私は中高一貫の併学の学校に6年間通った。併学とは、共学と女子校/男子校の間のようなもので、男女が同じクラスになる共学とは違い、男子と女子は別クラスになる。私の通ったところは女子7割、男子3割という女子が圧倒的マジョリティーな学校だった。そこで6年間という大事な青春を過ごしたわけだが、私は通っていた時からその学校に行ったことを後悔していた。なぜそう思ったか、体験談を交えて女子校/男子校の存在意義を考えていきたい。
ドラマみたいな学校生活、ドラマみたいな恋。そんなものただの理想だ
大きな後悔は、一番楽しいとされる青春を謳歌できず終わったことだ。私にとっての青春とはつまり、異性との恋愛である。
私は小学生の時、ある学園ドラマが大好きで「高校生活はこんな感じか、楽しそうやなあ」と思っていたし実際そうなると真剣に思っていた。真剣にそう考えていた当時の私もバカだが、学生生活は理想通りではなかった。
最初でも述べたが、男女は別クラスで授業も部活も別。交わることなんてあるわけがない。学園ドラマでよく見る、前に好きな男の子がいて…なんてシチュエーション起こりようがなかった。そんな我が校だが、何故か学園祭や体育祭などの行事は男女混合だった。そのため、イケメンの男子生徒と可愛い女子生徒が付き合うということも普通にあったし、よく女子の間で「あの子がカッコイイ!」とかいう恋バナもした。けれど残念ながら私にはチャンスは巡ってこなかった。好きな子もできなかったし、告白されるなんてこともなかった。容姿の優れた子達は、青春を謳歌したかもしれないが、それ以外に分類されるだろう私は、恋とは無縁で学生生活を終えた。
いつの間にか、異性と話せなくなっていた。なんだか劣等感
大学に入り、私は気づいたことがあった。周りに女子しかいない環境で6年間いた私は、男子と話すことにブランクがあったのでやたらと緊張してテンパってしまうのだ。思えば中高で異性と関わったのは、家族(異性とカウントするのか?)と塾の先生やチューター。話すといっても業務連絡みたいなものだから、同世代の異性と何をどう話してよいか分からず、インターネットで「女子校出身 異性と話す方法」なんて調べたことがあったっけ。
これは私の中高時代の友達も同じで「男子と何喋ったらいい?」という話をよくした。しかし、クラスにいた共学出身の女子たちは見事だった。初対面で仲良くなって食事にすぐ行くような関係になれる彼等は、さすがとしかいいようがない。「同じ6年間でこうも差がつくのか、私は何をしていたんだろうか」と落ち込んだ。
圧倒的劣等感で大学生活をスタートしたが、徐々に慣れて共学出身でないことを言うと驚かれるくらい、自然に会話することが可能になっていった。というのも、共学出身女子に対して僻んでばかりいられない。彼等に少しでも近づこうと意識的に真似を始めたのが良かったのかも。
自分から会話に参加し、あたかも自然に相槌を打ち、ツッコミを入れる…など学ぶことはとても多かったが、徐々に"自信”を身に着けることが出来た。でも私は心の中でずっと思っていた。もし共学に行っていたら、こんなことで悩んだりしなかったはず。と。6年間、違う過ごし方もあったのかなって…。
女子校や男子校にも良さはある。でもやっぱり、共学がよかった
以上が私の経験談。女子校/男子校に通った方に少しでも共感頂ければとても嬉しい。もちろん、女子校/男子校は日本だけでなく世界にも多くあるのだから、それぞれの良さはあるのだと思う。男女関係のごたごたが少なく、(共学を経験したことがないから比較できないが)面倒くさいことにならない。私の親は、共学じゃない方が勉強できるから存在価値はあると言った。
でもこれには、私は99%反論する。なぜなら、少なくとも私は、通っていた塾にいたイケメンに会うことをモチベーションにして勉強を頑張った経験があるからだ。
私は今でも、もし6年間共学に通っていたら、どんな未来があっただろうと想像してしまう。だからもし将来子供が出来たら、代わりに共学で存分に楽しい生活を送ってほしいと切に願う。