運動うんどうで,これもくちじた状態じょうたいいちじるしい。この3しゅ運動うんどうのうち(1)は肉食にくしょく動物どうぶついちじるしい運動うんどうで,(2)はかじ(げつし)(ネズミ,リスなど)で,(3)はウシ,ウマなどの草食そうしょく動物どうぶついちじるしい。ヒトなど雑食ざっしょくせい動物どうぶつでは,上述じょうじゅつ3しゅ運動うんどう混合こんごうしておこなう。
あご(あご)

左右さゆう恥骨ちこつからだ正中せいちゅうせんにつくる結合けつごうで,そと陰部いんぶちょく上部じょうぶにある。この結合けつごう正確せいかくには繊維せんい軟骨なんこつ結合けつごうで,両者りょうしゃあいだには繊維せんい軟骨なんこつ介在かいざいする。したがって多少たしょう可動かどうせいがあるが,とくに女性じょせいではうごきやすく,ときには繊維せんい軟骨なんこつのなかに関節かんせつ腔が存在そんざいすることがある。これは分娩ぶんべんさいして骨盤こつばん腔をひろげ,産道さんどうひろくして胎児たいじの娩出をたすける。あるしゅ動物どうぶつでは女性じょせいホルモンを投与とうよすることによって,恥骨ちこつ結合けつごう実験じっけんてきひろげることができる。

頭蓋骨ずがいこつは15しゅ,23ほねからるが,このうちした顎骨がっこつしたこつ以外いがいは,すべて縫合ほうごうという独特どくとく結合けつごう様式ようしきにより,不動ふどうせい連結れんけつしている。縫合ほうごうというのはふたつのほねにかわげん繊維せんいによって結合けつごうするものをいう。しかし胎児たいじ新生児しんせいじなどで,ほね十分じゅうぶんすすんでいない時期じきでは,縫合ほうごう発達はったつ不十分ふじゅうぶんで,隣接りんせつするほねあいだには比較的ひかくてきおおきい間隙かんげきがあり,この部分ぶぶん結合けつごう組織そしきによりまくじょう閉鎖へいさしている。この間隙かんげきいずみもんという。いずみもんのうち,とくに左右さゆう頭頂とうちょうこつぜん頭骨とうこつあいだのものは,ひしがたおおきい間隙かんげきで,大泉おおいずみもんといわれる。大泉おおいずみもん生後せいご8~9ヵ月かげつでは2~3cmのおおきさがあるが,しだいにほねすすむとともにちいさくなり,生後せいご2ねん前後ぜんこう閉鎖へいさして縫合ほうごう完成かんせいする。いずみもん存在そんざいによって,分娩ぶんべんさい胎児たいじ母体ぼたいせま産道さんどう通過つうかするとき,あたま産道さんどうおおきさやかたちおうじて変形へんけいして分娩ぶんべんたすけることができる。
骨格こっかく
執筆しっぴつしゃ

