てんかんと闘たたかう13歳さいのダックスフント　放浪ほうろうの末すえに見みつけた安やすらぎの場所ばしょと優やさしい家族かぞく　「寄より添そい、幸しあわせな晩年ばんねんにしてあげるね」

皮膚ひふがボロボロの状態じょうたいで神奈川かながわ県けん動物どうぶつ愛護あいごセンターの片隅かたすみにいたオスのダックスフント。後のちに「ルイージ」と名付なづけられたこのワンコは13歳さいでした。

経緯けいいは不明ふめいですが、街まち中ちゅうをひとりぼっちで放浪ほうろうしていたところを捕獲ほかくされ、収容しゅうようされました。その後ごもルイージにお迎むかえはありませんでした。元もといた環境かんきょうで全まったく世話せわをされず遺棄いきされたのだと思おもわれます。

地元じもとの保護ほご団体だんたいがこのルイージを保護ほごし、その後ご千葉ちば県けんの団体だんたい・アイドッグ・レスキュー隊たいに「命いのちのバトン」を渡わたすことになりました。

ボロボロの足あしや目め、鼻はな

保護ほご時じのルイージの体からだをよく見みると、足あしや目め、鼻はななどがボロボロで、皮膚ひふアレルギーのようでした。ルイージを世話せわすることになった預あずかりボランティアさんは、まず信頼しんらいしているトリマーさんでケアしてもらいました。

トリマーさんはルイージの毛けをきれいにカットし、さらに薬くすり浴よくもしてくれました。当とうのルイージは緊張きんちょうしながらも気持きもち良よさそうな表情ひょうじょうで、預あずかりボランティアさんもトリマーさんも「まずは第だい一いち段階だんかいクリアよ！」と大だい喜よろこびでした。

そのまま預あずかりボランティアさんの家いえに連つれて帰がえりましたが、ルイージは初はじめての家いえと複数ふくすうのワンコがいる環境かんきょうにガチガチ。先住せんじゅう犬けんが乗のっかってきても無表情むひょうじょうのままで、一睡いっすいもせず朝あさを迎むかえました。

持病じびょうと高齢こうれいで「譲渡じょうとのハードルは高たかめ」

数日すうじつ後ご、緊張きんちょうが解とけてきたルイージでしたが、「動物どうぶつ病院びょういんに行いこう」とした矢先やさきに1分ふんほどのてんかん発作ほっさを起おこしました。

「これはまずい」と思おもった預あずかりボランティアさんはルイージが緊張きんちょうのあまり発作ほっさを起おこしているのかもしれないと考かんがえ、翌々日よくよくじつに受診じゅしんさせました。獣しし医師いしによれば、ルイージはてんかん持もちでこの病気びょうきとはずっと付つき合あわねばならないと言いわれました。

13歳さいという年齢ねんれいと持病じびょうを考かんがえると、里親さとおやさんのマッチングのハードルは高たかいと思おもわれましたが、預あずかりボランティアさんは諦あきらめませんでした。

「大丈夫だいじょうぶ。ルイージの健康けんこう状態じょうたいは良よくないかもしれないけど、必かならず幸しあわせになれるはず。だって私わたしの家いえに来きてくれたんだから。一緒いっしょにがんばって行いこうね」

ルイージは穏おだやかな余生よせいをおくることに

こんな預あずかりボランティアさんに、ルイージは次第しだいに心しんを開ひらくようになりました。外出がいしゅつ先さきから戻もどると玄関げんかんまで尻尾しっぽを振ふりながらお迎むかえに来きてくれるように。幸さいわいなことに、てんかん発作ほっさも見みられなくなりました。ルイージがもう一度いちど人間にんげんを信しんじてくれたことで安心あんしん感かんを得えて、そのことがいい影響えいきょうを与あたえているのかもしれません。

さらにうれしい知しらせが舞まい込こみました。「ルイージを迎むかえ入いれたい」という里親さとおや希望きぼう者しゃさんの申もうし出でがあったのです。

「ルイージの持病じびょうや年齢ねんれいはもちろん理解りかいしています」とその人ひとはきっぱり。「だからこそルイージに寄より添そい、幸しあわせな晩年ばんねんにしてあげたい」と力強ちからづよく語かたります。

一定いってい期間きかんのトライアルを経へて、この優やさしい里親さとおやさんがルイージの「ずっとのお家いえ」になりました。里親さとおやさんのたっぷりの愛情あいじょうを受うけ、ルイージは穏おだやかな日々ひびを過すごしています。

持病じびょうと向むき合あう日々ひびは続つづきます。でもさまざまな困難こんなんを乗のり越こえ、最後さいごの最後さいごで幸しあわせを引ひき寄よせたルイージならきっと大丈夫だいじょうぶ。これからも長ながく幸しあわせな犬いぬ生せいを送おくってね。

アイドッグ・レスキュー隊たい
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