個人こじん投資とうし家かデビュー　NISAとiDeCo、どちらがおすすめ？　FPが解説かいせつ

銀行ぎんこうでの普通ふつう預金よきんの金利きんりが年利ねんり0.02%と低迷ていめいしている昨今さっこん、利回りまわりの大おおきい投資とうしが人気にんきを集あつめています。なかでもNISAやiDeCoはTVや雑誌ざっしなどでも多おおく取とり上あげられていることから、興味きょうみをもっている人ひとが多おおいでしょう。

今いままで投資とうしに興味きょうみがなかった都内とないで会社かいしゃ員いんとして働はたらくAさん（30歳さい男性だんせい）も、「いつも銀行ぎんこう預金よきんで貯蓄ちょちくをしていたけれど、投資とうしにまわした方ほうがいいかも…」と思おもい始はじめていました。しかし「NISAとiDeCoってなにが違ちがうの？」「どっちをやるべき？両方りょうほうできるの？」などさまざまな投資とうしに関かんする疑問ぎもんを持もっているようです。

そこで元もと銀行ぎんこう員いんでファイナンシャルプランナーの渡辺わたなべ智さとしさんに、NISAとiDeCoの違ちがいや特徴とくちょうなどについて話はなしを聞ききました。

ーNISAとiDeCoはどんな違ちがいがありますか？

そもそもNISAは少額しょうがく投資とうし非課税ひかぜい制度せいどというもので、投資とうしによって得えられた売却ばいきゃく益えきや配当はいとう金きんを非課税ひかぜいで受うけ取とることができる制度せいどのことです。

金額きんがくに制限せいげんがあるものの、通常つうじょうの投資とうしで得えられる利益りえきに掛かかってくる税金ぜいきん20.315%（所得しょとく税ぜい15％、住民じゅうみん税ぜい5％、復興ふっこう特別とくべつ所得しょとく税ぜい0.315％）が、NISAでは非課税ひかぜいとなります。

一方いっぽう、iDeCoは個人こじん型がた確定かくてい拠出きょしゅつ年金ねんきんという年金ねんきん制度せいどのひとつです。国民こくみん年金ねんきんと違ちがって自分じぶんで毎月まいつき拠出きょしゅつする掛金かけきんの金額きんがく設定せっていが可能かのうで、その掛金かけきんを利用りようして自分じぶんが選えらんだ投資とうし先さきで積立つみたて運用うんようをおこないます。

NISAとiDeCoでもっとも違ちがう点てんは、資金しきんの引ひき出だしの自由じゆうさです。NISAでは資金しきんの引ひき出だしはいつでも自由じゆうにおこなえますが、iDeCoは年金ねんきんである特性とくせい上じょう、60歳さいまでは資金しきんの引ひき出だしができません。そのため、運用うんよう益えきを途中とちゅうで引ひき出だしたいと考かんがえている人ひとはNISAを利用りようするべきです。

また、iDeCoはNISAに比くらべて年間ねんかん運用うんよう金額きんがくの上限じょうげんが低ひくく、14万まん4,000円えん～81万まん6,000円えんと設定せっていされています。NISAでは最大さいだい360万まん円えん（つみたて投資とうし枠わく：年間ねんかん120万まん円えん、成長せいちょう投資とうし枠わく：年間ねんかん240万まん円えん）運用うんよう可能かのうなため、大おおきな金額きんがくの投資とうしにもチャレンジしたい人ひとはNISAの方ほうがおすすめです。

ただiDeCoは積立つみたて時じの掛かけ金きんを所得しょとく控除こうじょにすることができたり、受うけ取とり金額きんがくの一定いってい額がくを退職たいしょく所得しょとく控除こうじょや公的こうてき年金ねんきん等とう控除こうじょの対象たいしょうになったり、税金ぜいきん面めんで優遇ゆうぐうされています。しかも非課税ひかぜい保有ほゆう限度げんど額がくで比くらべても、NISAは1,800万まん円えん（成長せいちょう投資とうし枠わくは1,200万まん円えん）と制限せいげんがある一方いっぽう、iDeCoは制限せいげんがありません。

ーではNISAに向むいている人ひとはどんな人ひとでしょうか？

NISAのメリットは、いつでも解約かいやく可能かのうで、運用うんよう金額きんがくの下限かげん額がくの制限せいげんがないことです。そのため、少すくない金額きんがくで投資とうしを試ためすことができて、投資とうし初心者しょしんしゃに向むいているといえます。

ーではiDeCoはどんな人ひとが向むいていますか？

ずばり老後ろうご資金しきんを充実じゅうじつさせたいと考かんがえている人ひとにおすすめです。理由りゆうはiDeCoが原則げんそく60歳さいになるまで引ひき出だしできない投資とうしだからです。

また拠出きょしゅつできる掛金かけきんがNISAに比くらべて少すくないため、iDeCoで貯蓄ちょちくしつつNISAで投資とうしを楽たのしむという人ひとも少すくなくありません。

ー初はじめて投資とうしをするのであればNISAとiDeCoのどちらがおすすめですか？

一定いっていの収入しゅうにゅうがあるのであればNISAとiDeCoの併用へいようがおすすめです。ただ、まずはどちらか一方いっぽうから始はじめてみたいのであれば、いつでも解約かいやくができるNISAを利用りようするのが良よいでしょう。

物価ぶっか上昇じょうしょうが続つづいている現在げんざいでは、投資とうしで貯金ちょきんよりも資産しさんを運用うんようして利益りえきを生うむことの重要じゅうよう度どは高たかまっています。ご自身じしんで将来しょうらいのためにも、ぜひ投資とうしにチャレンジしてみましょう。

◆渡辺わたなべ智さとし（わたなべ・さとし）／1級きゅうファイナンシャル・プランニング技能ぎのう士し　メガバンクに11年間ねんかん勤務きんむ。現在げんざいは金融きんゆうライターとして活躍かつやく中ちゅう。メガバンク在職ざいしょく時じには最優秀さいゆうしゅう営業えいぎょう賞しょうを2回かい受賞じゅしょう。富裕ふゆう層そうを対象たいしょうにするプライベートバンカーなどを歴任れきにん。「難むずかしい金融きんゆうをわかりやすく伝つたえる」ことをモットーに活動かつどう中ちゅう。