科学かがく・テクノロジー

気候きこう革命かくめい

「気候きこう変動へんどうで失うしなわれる命いのちがある」　若者わかものたちが選えらんだ新あたらしいアクション

　一刻いっこくも早はやく手てを尽つくさなければ、取とり返かえしがつかなくなる――。　全国ぜんこくの14～29歳さいの16人にんが今月こんげつ、二酸化炭素にさんかたんそ（CO2）排出はいしゅつ削減さくげんを求もとめて国内こくないの主要しゅような火力かりょく発電はつでん事業じぎょう者しゃを提訴ていそした。これまでもデモや署名しょめい活動かつどうを通つうじて地球ちきゅう温暖おんだん化か対策たいさく強化きょうかを求もとめる動うごきはあったが、今回こんかい若者わかものはなぜ、裁判さいばんに踏ふみ切きったのか。　＜関連かんれん記事きじ＞　　

気候きこう革命かくめい

気候きこう変動へんどう、海外かいがいでは画期的かっきてき判決はんけつ　「門前払もんぜんばらい」する日本にっぽんとの落差らくさ

　世界せかいの温室おんしつ効果こうかガス排出はいしゅつ量りょうは増ふえ続つづけ、地球ちきゅう温暖おんだん化かを抑制よくせいするための国際こくさい目標もくひょうの実現じつげんは危あやうい。こうした中なか、対策たいさく強化きょうかを求もとめる「新あたらしいアクション」として、国内こくない各地かくちの若者わかものは今回こんかい、裁判さいばんという手段しゅだんを選えらんだ。　＜関連かんれん記事きじ＞　　・「気候きこう変動へんどうで失うしなわれる命いのちある」　若者わかものたちの訴うったえ　　◇パリ協定きょうてい以降いこうに提訴ていそ急増きゅうぞう　世界せかいでは、温暖おんだん化か

空そら飛とぶクルマ　専門せんもん家かが「万博ばんぱくで商用しょうよう運航うんこうしなくていい」という理由りゆう

　2025年ねん大阪おおさか・関西かんさい万博ばんぱくの目玉めだまの一ひとつとされる「空そら飛とぶクルマ」。機体きたい開発かいはつや安全あんぜん認証にんしょうの遅おくれなどを背景はいけいに、一部いちぶ事業じぎょう者しゃが万博ばんぱくではデモンストレーション飛行ひこうに限かぎると表明ひょうめい。運賃うんちんを得えて客きゃくを乗のせる「商用しょうよう運航うんこう」の実現じつげんは不透明ふとうめいな状況じょうきょうとなっている。　しかし、国内外こくないがいの空そら飛とぶクルマに詳くわしい中野なかの冠かんむり（まさる）・慶応大けいおうだい元もと教授きょうじゅ（シス

気候きこう革命かくめい

加速かそくする氷河ひょうが融解ゆうかい「最悪さいあくの事態じたい想定そうていせよ」　気候きこう学がく権威けんいの警告けいこく

　地球ちきゅう温暖おんだん化かを象徴しょうちょうする現場げんばとして、氷河ひょうがの一部いちぶが崩くずれ落おちる場面ばめんなどがしばしばメディアに登場とうじょうする。見みた目めのインパクトは大おおきいが、日本にっぽんに住すんでいるとその影響えいきょうはひとごとに思おもえてしまう。　スイス連邦れんぽう工科こうか大だいチューリヒ校こう名誉めいよ教授きょうじゅの大村おおむら纂（あつむ）さん（82）は長年ながねん、気候きこうと氷河ひょうがの関係かんけいなどを研究けんきゅうし、氷河ひょうが融解ゆうかいがもたらす

気候きこう革命かくめい

世界せかい各地かくちで前例ぜんれいない氷河ひょうが融解ゆうかい　海面かいめん上昇じょうしょうがもたらす「破滅はめつ的てき事態じたい」

　「見みるたびに氷河ひょうがが縮小しゅくしょうしているのがよく分わかる。（縮小しゅくしょうの）一ひとつ一ひとつの規模きぼは小ちいさくとも、人間にんげんの生活せいかつに与あたえる影響えいきょうはすさまじい」。南極なんきょくやグリーンランドなどを訪おとずれ、現地げんち調査ちょうさを続つづけている北海道大ほっかいどうだい低温ていおん科学かがく研究所けんきゅうじょの杉山すぎやま慎まこと教授きょうじゅ（氷河ひょうが学がく）は近年きんねんの氷河ひょうがや氷こおり床ゆかの変化へんかに驚おどろきを隠かくさない。　関連かんれん記事きじ　　スイス氷河ひょうがが消失しょうしつの危機きき　