関節かんせつたいする手術しゅじゅつには以下いかのものがある。(1)関節かんせつ切開せっかいじゅつarthrotomy 目的もくてきおうじて皮膚ひふより関節かんせつないにまで切開せっかいくわえる手術しゅじゅつほう総称そうしょう関節かんせつない組織そしき試験しけん切除せつじょ関節かんせつ内部ないぶ診断しんだん遊離ゆうりたい摘出てきしゅつ半月はんつきばん切除せつじょ化膿かのうせい炎症えんしょう治療ちりょうなどの目的もくてきをもっておこなわれる。(2)すべりまく切除せつじょじゅつsynovectomy 関節かんせつまくすべりまくめんをむきるように切除せつじょする手術しゅじゅつ慢性まんせい関節かんせつリウマチ,変形へんけいせい関節かんせつしょう関節かんせつ結核けっかくなどに適応てきおうのある場合ばあいがある。(3)関節かんせつ切除せつじょじゅつjoint resection 病巣びょうそうふくんだ関節かんせつはし一塊ひとかたまりとして切除せつじょする手術しゅじゅつ現在げんざいあまりおこなわれない。(4)関節かんせつ制動せいどうじゅつarthrorisis 関節かんせつえんほね移植いしょくおこな関節かんせつ可動かどういき制限せいげんする方法ほうほう下垂かすいあし矯正きょうせいのためあし関節かんせつ後方こうほううえこっそここごめをブロックするなどの方法ほうほうがある。(5)関節かんせつ固定こていじゅつarthrodesis 関節かんせつ本来ほんらい性質せいしつである可動かどうせいはいする手術しゅじゅつで,関節かんせつ病変びょうへん鎮静ちんせい関節かんせつつう除去じょきょ関節かんせつ支持しじせい獲得かくとくりょう保持ほじ関節かんせつ変形へんけい矯正きょうせいなどの目的もくてきおこなわれる。対象たいしょうとなる疾患しっかんまたは症状しょうじょうとしては,関節かんせつ結核けっかくなどの慢性まんせい関節かんせつえん変形へんけいせい関節かんせつしょう麻痺まひによる動揺どうよう関節かんせつほね変形へんけいによる手足てあし変形へんけいなどがあげられる。(6)関節かんせつ形成けいせいじゅつarthroplasty 強直きょうちょくした関節かんせつ関節かんせつめんを剝離(はくり)し可動かどうせいさい獲得かくとくする手術しゅじゅつ関節かんせつめん適合てきごう癒着ゆちゃく防止ぼうしには各種かくしゅ手技しゅぎもちいられる。すなわち中間ちゅうかん挿入そうにゅうまくすじまく関節かんせつつつみなどを関節かんせつ挿入そうにゅうまたはめんおおうなどである。(7)人工じんこう関節かんせつ置換ちかんじゅつjoint replacement 関節かんせつ全体ぜんたいまたは一部いちぶ人工じんこうぶつ置換ちかんし,機能きのう温存おんぞんするとともにいたみをとるのを目的もくてきおこなう。ほねあたま全体ぜんたい置換ちかんする手術しゅじゅつ人工じんこうこつあたま置換ちかんじゅつばれ,大腿だいたいこつあたま付近ふきん疾患しっかん病変びょうへんもちいられる。関節かんせつぜん置換ちかんじゅつは,股関節こかんせつひざ関節かんせつしゅとしておこなわれ,おおくのじゅつしき人工じんこう関節かんせつ種類しゅるいがある。
人工じんこう関節かんせつ
執筆しっぴつしゃ


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日本にっぽんだい百科全書ひゃっかぜんしょ(ニッポニカ)関節かんせつ」の意味いみ・わかりやすい解説かいせつ

関節かんせつ
かんせつ

動物どうぶつ骨格こっかくかくほねたがいにいろいろな形式けいしき連結れんけつしており、その連結れんけつ関節かんせつという。結合けつごうするほね種々しゅじゅ運動うんどう必要ひつようとする場合ばあい可動かどう関節かんせつによって結合けつごうし、うごきを必要ひつようとしない場合ばあいには不動ふどう関節かんせつによって結合けつごうする。一般いっぱん関節かんせつというときは可動かどう関節かんせつをさし、不動ふどう関節かんせつ場合ばあいは、ほねあいだにある組織そしき種類しゅるいによって靭帯じんたい(じんたい)結合けつごう縫合ほうごう頭蓋骨ずがいこつ(とうがいこつ))、軟骨なんこつ結合けつごう恥骨ちこつ結合けつごう脊椎せきつい(せきつい)のしいたいあいだ結合けつごう)などとよぶ。

 可動かどう関節かんせつたがいのほねあいだ関節かんせつ腔(くう)とよぶせま間隙かんげき(かんげき)があり、関節かんせつ腔の内面ないめんにはすべりまくという組織そしきられている。関節かんせつをつくっている関節かんせつこつほねはし表面ひょうめんには関節かんせつ軟骨なんこつとよぶ硝子がらす軟骨なんこつ(ガラスなんこつ)のすすきそうあつさ0.5~2ミリメートル)があり、関節かんせつめん平滑へいかつにしている。関節かんせつ腔内にはすべりえきはいっていて、潤滑油じゅんかつゆ役割やくわりをしており、関節かんせつうごきをなめらかにしている。関節かんせつ一般いっぱんてきには対向たいこうする関節かんせつめんがあり、一方いっぽう凸面とつめん関節かんせつあたまとよび、他面ためんは凹面で関節かんせつ窩(か)とよぶ。関節かんせつ窩のあたりえんには線維せんい軟骨なんこつせい組織そしきがあったり(股関節こかんせつ(こかんせつ)の関節かんせつくちびる)、関節かんせつ腔を完全かんぜん二分にぶんしている関節かんせつえんばんあご関節かんせつ(がくかんせつ)、むねくさり関節かんせつ)や円座えんざのような関節かんせつ半月はんつきひざ関節かんせつ(しつかんせつ))が存在そんざいして関節かんせつめん適合てきごうをよくしている。

