速報そくほう！2024新作しんさく時計とけい（後編こうへん）7大だいトレンド予測よそく

新作しんさくが出でそろう「時計とけいの春はる」が到来とうらいした。後編こうへんとなる本ほん記事きじでは、世界せかい最大さいだい規模きぼの高級こうきゅう時計とけいの見本市みほんいち「Watches & Wonders Geneva 2024（ウオッチズ＆ワンダーズ ジュネーブ 2024）」（通称つうしょうW&WG）で発表はっぴょうされた注目ちゅうもく作さくを中心ちゅうしんに、2024年ねんのウオッチトレンドを分析ぶんせき。話題わだいのダイヤルカラーや「ラグスポ」ブームの行方ゆくえ、旬しゅんのキーワードは何なにか。進すすむジェンダーレス化か、あらゆるジャンルを超こえるボーダーレス化かによる影響えいきょうとは？　時計とけい界かいの7つのネクストトレンドをお届とどけしよう。

1）ブランドの実力じつりょく発揮はっき！時じを告つげるジュエリー

左ひだり▼「アニマル ジュエリー ウォッチ」　ケース：縦たて34.29×横よこ38.83mm、厚あつさ10.5mm、ホワイトゴールド、ダイヤモンド、ツァボライトガーネット、ストラップ：アリゲーター（カーフストラップも付属ふぞく）、駆動くどう装置そうち：クオーツ、価格かかく：予価よか1782万まん円えん、2024年ねん9月がつ発売はつばい予定よてい（カルティエ カスタマー サービスセンター） Photo: (c) Cartier　中なか▼「インペリアーレ」　ケース：36mm、厚あつさ10.38mm、エシカルローズゴールド、ダイヤモンド、パパラチアサファイア、ストラップ：アリゲーター、駆動くどう装置そうち：自動じどう巻まき、価格かかく：1618万まん1000円えん、世界せかい限定げんてい8本ほん、ブティック限定げんていモデル（ショパール ジャパン プレス）　右みぎ▼「グランド・レディ・キャラ」　ケース：縦たて30.1×横よこ19.4mm、厚あつさ8.3mm、ホワイトゴールド、ダイヤモンド、ブレスレット：ホワイトゴールド、ダイヤモンド、ソートワール（ロングネックレス）：ホワイトゴールド、アコヤパール、オニキス、ダイヤモンド、駆動くどう装置そうち：クオーツ、価格かかく：予価よか2億おく1912万まん円えん、ブティック限定げんていモデル（ヴァシュロン・コンスタンタン）

年としを追おうごとに華はなやかに、ハイジュエリーと同等どうとうの輝かがやきをまとって進化しんかを続つづけるタイムピースたち。他たにはないクリエーティビティー、ジェムセッティングなどの審美しんび的てきな技巧ぎこうはもちろんのこと、防水ぼうすい性せいや耐久たいきゅう性せいといった機能きのうや腕時計うでどけいのメカニズムを支ささえる技術ぎじゅつ力ちからなくしてジュエリーウオッチは成立せいりつしない。この比類ひるいなき美うつくしさはメゾンの腕うでの見みせどころなのだ。

【トレンド1】カルティエ

「アニマル ジュエリー ウォッチ」（カルティエ カスタマー サービスセンター）

スタイルの革新かくしん者しゃカルティエは、メゾンの歴史れきしを飾かざるシンボリックな動物どうぶつたちを自由じゆう奔放ほんぽうに再さい解釈かいしゃく。シマウマとワニが予期よきせぬ出会であいを果はたし、空想くうそう上じょうの生いき物ものを誕生たんじょうさせた。

ダイヤモンド×ブラックラッカーの縞しま（しま）模様もようとツァボライトガーネットの鱗うろこ（うろこ）が混こん然しか一体いったいとなったアニマルのボディー。ツァボライトガーネットは、あえてパビリオン（宝石ほうせきの下したの部分ぶぶん）を上うえに向むけたことで、とがった部分ぶぶんがサイズグラデーションを描えがきながら並ならんでいるのも印象いんしょう的てきだ。