気候きこう革命かくめい

アラスカ、シベリア…永久えいきゅう凍土とうどでも進すすむ融解ゆうかい　温暖おんだん化かリスクが加速かそく

　人間にんげん活動かつどうが原因げんいんの気候きこう変動へんどうで、世界中せかいじゅうの氷河ひょうがが消滅しょうめつの危機ききにある。融解ゆうかいが進すすむのは氷河ひょうがだけではない。永久えいきゅう凍土とうどの融解ゆうかいは既すでに生態せいたい系けいだけでなく、人間にんげんの暮くらし、生命せいめいにも影響えいきょうを及およぼし始はじめている。　関連かんれん記事きじ　　スイス氷河ひょうがが消失しょうしつの危機きき　温暖おんだん化かの影響えいきょう、過去かこ85年ねんで半減はんげんと推定すいてい　　世界せかい各地かくちで前例ぜんれいない氷河ひょうが融解ゆうかい　海面かいめん上昇じょうしょうがもたら

気候きこう革命かくめい

スイス氷河ひょうがが消失しょうしつの危機きき　温暖おんだん化かの影響えいきょう、過去かこ85年ねんで半減はんげんと推定すいてい

　万年雪まんねんゆきに覆おおわれたスイスアルプスの名めい峰みねユングフラウとメンヒの間あいだに「欧州おうしゅうで最もっとも高たかい場所ばしょに位置いちする研究所けんきゅうじょ」がある。標高ひょうこう3450メートルに位置いちする「ユングフラウヨッホ高地こうち研究所けんきゅうじょ」だ。　開設かいせつは1931年ねん。全長ぜんちょう20キロ以上いじょう、厚あつさ最大さいだい0・9キロにも及およぶアルプス山脈あるぷすさんみゃく最大さいだいのアレッチ氷河ひょうがを含ふくむ世界せかい自然しぜん遺産いさん「スイスアル

宇宙うちゅうごみの全体ぜんたい撮影さつえいに成功せいこう　H2Aロケットの残骸ざんがいの裏側うらがわも

　日本にっぽんの宇宙うちゅう企業きぎょうアストロスケールは30日にち、宇宙うちゅうごみ除去じょきょ技術ぎじゅつを確立かくりつするための実証じっしょう衛星えいせい「ADRAS―J」（アドラスJ）が、高速こうそくで宇宙うちゅう空間くうかんを漂ただようロケット残骸ざんがいをさまざまな方向ほうこうから撮影さつえいした連続れんぞく写真しゃしんを公開こうかいした。残骸ざんがいから約やく50メートルの距離きょりを保たもちながら周辺しゅうへんを回まわり、これまでの観測かんそくでは見みえなかった裏側うらがわなど全体ぜんたいの様子ようすが

「レジェンド」と二人三脚ににんさんきゃくでメダルへ　重量挙じゅうりょうあげ　宮本みやもと昌典まさのり

　シンプルに「世界一せかいいちの力持ちからもち」を決きめる重量挙じゅうりょうあげ。男子だんしの日本にっぽん勢ぜいはメダルから40年ねん遠とおざかっているが、パリ・オリンピックでは73キロ級きゅうの宮本みやもと昌典まさのり選手せんしゅ（27）＝東京とうきょう国際こくさい大だい職員しょくいん＝に期待きたいが集あつまる。力ちからをつけた背景はいけいには、1964年ねんの東京とうきょう五輪ごりんから2大会たいかい連続れんぞくで金きんメダルを獲得かくとくした三宅みやけ義信よしのぶさん（84）の指導しどうがある。カギは意い

機械きかいが〝嗅かいで〟健康けんこうチェック？！　高こう感度かんど「においセンサー」の実力じつりょく

　カメラが人ひとの目めの代かわりに「見みる」ことができるように、機械きかいで鼻はなのごとく「嗅かぐ」ことはできないか――。そんな研究けんきゅうに力ちからを注そそいできた研究けんきゅう者しゃが開発かいはつしたのは、超ちょう小型こがたの「においセンサー」。見据みすえているのは、人ひとや家畜かちくの健康けんこう状態じょうたいの診断しんだんへの活用かつようだ。　◇分子ぶんしを捉とらえてAIで判定はんてい　「目めや耳みみに代かわる物ものはあるけれど、鼻はなに代かわる