 関節かんせつ関節かんせつつつみとよぶ結合けつごう組織そしきつつまれるほか、さらにほねたがいに結合けつごうさせる補強ほきょうよう多数たすう靭帯じんたい関節かんせつ周囲しゅういにあって、関節かんせつ運動うんどう機能きのうてきたすけている。関節かんせつ運動うんどう性質せいしつ可能かのう範囲はんい関節かんせつ形態けいたい関節かんせつつつめ靭帯じんたいのつきかたまるといってよい。

 関節かんせつ分類ぶんるいほうにはさまざまなものがあって、関節かんせつ関与かんよするほねかずによってたん関節かんせつ(2ほね連結れんけつ)とかふく関節かんせつ(3以上いじょうほね連結れんけつ)を区別くべつしたり、関節かんせつ運動うんどう形式けいしきによって、屈曲くっきょく伸展しんてんうちてんそとてんそと旋、うち旋、かいないかいがいなどに区別くべつするが、これらの運動うんどう関節かんせつじく中心ちゅうしんとしておこなわれるものである。関節かんせつじくとは、関節かんせつとおふたつのほねをまっすぐにばした方向ほうこうはしる「たてじく」と、たてじく直角ちょっかく方向ほうこうの「直角ちょっかくじく」、これらりょうじくにそれぞれ直角ちょっかくな「垂直すいちょくじく」を設定せっていしたものであり、関節かんせつはこのみっつのじく中心ちゅうしんにして運動うんどうおこなう。関節かんせつじくからみた場合ばあい屈伸くっしん回旋かいせん運動うんどうを1じくのみでおこな一軸いちじくせい関節かんせつたがいに直交ちょっこうする2じく中心ちゅうしんにそれぞれが屈伸くっしんできるじくせい関節かんせつぜんがわかたへの屈伸くっしんのほか、回旋かいせん運動うんどうおこなさんじくせい関節かんせつじくせい関節かんせつ)のみっつにけられる。

 関節かんせつ分類ぶんるいのうち、もっとも一般いっぱんてきなのは、関節かんせつめん形状けいじょう、つまり関節かんせつあたま関節かんせつ窩のかたちによる分類ぶんるいである。なかには、厳密げんみつ区別くべつできない形状けいじょう関節かんせつもあるが、たま関節かんせつうす(うす)関節かんせつ)、楕円だえん(だえん)関節かんせつくら(くら)関節かんせつ蝶番ちょうつがい(ちょうつがい)関節かんせつ車軸しゃじく関節かんせつ平面へいめん関節かんせつなどがこれである。

(1)たま関節かんせつ 関節かんせつあたま半球はんきゅうじょうで、他方たほう関節かんせつ窩があさく、回転かいてん自由じゆうで、運動うんどう範囲はんい関節かんせつのなかではもっともひろじくせい関節かんせつである(かた関節かんせつ)。関節かんせつ窩がふか場合ばあいうす関節かんせつといい、可動かどう範囲はんい制限せいげんされる。股関節こかんせつがこれにぞくする。

(2)楕円だえん関節かんせつ 関節かんせつあたま楕円だえんがたじくせい関節かんせつで、2方向ほうこう屈曲くっきょくするが、回転かいてん運動うんどうができない。あご関節かんせつ、橈骨(とうこつ)関節かんせつがこれにぞくする。橈骨しゅ関節かんせつは、橈骨とこつぞくするふねじょうこつがつじょうこつりょうほねとのあいだにできる関節かんせつで、てのひらがわがわ、橈骨がわせきほねがわへの屈曲くっきょくおこなう。

(3)くら関節かんせつ 対向たいこうするほねはしめんくらじょうで、たがいに直角ちょっかくにあわさっているじくせい関節かんせつで、ははゆび中手なかて関節かんせつははゆび関節かんせつ)がこれにぞくする。

