藤原隆家ふじわらのたかいえ「あっ、西洞院にしのとういん。前ぜん太政大臣だじょうだいじん、三さんの君きみだ」
藤原伊周ふじわらのこれちか（無言むごんでうなづく）
隆りゅう家か「光子みつこ様さま。ハッ……それはまた……」

※NHK大河たいがドラマ「光ひかる君きみへ」第だい17回かい放送ほうそう「うつろい」より

今日きょうも今日きょうとて愛人あいじんの元もとへ逃にげ込こむ藤原伊周ふじわらのこれちか。弟おとうとの藤原ふじわら隆たかし家かに見抜みぬかれた三さんの君きみ・光子こうし（みつこ）とは何者なにものでしょうか。

結論けつろんから言いうと彼女かのじょは藤原ふじわら為ため光こう（ためみつ。前ぜん太政大臣だじょうだいじん）の娘むすめで、彼女かのじょは三さんの君きみ（さんのきみ）とか寝殿しんでんの上うえ（しんでんのうえ）などと呼よばれます。

藤原ふじわら為ため光こうの娘むすめ（子こ）だから光子こうし……これは大河たいがドラマの創作そうさく役名やくめいで、実名じつめいではありません。

藤原ふじわら光子みつこ（ふじわらの こうし／みつこ／てるこ）という女性じょせいは、大河たいがドラマで言及げんきゅうされた光子こうしとは別べつの人物じんぶつになります。

今回こんかいは三さんの君きみ光子こうしとおおむね同どう時代じだいを生いきた藤原ふじわら光子みつこについて紹介しょうかいしましょう。

藤原ふじわら妍子（道長みちなが次女じじょ・三条さんじょう天皇てんのう皇后こうごう）の女房にょうぼうとして活躍かつやく

藤原ふじわら妍子の女房にょうぼうとして活躍かつやくした藤原ふじわら光子みつこ（イメージ）

藤原ふじわら光子みつこは生年せいねん不ふ詳しょう、藤原ふじわら正ただし光こう（まさみつ）と源みなもと高明こうめい女おんな（たかあきらのむすめ）の間あいだに誕生たんじょうしました。正せい光ひかりは藤原ふじわら道長みちながの従兄じゅうけいにあたるので、光子こうしは道長みちながの従したがえ姪めいとなります。

【藤原ふじわら光子みつこの兄弟きょうだい姉妹しまい】
同母どうぼ兄弟きょうだい・藤原ふじわら兼けん貞さだ（かねさだ）
異母いぼ兄弟きょうだい・藤原ふじわら永ひさし家か（ながいえ。母親ははおや：藤原ふじわら永ひさし年女としおんな）
異母いぼ兄弟きょうだい・実じつ慶けい（じっけい／じっきょう。延暦寺えんりゃくじ阿闍梨あじゃり、生母せいぼ不ふ詳しょう）
異母いぼ姉妹しまい・藤原ふじわら長ちょう家か室しつ（ながいえつま。生母せいぼ不ふ詳しょう）
※藤原ふじわら長ちょう家かは道長みちなが六ろく男なん。

【大河たいがドラマに登場とうじょうする近親きんしん者しゃ】
藤原ふじわら顕あらわ光こう（あきみつ）：父方ちちかたの伯父おじ
藤原ふじわら朝光ともみつ（あさてる）：父方ちちかたの伯父おじ
源みなもと俊しゅん賢けん（としかた）：母方ははかたの伯父おじ
源みなもと明子あきこ（めいし／あきらけいこ）：母方ははかたの伯母おば

成長せいちょうして藤原ふじわら妍子（けんし／きよこ。道長みちなが次女じじょで三条さんじょう天皇てんのう皇后こうごう）に女房にょうぼうとして仕つかえ、のち藤原ふじわら公こう信しんじ（きんのぶ。藤原ふじわら為ため光こう四よん男なんで兄あに・藤原ふじわら斉ひとし信しん養子ようし）に嫁とつぎました。

2ページ目め 藤原ふじわら光子みつこの最期さいご