本郷ほんごう奏そう多た、大河たいがドラマ『光ひかる君きみへ』奇行きこうの花山はなやま天皇てんのうを体現たいげん…その名字みょうじが語かたる、全国ぜんこくに広ひろがるルーツ

大河たいがドラマ「光ひかる君きみへ」で花山はなやま天皇てんのう役やくを務つとめている本郷ほんごう奏そう多た。

花山はなやま天皇てんのうは天皇てんのうらしからぬ奇行きこうの多おおかった人物じんぶつとして知しられている。ドラマ中ちゅうでも足あしで扇子せんすを開ひらいたり、母ははと娘むすめの両方りょうほうに手てを付つけた話はなしをするなど、高貴こうきな人ひととしてはありえない行動こうどうをさらりとこなし、「身分みぶんは高貴こうきだが、人ひととしてはいかがなものか」という役やくどころを見事みごとに演えんじている。

因ちなみに花山はなやま天皇てんのうはその奇行きこうに隠かくれて目立めだたないが、饗宴きょうえんの禁制きんせいを布告ふこくしたり、荘園しょうえん整理せいり令れいを出だすなど革新かくしん的てきな政治せいじを行おこなおうとした天皇てんのうでもあり、また和歌わか、絵画かいが、工芸こうげいなど多方面たほうめんに才能さいのうを発揮はっきしたという。

さて、この本郷ほんごう奏そう多たという名前なまえは「奏そう多た（かなた）」も含ふくめて本名ほんみょうとのこと。

名字みょうじの「本郷ほんごう」は全国ぜんこくランキングでは1000位い付近ふきんというかなりメジャーな名字みょうじで、沖縄おきなわ以外いがいに広ひろく分布ぶんぷしている。

特定とくていの地域ちいきに集中しゅうちゅうしている場合ばあいはそこにルーツがあるが、全国ぜんこくに広ひろく分布ぶんぷしている名字みょうじは一般いっぱん的てきな言葉ことばや風景ふうけいがルーツとなっていることが多おおい。「本郷ほんごう」は後者こうしゃで、「本郷ほんごう」とは普通ふつうの言葉ことばだった。

そもそも「郷さと」とは、古代こだいの令れい制せいにおける地方ちほう行政ぎょうせい区画くかくの最下位さいかいの単位たんいのことである。

古ふるくは「里さと（さと）」といったが、奈良なら時代じだい初はじめに「郷さと」に改あらためられた。当時とうじは家いえ50戸こを1つの「郷さと」の目安めやすにしたという。今いまでいう大字だいじ（おおあざ）、または農村のうそん部ぶでの1つの集落しゅうらくという感かんじだろう。

さて、その地ちが発展はってんして「郷さと」の人口じんこうが増ふえると、1つの「郷さと」を分割ぶんかつして新あたらしい「郷さと」ができる。このとき、元もとからある「郷さと」のことを「本郷ほんごう」といった。

最もっとも有名ゆうめいな「本郷ほんごう」は東大とうだいがあることで知しられる文京ぶんきょう区くの本郷ほんごうだろう。ここは古ふるくは湯島ゆしまの中心ちゅうしんとなる集落しゅうらくで、湯島ゆしま本郷ほんごうと言いわれていた。それが次第しだいに短縮たんしゅくされて「本郷ほんごう」だけになったという。

こうした場所ばしょは各地かくちにあり、全国ぜんこくにたくさんの「本郷ほんごう」という地名ちめいが存在そんざいした。

そして、この各地かくちの本郷ほんごうに住すんでいた人達ひとたちが名乗なのったのが「本郷ほんごう」という名字みょうじである。従したがって「本郷ほんごう」さんは全国ぜんこくに広ひろく分布ぶんぷしている。

その中なかでも最もっとも「本郷ほんごう」が多おおいのが宮城みやぎ県けんで、本郷ほんごう奏そう多たも宮城みやぎ県けんの出身しゅっしんである。