(4)蝶番ちょうつがい関節かんせつ 一軸いちじくせい関節かんせつで、蝶番ちょうつがいおなはたらきをして、1方向ほうこうだけの屈曲くっきょく運動うんどうおこなう。ゆびぶしあいだ関節かんせつゆびこつあいだ関節かんせつ)やうでじゃく関節かんせつ上腕じょうわんこつしゃくこつあいだ)がこれにぞくする。

(5)車軸しゃじく関節かんせつ 円柱えんちゅうじょう関節かんせつあたまちょうじくとなり、その側面そくめん関節かんせつ窩がはまるように湾曲わんきょくしている。関節かんせつ窩が固定こていして関節かんせつあたま運動うんどうじくとなる一軸いちじくせい関節かんせつであり、可動かどうせいおおきい。橈骨としゃくこつとのあいだの、うえしも橈尺関節かんせつ前腕ぜんわんかいがいかいない運動うんどうおこな車軸しゃじく関節かんせつであり、また、だい1頸椎(けいつい)とだい2頸椎とのあいだ構成こうせいされるせい中軸ちゅうじく関節かんせつ頭部とうぶ回転かいてんさせる。

(6)平面へいめん関節かんせつ ふたつの関節かんせつめん平面へいめんてきで、たがいにずれる運動うんどうおこなう(しいあいだ軟骨なんこつ)。

 関節かんせつ運動うんどう形式けいしき運動うんどう範囲はんいは、関節かんせつ形式けいしき関節かんせつ軟骨なんこつ形態けいたい関節かんせつ周囲しゅうい靭帯じんたいすじのつきかた走行そうこうによってまるため、関節かんせつ修復しゅうふく整形せいけいなどには、それらの条件じょうけん十分じゅうぶん考慮こうりょしないと機能きのう回復かいふく円滑えんかつにいかない。関節かんせつ運動うんどう感覚かんかくは、関節かんせつ内面ないめん軟骨なんこつ靭帯じんたいなどの内部ないぶに、関節かんせつめん接触せっしょくによって位置いち運動うんどうじょうきょう感受かんじゅする受容じゅようがあるため、自動的じどうてき他動的たどうてき運動うんどう関係かんけいなく、関節かんせつ運動うんどうかんじる。

しま和世かずよ

関節かんせつ疾患しっかん

代表だいひょうてきなものは「関節かんせつえん」と「脱臼だっきゅう(だっきゅう)」である。関節かんせつえん原因げんいんによって種々しゅじゅ分類ぶんるいされるが、「関節かんせつリウマチ」(リウマチせい関節かんせつえん)や「変形へんけいせい関節かんせつしょう」などはべつあつかわれる。また脱臼だっきゅうは、外傷がいしょうせいではかた関節かんせつおおくみられるが、先天せんてんせいでは「股関節こかんせつ脱臼だっきゅう」がもっともおおい。日常にちじょうてきには「捻挫ねんざ(ねんざ)」がよくみられるが、幼児ようじった瞬間しゅんかんにおこる「肘内ひじうちさわ(ちゅうないしょう)」もひじ関節かんせつ一部いちぶ脱臼だっきゅうである。

 関節かんせつ疾患しっかんにはかならず関節かんせつ運動うんどう障害しょうがいともな関節かんせつつううったえることがおおく、関節かんせつ可動かどういきのテストがおこなわれる。また関節かんせつ内視鏡ないしきょう検査けんさには、日本にっぽん開発かいはつされた「関節かんせつきょう」が使つかわれ、簡単かんたん手術しゅじゅつ可能かのうとなっている。治療ちりょうとしては「関節かんせつ固定こていじゅつ」のほか、関節かんせつ可動かどうせい回復かいふくさせる「関節かんせつ形成けいせいじゅつ」があり、「人工じんこう関節かんせつ」が使つかわれることもある。

 以上いじょうについてのくわしい解説かいせつは、それぞれの項目こうもく参照さんしょうされたい。

永井ながい たかし


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百科ひゃっか事典じてんマイペディア関節かんせつ」の意味いみ・わかりやすい解説かいせつ

