2020年ねん1月がつ23日にち、中国ちゅうごく政府せいふの国家こっか衛生えいせい健康けんこう委員いいん会かいのウェブサイトに、22日にちまでに死亡しぼうした新型しんがたコロナウイルス感染かんせん者しゃ17人にんについての情報じょうほうが掲載けいさいされた（関連かんれんサイト：中華人民共和国ちゅうかじんみんきょうわこく国家こっか衛生えいせい健康けんこう委員いいん会かい「新型しんがた冠状かんじょう病毒びょうどく感染かんせん的てき肺炎はいえん疫情情じょう况」）。それによると、死亡しぼう者しゃの平均へいきん年齢ねんれいは73.3歳さいであり、10人にんには慢性まんせい腎不全じんふぜんやパーキンソン病びょう、糖尿とうにょう病びょうなどの基礎きそ疾患しっかんがあったとのこと。最もっとも若わかかった48歳さいの女性じょせいについても、糖尿とうにょう病びょうと脳のう梗塞こうそくの既往きおうがあったらしい。
　
　若わかい人ひとたちを次々つぎつぎに重症じゅうしょう化かさせるウイルスではなさそうだ。ただし、24日にちのLancetでは、家族かぞくからの感染かんせんを確認かくにんした10歳さいの男おとこの子こについて、無む症状しょうじょうであるにもかかわらず、胸部きょうぶCTでは肺炎はいえん像ぞうを認みとめたため“Walking pneumonia（歩あるく肺炎はいえん）”と指摘してきしていた（Lancet. 2020;395[10223]:514-23）。命いのちを奪うばわないまでも、若わかい世代せだいに影響えいきょうが軽微けいびとまでは言いいきれず、どうにも難むずかしそうな感染かんせん症しょうだ。

　世界せかい保健ほけん機関きかん（WHO）の対応たいおうは、相変あいかわらず緩慢かんまんだった。23日にち、緊急きんきゅう委員いいん会かいを招集しょうしゅうしたが、「現時点げんじてんでは時期じき尚早しょうそう」として、国際こくさい的てきな協力きょうりょくが必要ひつような事態じたいとして認定にんていする緊急きんきゅう事態じたい宣言せんげんを見送みおくることを決定けっていした。その理由りゆうについて、武漢ぶかん市しを封鎖ふうさするなどの中国ちゅうごく当局とうきょくの対応たいおうを挙あげ、テドロス事務じむ局長きょくちょうは「中国ちゅうごくは良よくやっている」と繰くり返かえしていた。

　その中国ちゅうごくでは、24日にちからの春節しゅんせつ（旧きゅう正月しょうがつ）で多おおくの人々ひとびとが国内外こくないがいを移動いどうし始はじめていた。23日にちから武漢ぶかんは封鎖ふうさされていたが、武漢ぶかんのある湖北こほく省内しょうないでは明あきらかに流行りゅうこうしており、そこから海うみ側がわに移動いどうしたところにある上海しゃんはいや深しんセンなど大都市だいとしでも発生はっせいしていた。中国ちゅうごくは広大こうだいな国家こっかであり、13億おく人にんのすべてを危険きけん視しするべきではない。どこまで感染かんせんが広ひろがっている可能かのう性せいがあり、自主じしゅ的てきな行動こうどう制限せいげんをかけるべきかどうかは、中国ちゅうごく政府せいふにしか分わからないことだ。