知覚ちかくを惑まどわすような造形ぞうけいが、ひし形がたのダイヤルをらせん状じょうに取とり巻まく意匠いしょうは芸術げいじゅつ作品さくひんさながら。腕時計うでどけいという制約せいやくの中なかでどこまでもジュエリーの美うつくしさを追おい求もとめた。

【トレンド1】ショパール

「インペリアーレ」（ショパール ジャパン プレス）

マニュファクチュールでありハイジュエリーの名手めいしゅでもあるショパール。2つの分野ぶんやにおけるアルチザン（職人しょくにん）たちの技わざと創造そうぞう性せいを結集けっしゅうし、「インペリアーレ」を色いろと宝石ほうせきで刷新さっしんした。

コレクション特有とくゆうのデザインコードといえば、古代こだいロろーマ帝国まていこく時代じだいの円柱えんちゅうを模もしたラグ（ケースとベルトの連結れんけつ部ぶ）や、高貴こうきな印象いんしょうの剣けん型がた針はり、蓮はちす（ハス）の花はなを想起そうきさせるシェイプのリューズ。

おなじみのエレガントな意匠いしょうを受うけ継つぎながら、マザーオブパールとエナメルのマルケトリー（象眼ぞうがん細工ざいく）を駆使くしして、紋章もんしょうから着想ちゃくそうを得えたアラベスク模様もようを絵画かいがのように描写びょうしゃ。

【トレンド1】ヴァシュロン・コンスタンタン

「グランド・レディ・キャラ」（ヴァシュロン・コンスタンタン）

ヴァシュロン・コンスタンタンとジュエリーウオッチの知しる人ひとぞ知しる蜜月みつげつ関係かんけい。初はじめて宝石ほうせきを施ほどこした懐中時計かいちゅうどけいの登場とうじょうは1812年ねんに遡さかのぼり、1979年ねんには大粒おおつぶダイヤモンドが手首てくびを埋うめ尽つくす「カリスタ」を、1980年ねんには「キャラ」を発表はっぴょう。「カリスタ」は当時とうじ、もっとも高額こうがくな品しなとささやかれたほど。

この伝統でんとうに新あたらしいページを刻きざんだのが、光ひかり輝かがやく「グランド・レディ・キャラ」だ。エメラルドカットダイヤモンドを全面ぜんめんに飾かざった時計とけいケースは工具こうぐを用もちいずにブレスレットから取とり外はずしでき、ソートワール（ロングネックレス）のトップとして着用ちゃくよう可能かのう。

時計とけいケース付つきのモチーフのほか、時計とけいなしの同どうデザインのモチーフが付属ふぞく。それぞれをブレスレットとネックレスに付つけ替かえることで4通とおりにまとえる壮麗そうれいなマスターピースの誕生たんじょうだ。

2）時じの「クワイエット・ラグジュアリー」

左ひだり▼「パトリモニー・マニュアルワインディング」　ケース：39mm、厚あつさ7.7mm、ホワイトゴールド、ストラップ：アリゲーター、駆動くどう装置そうち：手て巻まき、価格かかく：予価よか360万まん8000円えん、2024年ねん8月がつ発売はつばい予定よてい（ヴァシュロン・コンスタンタン）　中なか▼「トリック プティ・セコンド」　ケース：40.6mm、厚あつさ8.8mm、ローズゴールド、ストラップ：アリゲーター、駆動くどう装置そうち：手て巻まき、価格かかく：709万まん5000円えん、2024年ねん秋あき発売はつばい予定よてい（パルミジャーニ・フルリエ）　右みぎ▼カルティエ プリヴェ「トーチュ」　ケース縦たて41.4×横よこ32.9mm、厚あつさ7.2mm、プラチナ、ストラップ：アリゲーター、駆動くどう装置そうち：手て巻まき、価格かかく：予価よか541万まん2000円えん、世界せかい限定げんてい200本ほん、2024年ねん9月がつ発売はつばい予定よてい（カルティエ カスタマー サービスセンター）Photo: (c) Cartier