関節かんせつ【かんせつ】

以上いじょうほねほねとがたがいにうごける状態じょうたい連結れんけつ可動かどう連結れんけつ)したときの結合けつごう部位ぶい脊椎動物せきついどうぶつそと骨格こっかく関節かんせつ一般いっぱん蝶番ちょうつがい(ちょうつがい)やとんがじく(せんじく)構造こうぞうでできている。脊椎動物せきついどうぶつ関節かんせつでは,ほねほねあいだ間隙かんげきがあるのが特徴とくちょうで,不動ふどう連結れんけつでは2ほねあいだにつなぎとして結合けつごう組織そしき軟骨なんこつなどが介在かいざいする。関節かんせつをつくるりょうほね相対そうたいするめん軟骨なんこつすすきそう関節かんせつ軟骨なんこつ)でおおわれてなめらかである。関節かんせつ周囲しゅうい骨膜こつまくつづきのまく関節かんせつつつみまたは関節かんせつ嚢)でつつまれ,そのうち腔を関節かんせつ腔とぶ。関節かんせつ腔はとき軟骨なんこつばん関節かんせつえんばん)で2ふんされる。関節かんせつつつみ内面ないめんにはすべりまくというすすきそうがあってすべりえきし,関節かんせつ運動うんどうをなめらかにする。関節かんせつそとにはこれを補強ほきょうする靭帯じんたい(じんたい)がある。関節かんせつをつくるほね一方いっぽう肥大ひだいして関節かんせつあたまとなり,はこれをける関節かんせつ窩(か)をつくることがおおい。関節かんせつには関節かんせつあたままたは関節かんせつめんかたちにより,きゅう関節かんせつ楕円だえん関節かんせつくら関節かんせつ蝶番ちょうつがい関節かんせつ車軸しゃじく関節かんせつ平面へいめん関節かんせつなどがあり,また関節かんせつでの運動うんどう回転かいてんじくすうにより,1じくせい,2じくせいじくせいなどを区別くべつする。関節かんせつかたちをしていてもほとんどうごかないはん関節かんせつもある。
関連かんれん項目こうもく脱臼だっきゅうほね

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ブリタニカ国際こくさいだい百科ひゃっか事典じてん しょう項目こうもく事典じてん関節かんせつ」の意味いみ・わかりやすい解説かいせつ

関節かんせつ
かんせつ
joint; articulation

2つ以上いじょうほねたがいに可動かどうせいをもって連絡れんらくしたものを可動かどう関節かんせつたがいに付着ふちゃくしているだけのものを不動ふどう関節かんせつというが,一般いっぱん関節かんせつといえば前者ぜんしゃをさす。関節かんせつめん関節かんせつあたま関節かんせつ窩からり,それぞれ関節かんせつ軟骨なんこつでおおわれている。その全体ぜんたい関節かんせつつつみ取囲とりかこんで関節かんせつ腔をつくり,なかすべりえきたしている。関節かんせつつつみ内面ないめんにはすべりまくがあり,すべりえき分泌ぶんぴつする。関節かんせつ機能きのうおよび形状けいじょうにより,平面へいめん関節かんせつきゅう関節かんせつくら関節かんせつ,ちょうつがい関節かんせつ楕円だえん関節かんせつ車軸しゃじく関節かんせつはん関節かんせつなどにけられる。

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普及ふきゅうばん どおり関節かんせつ」のみ・字形じけい画数かくすう意味いみ

関節かんせつ】かんせつ

ふし。

どおりせき」の項目こうもく

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栄養えいよう生化学せいかがく辞典じてん関節かんせつ」の解説かいせつ

関節かんせつ

 ほね連絡れんらく部分ぶぶん総称そうしょう

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世界せかいだい百科ひゃっか事典じてん旧版きゅうばんうち関節かんせつ言及げんきゅう

音声おんせいがく】より

…ここには声帯せいたいvocal cordsとぶ2まいべんがあり,たがいにせっしたりはなれたりして,はいからなが空気くうき遮断しゃだんしたり通過つうかさせたりする。こうした上位じょうい下位かい器官きかんもちいて言語げんご音声おんせいはっすることを調音ちょうおんarticulationとび,調音ちょうおん参加さんかする器官きかん調音ちょうおん器官きかんarticulatorという。
子音しいん分類ぶんるい
 子音しいんはいからなが空気くうきこえどうにおいて妨害ぼうがいするときはっするおとである。…

