スウェーデンGothenburg大学だいがくのKajsa Sjöholm氏しらは、Swedish Obese Subjects研究けんきゅうのコホートを最長さいちょうで33年間ねんかん追跡ついせきして、肥満ひまん手術しゅじゅつを受うけた患者かんじゃと、通常つうじょうのケアを受うけた肥満ひまん者しゃの血液けつえきがんのリスクを比較ひかくし、肥満ひまん手術しゅじゅつを受うけた女性じょせい患者かんじゃでは血液けつえきがんのリスクが減少げんしょうしていたと報告ほうこくした。結果けっかは2023年ねん9月がつ13日にちのLancet Health Longevity誌し電子でんし版ばんに掲載けいさいされた。

　肥満ひまんは、2型がた糖尿とうにょう病びょうや心しん血管けっかん疾患しっかんなどの重症じゅうしょう合併症がっぺいしょうに関係かんけいするだけでなく、がん発症はっしょうリスクの上昇じょうしょうとも関係かんけいすることが示しめされている。WHOの国際こくさいがん研究けんきゅう機関きかん（IARC）のワーキンググループは、肥満ひまんが13種類しゅるいのがんの危険きけん因子いんしであることを示しめす十分じゅうぶんなエビデンスがあるとしている。それらの中なかに含ふくまれていた血液けつえきがんは多発たはつ性せい骨髄腫こつづいしゅのみで、その他たの血液けつえきがんとの関係かんけいについては一貫いっかんした結果けっかが得えられていなかった。

　減量げんりょう手術しゅじゅつは、肥満ひまん患者かんじゃに長期ちょうき的てきな減量げんりょうをもたらすための最もっとも効果こうか的てきな治療ちりょうだ。減量げんりょう手術しゅじゅつはがんリスクとがん死亡しぼうリスクの低下ていかにも関係かんけいする。後うしろ向むき研究けんきゅうの結果けっかは、血液けつえきがんのリスクも低下ていかさせることを示しめしていたが、この関係かんけいを長期ちょうきにわたって前向まえむきに検討けんとうした研究けんきゅうはこれまで行おこなわれていなかった。