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村上春樹が長編小説『騎士団長殺し』とエッセイ『猫を棄てる』に込めた歴史修正主義との対決姿勢! 父親の戦中の凄惨な中国人虐殺の記憶を…|LITERA/リテラ

終戦しゅうせん記念きねん特別とくべつ企画きかく日本にっぽん加害かがい責任せきにん検証けんしょうするアンコール特集とくしゅう その4

村上むらかみ春樹はるき長編ちょうへん小説しょうせつ騎士きし団長だんちょうごろし』とエッセイ『ねこてる』にめた歴史れきし修正しゅうせい主義しゅぎとの対決たいけつ姿勢しせい父親ちちおや戦中せんちゅう凄惨せいさん中国人ちゅうごくじん虐殺ぎゃくさつ記憶きおくを…

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村上春樹が長編小説『騎士団長殺し』とエッセイ『猫を棄てる』に込めた歴史修正主義との対決姿勢! 父親の戦中の凄惨な中国人虐殺の記憶を…の画像1
村上むらかみ春樹はるきねこてる』(文藝春秋ぶんげいしゅんじゅうかん)/pre>

 75ねん節目ふしめむかえた今年ことし終戦しゅうせん記念きねん、リテラ が日本にっぽん加害かがい責任せきにんあらためて企画きかくをおとどけしているのは、歴史れきし修正しゅうせい主義しゅぎ跋扈ばっこによって、日本にっぽんぐん戦争せんそう犯罪はんざいがなかったことにされ、メディアの戦争せんそう回顧かいこ企画きかく日本人にっぽんじん兵士へいしくにのためにいのちらした美談びだん日本人にっぽんじん辛苦しんくえたが苦労くろうばなしばかりが目立めだつようになったからだ。

 しかし、そんななかで、ぎゃく意外いがい人物じんぶつ日本にっぽん戦争せんそう犯罪はんざい真正面ましょうめんからとらえ、歴史れきし修正しゅうせい主義しゅぎ対決たいけつする姿勢しせいしめすようになった。それは、小説しょうせつ村上むらかみ春樹はるきだ。

 2018ねん発表はっぴょうした長編ちょうへん小説しょうせつ騎士きし団長だんちょうごろし』では、南京なんきんだい虐殺ぎゃくさつについて「しがたい事実じじつ」とき、日本にっぽんへいによる中国人ちゅうごくじん捕虜ほりょ虐殺ぎゃくさつ場面ばめん生々なまなましくえがいた。そして、今年ことし出版しゅっぱんした『ねこてる──父親ちちおやについてかたるとき』(文藝春秋ぶんげいしゅんじゅう)では、父親ちちおやかたった「中国人ちゅうごくじん捕虜ほりょ斬殺ざんさつ」の体験たいけんつづり、その記憶きおくつぎ世代せだいにつないでいくことの重要じゅうようせいいていた。

 ほんサイトは『ねこてる』出版しゅっぱんのすこしあと、村上むらかみがなぜ日本にっぽん戦争せんそう犯罪はんざいうようになったのか、その理由りゆう覚悟かくご考察こうさつする記事きじ掲載けいさいした。そして同時どうじにその主張しゅちょうがほとんどメディアでげられていない不可解ふかかいさについても指摘してきした。ここに記事きじさいろくするので、ぜひんでほしい。
編集へんしゅう

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 村上むらかみ春樹はるきが4がつ下旬げじゅんした異例いれいのエッセイ『ねこてる──父親ちちおやについてかたるとき』(文藝春秋ぶんげいしゅんじゅう)が話題わだいをよんでいる。エッセイは1ねんほどまえ文藝春秋ぶんげいしゅんじゅう」(文藝春秋ぶんげいしゅんじゅう)2019ねん6がつごう発表はっぴょうしたものだが、なに異例いれいかというと父親ちちおやとのおもについてつづられていることだ。

 周知しゅうちのとおり、これまで村上むらかみ春樹はるきは、父親ちちおや国語こくご教師きょうしであることなど断片だんぺんてきれることはあったものの、自身じしんそだった家族かぞくについてほとんどかたってことはなかった。それは、村上むらかみ日本にっぽん文学ぶんがく特有とくゆうの「私小説ししょうせつてきなウェットさと距離きょりいてきた作家さっかであることも関係かんけいしているだろう。

にもかかわらず、ここにきて日本にっぽん文学ぶんがく典型てんけいてき主題しゅだいである「父親ちちおや」を正面しょうめんからえが文章ぶんしょう発表はっぴょうしたことは、おどろきをもってむかえられたのである。

 なぜ村上むらかみ春樹はるき自身じしん文学ぶんがくスタイルをくずしてまで、いま、父親ちちおやについていたのか。『ねこてる』をはじめると、その理由りゆうはすぐにわかる。

 それは、いま日本にっぽん社会しゃかい蔓延はびこ歴史れきし修正しゅうせい主義しゅぎ抵抗ていこうするためだ。

ねこてる』は、冒頭ぼうとうこそ少年しょうねん時代じだい村上むらかみ春樹はるきちちとのおものひとコマがえがかれるが、そのほとんどはちち戦時せんじちゅうぐんれき紹介しょうかいすることについやされている。

 村上むらかみ春樹はるきちちは1917ねん京都きょうとにある安養寺あんようじというおてら次男じなんとしてまれた。その、1936ねん旧制きゅうせい東山ひがしやま中学校ちゅうがっこう卒業そつぎょうし、18さい西山にしやま専門せんもん学校がっこうはいる。てら息子むすことして、僧侶そうりょ勉強べんきょうをすることになっていたのである。

 本来ほんらいであれば学校がっこう卒業そつぎょうするまでの4年間ねんかん徴兵ちょうへい猶予ゆうよける権利けんりがあったのだが、事務じむ手続てつづきをわすれていたために徴兵ちょうへいされてしまう。

 ちちだいじゅうろく師団しだん伏見ふしみ師団しだん)に所属しょぞくする輜重しちょうへいだいじゅうろく連隊れんたいぞくし、1938ねん特務とくむ二等兵にとうへいとして中国ちゅうごくおくられる。まともな補給ほきゅうもない環境かんきょうでのたたかいをちちはなんとかびるが、そんな戦地せんちにした残酷ざんこく出来事できごといちだけ息子むすこけてかたったことがあるという。それは、初年しょねんへい度胸どきょうをつけさせるため中国人ちゅうごくじん捕虜ほりょ軍刀ぐんとうころさせている光景こうけい記憶きおくだった。

中国ちゅうごくへいは、自分じぶんころされるとわかっていても、さわぎもせず、こわがりもせず、ただじっとじてしずかにそこにすわっていた。そして斬首ざんしゅされた。じつ見上みあげた態度たいどだった、とちちった。かれ斬殺ざんさつされたその中国ちゅうごくへいたいする敬意けいいを──おそらくぬときまで──ふかいだつづけていたようだった。
 おな部隊ぶたい仲間なかま兵士へいし処刑しょけい執行しっこうするのをただそばでせられていたのか、あるいはもっとふか関与かんよさせられたのか、そのへんのところはわからない。〉

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