文字通もじどおり「静しずかな贅沢ぜいたく（ぜいたく）」を意味いみするクワイエット・ラグジュアリー。一目いちもくでハイブランドと分わかるような華美かびを排はいし、抑おさえた色いろや控ひかえめなデザインで上質じょうしつさと品格ひんかくを際立きわだたせる、いわば大人おとなのためのラグジュアリーだ。ファッション界かいを席巻せっけん中ちゅうの一大いちだいムーブメントが、高級こうきゅう時計とけいのキーワードに浮上ふじょうした。つまり最さい旬しゅんトレンドは、時代じだいが求もとめるユニセックスサイズで、メンズとしては小こぶりな薄型うすがたのドレスウオッチの復権ふっけん。そぎ落おとした末すえの豊ゆたかさを授さづけてくれる、「一生いっしょうもの」のドレスウオッチ3選せんをご紹介しょうかいする。

【トレンド2】ヴァシュロン・コンスタンタン

「パトリモニー・マニュアルワインディング」（ヴァシュロン・コンスタンタン）

「ドレスウオッチの完成かんせい形がた」として愛あいされるヴァシュロン・コンスタンタンの「パトリモニー」。歴史れきしある1957年ねん製せいの2針はりモデルから着想ちゃくそうを得えて、2004年ねんに誕生たんじょうしたメゾンの代名詞だいめいしだ。

クラシカルなバトン型がたの針はりとくさび型がたのインデックス、パール状じょうのミニッツトラック（分目わんめ盛ざかり）が並ならび、緩ゆるやかに湾曲わんきょくしたダイヤルの設計せっけいによって、潔いさぎよいほどのシンプリシティーと不変ふへんのモダニティーを兼備けんびする。

2024年ねんに発表はっぴょうされたコレクションのなかで最もっともミニマルな手て巻まきの2針はりモデルに、既存きそんモデルよりわずかにサイズダウンした39mm径みちが仲間入なかまいり。性差せいさを問とわず手首てくびにフィットするジェンダーニュートラルなサイズ感かんに注目ちゅうもくを。

【トレンド2】パルミジャーニ・フルリエ

「トリック プティ・セコンド」（パルミジャーニ・フルリエ）

パルミジャーニ・フルリエから、1996年ねんのブランド創設そうせつ時じに第だい1作さくを飾かざった「トリック」が復活ふっかつ。ギリシャ建築けんちくの柱はしらからアイデアを得えたベゼル上じょうのモルタージュ装飾そうしょくは、今いまでは不動ふどうのシンボルとなった。

新作しんさくでは薄型うすがたドレスウオッチの本質ほんしつに立たち返かえり、エレガンスを再さい定義ていぎ。最さい高級こうきゅうの素材そざいにこだわり、ケースはゴールドまたはプラチナ製せいに、ムーブメントからダイヤル、インデックス、時分じぶん針はりに至いたるまでをゴールド製せいに限定げんてい。モダニズム建築けんちくの巨匠きょしょうル・コルビュジエが設定せっていしたカラーパレットをベースに大地だいちと自然しぜんの色いろを作つくり出だし、そのニュアンスカラーのダイヤルに手作業てさぎょうでグレイン仕上しあげを施ほどこした。

この品格ひんかく、女性じょせいたちが白しろシャツの袖口そでぐちからのぞかせれば羨望せんぼうの的まとに。

【トレンド2】カルティエ

カルティエ プリヴェ「トーチュ」（カルティエ カスタマー サービスセンター）

年としに1度ど、メゾンが歴史れきし的てき価値かちの高たかいレジェンドをよみがえらせる「カルティエ プリヴェ」コレクション。個別こべつ番号ばんごうの入はいった限定げんていモデルとして制作せいさくされる、希少きしょうな機械きかい式しき時計とけいのコレクションだ。

8作さく目めを数かぞえる今回こんかいは、1912年ねんに生うまれた「トーチュ」を現代げんだい的てきに再さい解釈かいしゃく。全ぜん5種類しゅるいのラインアップのうち、シンプルに徹てっしたプラチナケースの2針はりモデルに着目ちゃくもくしよう。

ケースとベルトの連結れんけつ部ぶであるラグはストラップに沿そって引ひき伸のばされ、よりスリムなシルエットに。象徴しょうちょう的てきなローマ数字すうじのインデックスにはロジウムコーティングが施ほどこされ、時代じだいの空気くうきを呼吸こきゅうする控ひかえめで上質じょうしつなアティチュードを醸かもし出だす。