更新こうしんされる「過去かこ最低さいてい」と「衝撃しょうげき」　出生しゅっしょう率りつ1.20　「結婚けっこんしない若者わかもの」それとも「結婚けっこん後ごに子こどもを持もたない夫婦ふうふ」のせい？

6月5日にち、厚生こうせい労働省ろうどうしょうの人口じんこう動態どうたい調査ちょうさにおいて、2023年ねんの日本にっぽんの出生しゅっしょう率りつが1.20（概算がいさん値ち）であったと発表はっぴょうされました。過去かこ最低さいていの出生しゅっしょう率りつと報道ほうどうされ、多おおくの人ひとからの関心かんしんを集あつめています。

日本にっぽんの出生しゅっしょう率りつはなぜ下さがり続つづけているのでしょうか。理由りゆうは大おおきく2つに分わけられます。1つめの理由りゆうは、結婚けっこんに至いたるカップルが減へっていることです。もう一ひとつは、結婚けっこん後ごの夫婦ふうふが持もつ子こどもの数かずが少すくなくなっているのが理由りゆうです。では、これら2つの理由りゆうはどちらが、少子化しょうしかの原因げんいんとしてより重要じゅうようでしょうか。

今いままでは、結婚けっこんするカップルが減へっていることが、少子化しょうしかの大おおきな原因げんいんだと考かんがえられてきました。一方いっぽうで最近さいきんは、結婚けっこん後ごに持もつ子こどもの数かずが減へる影響えいきょうも見過みすごせないという議論ぎろんがあります。これらの議論ぎろんを、データや先行せんこう研究けんきゅうをもとに紹介しょうかいします。

出生しゅっしょう率りつを引ひき上あげるには、婚姻こんいん数すうや、結婚けっこん後ごの出生しゅっしょう数すうが減へってしまう原因げんいんを整理せいりしていく必要ひつようがあります。そして得えられた研究けんきゅう成果せいかを生いかして、結婚けっこん・出生しゅっしょうの行動こうどうを妨さまたげない取とり組くみが求もとめられます。もちろん、「子こどもはいらない」「結婚けっこんは望のぞまない」といった、多様たようなあり方かたを認みとめる社会しゃかい認識にんしきや制度せいどは大前提だいぜんていです。そのうえで、少子化しょうしかに取とり組くむ方法ほうほうについて議論ぎろんを進すすめなければなりません。

少子化しょうしかの原因げんいんは？結婚けっこんか出産しゅっさんか

人口じんこう動態どうたい調査ちょうさの結果けっかをもとに、出生しゅっしょう率りつに関かんするデータを見みてみましょう。この記事きじでは2つのデータを紹介しょうかいします。1つめのデータは合計ごうけい特殊とくしゅ出生しゅっしょう率りつです。未婚みこん者しゃを含ふくむ、全すべての女性じょせいが平均へいきん的てきに持もつ子こどもの数かずを表あらわしています。ニュースでよく紹介しょうかいされる出生しゅっしょう率りつはこの数値すうちです。

2つめは有ゆう配偶はいぐう出生しゅっしょう率りつです。有ゆう配偶はいぐう出生しゅっしょう率りつは、配偶はいぐう者しゃを持もつ女性じょせいが平均へいきん的てきに持もつ子こどもの数かずを示しめしています。既婚きこん女性じょせいのみを対象たいしょうとしている点てんが、合計ごうけい特殊とくしゅ出生しゅっしょう率りつとの大おおきな違ちがいです。　2つの出生しゅっしょう率りつの動うごきを比くらべやすくするために、配偶はいぐう者しゃを持もつ女性じょせいの出生しゅっしょう率りつを年齢ねんれいごとに足たし合あわせた値ねを、有ゆう配偶はいぐう出生しゅっしょう率りつとしてこの記事きじでは紹介しょうかいします。

合計ごうけい特殊とくしゅ出生しゅっしょう率りつは1.75（1980年ねん）から1.26（2020年ねん）へと減少げんしょうしていることがわかります。それに対たいして、有ゆう配偶はいぐう出生しゅっしょう率りつは1.08（1980年ねん）から1.74（2015年ねん）へと上昇じょうしょうしています。データを見みる限かぎり、結婚けっこん後ごに持もつ子こどもの数かずは減へっていません。少子化しょうしかの主おもな要因よういんは結婚けっこんに至いたるカップルが少すくなくなったことだと考かんがえられてきたのです。

ただし直近ちょっきんの有ゆう配偶はいぐう出生しゅっしょう率りつは、1.74（2015年ねん）から1.64（2020年ねん）へと減少げんしょうに転てんじているようにも見みえます。実際じっさいに減へり始はじめているか判断はんだんするには最新さいしんのデータを待まつ必要ひつようがあります。しかし、結婚けっこん後ごに出生しゅっしょう数すうが減少げんしょうしたことも、少子化しょうしかの大おおきな要因よういんとして考かんがえる方ほうがよいでしょう。