【フレージング】より

…またらくはリズムてき原理げんりばかりでなく,おと強弱きょうじゃく音色ねいろ変化へんかからも感得かんとくされることがある。そこからアーティキュレーションarticulationとの混同こんどうしょうじる。しかしアーティキュレーションはレガートやスタッカートなど,かくおと演奏えんそう表現ひょうげんにかかわる概念がいねんであって,音楽おんがくてき意味いみ区分くぶんであるフレージングとはあくまでも区別くべつされねばならない。…

節理せつり】より

岩石がんせき破断はだんめんで,それに沿うずれ(変位へんい)がないか,あるいはほとんどみとめられないもの。めん平行へいこうなずれのあるものを断層だんそうという。はなコウがんあつ塊状かいじょう砂岩さがんなどのような均質きんしつ岩石がんせき場合ばあいには,ずれを認定にんていするがかりがないので,かがみはだ断層だんそう粘土ねんどあるいは断層だんそうかくつぶてなど断層だんそうともなしょ特徴とくちょうみとめられないかぎり,両者りょうしゃ区別くべつするのはむつかしい。力学りきがくてきには,最大さいだい圧縮あっしゅくぬし応力おうりょくじくたいしてやく30かたむ方向ほうこうにできる剪断節理せつりと,このじく中間なかまぬし応力おうりょくじく両者りょうしゃふくめん平行へいこう張力ちょうりょく節理せつりとにけられる。…

目地めじ】より

石造せきぞう煉瓦れんがづくり,コンクリートブロックづくりなどのくみせき(くみづみ)工事こうじかべゆか,タイルりなどの張付はりつ工事こうじかべゆかにおいて,個々ここ材料ざいりょうあいだにできる継目つぎめ(つぎめ)をいう。また,モルタルりのかべゆかで,亀裂きれつふせぐためにつけるみぞ金属きんぞくばんをはめんだ筋目すじめ目地めじぶ。垂直すいちょく目地めじたて目地めじ水平すいへい目地めじ横目よこめというが,くみせき工事こうじでは,たて目地めじが2そう以上いじょう連続れんぞくしたものをいも(いも)目地めじび,構造こうぞう脆弱ぜいじゃくにするものとして絶対ぜったいけるようにしている。…

運動うんどう】より

移動いどう運動うんどう様式ようしきには遊泳ゆうえい匍匐ほふく(ほふく),歩行ほこう跳躍ちょうやく走行そうこう飛翔ひしょう(ひしよう),しょう,ジェット推進すいしんなどいろいろあり,そのために使つかわれる器官きかん(運動うんどう器官きかん)や機構きこうもさまざまである。筋肉きんにく運動うんどう場合ばあいは,関節かんせつをもつ骨格こっかくとそれに付着ふちゃくするしんすじこごめすじ組合くみあわせが一般いっぱんてきであり,骨格こっかく脊椎動物せきついどうぶつではそと骨格こっかく脊椎動物せきついどうぶつではうち骨格こっかくになる。
遊泳ゆうえいswimming]
 遊泳ゆうえい液体えきたいじょう媒質ばいしつなかを,底面ていめんからはなれて移動いどうする様式ようしきであり,まず歴史れきしてきもっとふるあらわれたものとかんがえてよい。…

機能きのう】より

関節かんせつ可動かどう制限せいげんのあるさい日常にちじょう生活せいかつじょう機能きのうてき能率のうりつのよいかく関節かんせつにはそれぞれ固有こゆう可動かどういきがあり,それらの組合くみあわせによって総合そうごうてき運動うんどういとなまれている。…

骨格こっかく】より

だい多数たすう種類しゅるいでは骨格こっかくにキチンしつうすいところがあって,そこでからだみきからだがるようになっている。これは一種いっしゅ関節かんせつで,節足動物せっそくどうぶつはここからきている。 軟体動物なんたいどうぶつだい多数たすうからだひょう石灰せっかいしつ貝殻かいがらそなえてからだ保護ほごをなす。…

※「関節かんせつ」について言及げんきゅうしている用語ようご解説かいせつ一部いちぶ掲載けいさいしています。

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