成人せいじんの身長しんちょう100cm　最小さいしょうの人類じんるい化石かせきを発見はっけん　島しまの環境かんきょうで劇的げきてき進化しんかか

　東京とうきょう大だいなどの研究けんきゅうチームは、インドネシアのフローレス島とうで、これまでに世界せかいで見みつかった中なかで最小さいしょうの人類じんるいの化石かせきを発見はっけんしたと発表はっぴょうした。約やく70万まん年ねん前まえの「フローレス原人げんじん」とみられる骨ほねで、身長しんちょうはその大人おとなの上腕じょうわん骨こつの一部いちぶから、約やく100センチと推定すいていされる。島しまに渡わたった原人げんじんが、何なんらかの原因げんいんで劇的げきてきに小ちいさく進化しんかしたと考かんがえられる

暮くらしの中なかの科学かがく

夏なつ彩いろどる打うち上あげ花火はなびの火薬かやく　江戸えど時代じだいはおしっこが使つかわれていた？

　夜空よぞらを彩いろどる大輪たいりんの打うち上あげ花火はなびは夏なつの風物詩ふうぶつし。かつては「和わ火ひ（わび）」と呼よばれていたが、その火薬かやくには原材料げんざいりょうとして、蚕かいこのふんやヒトのし尿にょうが利用りようされてきたという。なぜ、おしっこが花火はなびのもとになるのか。　◇「黒色こくしょく火薬かやく」の材料ざいりょうに　「江戸えど時代じだいの打うち上あげ花火はなび『和わ火ひ』は暗くらいオレンジ色しょくでした。使つかわれていた黒色こくしょく火薬かやくによ

田原たはら総一朗そういちろう　日本にっぽんの教育きょういく　問題もんだいは何なにだ!?

人工じんこう流ながれ星ぼしに挑いどむ「落おちこぼれ」元もと東大とうだい生せい　頭あたまの良よさとは何なにですか？

　人工じんこう的てきに流ながれ星ぼしを作つくる世界せかい初はつの事業じぎょうに挑いどんでいる宇宙うちゅうベンチャー「ALE（エール）」（本社ほんしゃ・東京とうきょう都と港みなと区く）社長しゃちょうの岡島おかじま礼奈れいなさんは、天文学てんもんがくで理学りがく博士はかせ号ごうを取とりながらも、米べい金融きんゆう大手おおての日本にっぽん法人ほうじんに就職しゅうしょくした経歴けいれきの持もち主ぬしです。ジャーナリスト・田原たはら総一朗そういちろうさんのインタビューの後半こうはんでは、異色いしょくの歩あゆみとなった理由りゆうを振ふり返かえりながら、

哺乳類ほにゅうるいの首くびの骨ほねは7個こ…では魚さかなは何なん個こ？　埼玉大さいたまだいなどが解明かいめい

　魚さかなの「首くびの骨ほね」は、どこ――？　埼玉大さいたまだいや国立こくりつ遺伝いでん学がく研究所けんきゅうじょなどのチームは、首くびの骨ほねに当あたる頸椎（けいつい）を、魚類ぎょるいは一ひとつしか持もたないと考かんがえられるとの研究けんきゅう成果せいかを発表はっぴょうした。背骨せぼねを持もつ脊椎せきつい（せきつい）動物どうぶつは、陸上りくじょうに進出しんしゅつした後のちに頸椎の数かずを増ふやし、複雑ふくざつな「首くび」を獲得かくとくしていったことを示唆しさする結果けっかだという。　哺乳類ほにゅうるいは

田原たはら総一朗そういちろう　日本にっぽんの教育きょういく　問題もんだいは何なにだ!?

東大とうだいで「落おちこぼれた」地方ちほう出身しゅっしんの私わたし　世界せかい初はつ、人工じんこう流ながれ星ぼしに挑いどむまで

　宇宙うちゅうベンチャー「ALE（エール）」（本社ほんしゃ・東京とうきょう都と港みなと区く）社長しゃちょうの岡島おかじま礼奈れいなさんは、人工じんこう的てきに流ながれ星ぼしを作つくる世界せかい初はつの事業じぎょうに挑戦ちょうせんしています。鳥取とっとりで1年ねんの浪人ろうにん生活せいかつを経へて入学にゅうがくした東京とうきょう大だいで天文学てんもんがくを研究けんきゅうしていましたが、ジャーナリスト・田原たはら総一朗そういちろうさんのインタビューでは、大学だいがく時代じだいは「落おちこぼれだった」と振ふり返かえりました。でも

