所属する組織の「非管理職より給与が低い」課長は約2割――そんな調査結果が、学校法人産業能率大学 総合研究所(東京都世田谷区)の「第7回 上場企業の課長に関する実態調査」で分かりました。また、課長職の仕事への意欲については、「目標達成に対して高いコミットメントがある」が最多となった一方で、「人事諸施策に満足している」という回答が最も低くなったそうです。
調査は、従業員300人以上の上場企業に勤め、部下が1人以上いる課長級の管理職809人(男性769人/女性40人)を対象として、2023年7月にインターネットで実施されました。
はじめに、「コロナ禍前(2019年)と比較した職場の状況」について聞いたところ、49.3%の課長が「コンプライアンスが厳しくなっている」と回答しました。そのほか、「知識やスキルの更新が常に求められている」(44.4%)、「社員の平均年齢が上がっている」(38.4%)、「業務量が増えている」(38.3%)といった回答が上位に挙がっています。また、最下位ではあったものの、11.4%の課長が「AIに仕事が代替されている」と答えています。
次に、所属する組織の「課長職の賃金」について聞いたところ、「課長の給与は、残業代を加算した非管理職よりも高い水準にある」と答えた人は37.6%となりました。
その一方で、18.8%の課長が「残業代を加算した非管理職よりも給与が低い」こと答えているほか、「”賞与の公正性”(31.0%)や”仕事の難易度と役割”(30.0%)に基づく給与基準の適切さ」を感じている課長は、全体の3割程度に留まる結果となりました。
また、「課長職においての仕事への意欲」について聞いたところ、「目標達成に対して高いコミットメントがある」(46.7%)、「より高い成果を出せるように、積極的に努力している」(44.8%)、「組織が求めている以上に、自身の職務を献身的に務めている」(39.0%)といった回答が上位に並びました。
その一方で、「人事諸施策に満足している」(25.0%)という回答が最も低くなり、課長職向け人事諸施策の満足度は低いことがうかがえる結果となったそうです。