英国えいこくImperial College LondonのAnna-Maria Hartner氏しらは、新型しんがたコロナウイルス感染かんせん症しょう（COVID-19）による世界せかい的てきな予防よぼう接種せっしゅスケジュールの中断ちゅうだんのために、ワクチンで予防よぼう可能かのうな疾患しっかんについて回避かいひできたはずの発症はっしょう率りつと死亡しぼう率りつを推定すいていするモデル研究けんきゅうを実施じっし。予防よぼう接種せっしゅの中断ちゅうだんにより2020～30年ねんに4万まん9119人にんの超過ちょうか死亡しぼうが起おこると予測よそくされ、主おもな原因げんいんは麻疹ましんワクチンの中断ちゅうだんによるものだと報告ほうこくした。また、ワクチンのキャッチアップ活動かつどうを推進すいしんすることにより、超過ちょうか死亡しぼうの約やく8割わりを回避かいひできると推定すいていした。結果けっかはLancet Global Health誌し2024年ねん4月がつ号ごうに掲載けいさいされた。

　COVID-19のため、2019年ねんと比較ひかくした2020年ねんの低てい・中ちゅう所得しょとく国こく45カ国かこくのワクチン接種せっしゅ率りつは、中央ちゅうおう値ちで-10.8％と報告ほうこくされている。また、同年どうねんには約やく350万まん人にんの子こどもがジフテリア、破傷風はしょうふう、百日咳ひゃくにちぜき（DTP）の1回かい目めを受うけられなかった。多おおくの国くには2021年ねんに接種せっしゅを再開さいかいしたが、地域ちいきごとに、また疾患しっかんごとに、接種せっしゅ率りつの回復かいふくの度合どあいは異ことなる。そこで著者ちょしゃらは、予防よぼう接種せっしゅの中断ちゅうだんの影響えいきょうを定量ていりょう化かし、どうすれば状況じょうきょうを速すみやかに改善かいぜんできるのかを検討けんとうするために、ワクチンで予防よぼう可能かのうな疾患しっかんの負荷ふかが高たかい低てい・中ちゅう所得しょとく国こくを対象たいしょうとして、モデル研究けんきゅうを実施じっしすることにした。