「余命3カ月」と宣告されてから撮り始めた「花筐 HANAGATAMI」から2年。大林宣彦監督の新作「海辺の映画館 キネマの玉手箱」が完成した。「軽い気持ち」で始まった映画は、集大成と思っていた「花筐」を超える「快挙」の大作となった。
「花筐」完成直後から、企画が動き出した。「故郷の広島・尾道で気軽にエンターテインメントをと誘われて、やり始めたら本気になった。キャスト、スタッフ合わせて300人の大騒動になっちゃった。映画人生の大自慢の快挙になりました」とニコニコ。撮影は車イスで、闘病を続けながら。しかしとてもそうとは思えぬ斬新さ、若々しさ。上映時間3時間の大作。記者らへの完成披露後も、なお手を入れたそう。
映画はファンタジーを通して戦争を語る。港町の小さな映画館が、閉館前に日本の戦争映画の特集を組んだ。映画を見に来た若者たちがスクリーンの中に入り込み明治維新から第二次世界大戦までの戦争を体験することになる。