圏外けんがいでも衛星えいせいでSOS送信そうしんできるサービス、日本にっぽんでも開始かいし　米べいアップル

　米べいアップルは30日にち、携帯けいたい電話でんわやWi―Fiが圏外けんがいでも衛星えいせいを使つかって緊急きんきゅうSOSを送信そうしんできるサービスを同日どうじつから日本にっぽんで始はじめると発表はっぴょうした。山さんや海うみでの遭難そうなん時じや、火災かさいなどの事件じけん事故じこに巻まき込こまれた場合ばあいを想定そうていしている。2022年ねんに米国べいこくとカナダでサービスを開始かいしし、日本にっぽんは17カ国かこく目めとなる。　対応たいおう機種きしゅはiPhone（アイフ

コロナを狙ねらって攻撃こうげきする免疫めんえき細胞さいぼうを作製さくせい　京大きょうだいが臨床りんしょう試験しけんを計画けいかく

　新型しんがたコロナウイルスに感染かんせんした細胞さいぼうを標的ひょうてきに攻撃こうげきする免疫めんえき細胞さいぼうを、さまざまな細胞さいぼうに分化ぶんかする能力のうりょくを持もつ人ひとのES細胞さいぼう（胚はい性せい幹みき細胞さいぼう）から作つくることに成功せいこうしたと、京都大きょうとだいの河本かわもと宏ひろし教授きょうじゅ（免疫めんえき学がく）らのチームが発表はっぴょうした。がん治療ちりょうなどで免疫めんえき力りょくが著いちじるしく低下ていかした新型しんがたコロナの患者かんじゃに投与とうよすれば、治療ちりょうに役立やくだつ可能かのう性せいがあるという。20

福島ふくしまデブリ取とり出だし条件じょうけん調査ちょうさ　研究けんきゅう炉ろ「STACY」8月がつ再開さいかい

　日本にっぽん原子力げんしりょく研究けんきゅう開発かいはつ機構きこうは8月がつ、核分裂かくぶんれつ反応はんのうが連鎖れんさする「臨界りんかい」の発生はっせい条件じょうけんを調しらべる研究けんきゅう炉ろ「STACY」（茨城いばらき県けん東海とうかい村むら・最大さいだい熱ねつ出力しゅつりょく200ワット）の運転うんてんを、東日本ひがしにっぽん大震災だいしんさい以降いこう、初はじめて再開さいかいする。東京電力とうきょうでんりょく福島ふくしま第だい1原発げんぱつ事故じこを受うけ、事故じこで溶とけ落おちた核かく燃料ねんりょうが固かたまった「燃料ねんりょうデブリ」がどのような条件じょうけんなら臨界りんかいせず取とり出だせるか

死者ししゃ1000万まん人にん予測よそくも　「サイレントパンデミック」薬剤やくざい耐たい性せい菌きんの脅威きょうい

　抗生こうせい物質ぶっしつなどの抗菌こうきん薬やくが効きかない「薬剤やくざい耐たい性せい菌きん」のまん延えんは世界せかい共通きょうつうの課題かだいだ。2050年ねんには、世界せかいで現在げんざいのがんに匹敵ひってきするほどの死者ししゃが出でるとの予測よそくもある。その脅威きょういは、あらゆる自然しぜん環境かんきょうに広ひろがりつつある実態じったいが明あきらかになってきた。　◇人間にんげん社会しゃかいの耐たい性せい菌きんが自然しぜん環境かんきょうに移行いこう　「薬剤やくざい耐たい性せい菌きんのまん延えんは『サイレントパンデミッ

40年ねんかけ集あつめた植物しょくぶつ標本ひょうほん1万まん点てんを誤あやま廃棄はいき　希少きしょう種しゅも　奈良なら県けん立大りつだい

　民間みんかんの研究けんきゅう者しゃが40年ねん近ちかくをかけて採集さいしゅうし、奈良なら県内けんないではもう見みられなくなった希少きしょう種しゅも含ふくむ植物しょくぶつ標本ひょうほん約やく1万まん点てんを、県立けんりつ大だい（奈良なら市し）が誤あやまって廃棄はいきしていたと判明はんめいした。2001年ねん6月がつに県けんが寄贈きぞうを受うけ、専用せんようロッカーで保管ほかんしてきたが、校舎こうしゃの取とり壊こわしに伴ともない、23年ねん10月がつに処分しょぶんされた。22日にちに記者きしゃ会見かいけんした県立けんりつ大だいの尾久おぎゅう土ど正ただし