「女おんなだから」という言葉ことばで色いろメガネをかけて見みられる経験けいけんは、女性じょせいとして生いきていると避さけては通とおれないもののように感かんじる。
「女おんなだから得とくをしている」と言いわれたこともあるし、「女おんなは体力たいりょくがなくてダメだ」と言いわれたこともある。

中なかでも、特とくに記憶きおくに残のこっていることが2つある。

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1つ目めは大学だいがく時代じだいのこと。
当時とうじ所属しょぞくしていた部ぶ活動かつどうにて、外部がいぶから教おしえに来きてくれている女性じょせいの先生せんせいがいた。
女性じょせいが多おおい部活ぶかつだったこともあって、その先生せんせいは貴重きちょうな男性だんせい部員ぶいんを特別とくべつかわいがっておられた（男性だんせい部員ぶいんが愛嬌あいきょうがあって先生せんせいと相性あいしょうが良よかったということもあるとは思おもう）。
私わたしが3年ねんになったころ、部活ぶかつを運営うんえいする立場たちばになった際さい、先生せんせいからこんなことを言いわれた。

「今年ことしの運営うんえいは、女おんなばっかりだからダメだね」

……はい？？？？？？？？？？？耳みみを疑うたがった。その言葉ことばって同性どうせいからぶつけられることあるんだ？！と心しんの底そこからびっくりした。
それから事ことあるごとに「この代だいは男おとこがいないからダメ」だの「男手おとこでがないなら後輩こうはいでもいいから呼よんでこい」だの、散々さんざんな言いわれようだった。

そんなことを言いわれても、1つ上うえの先輩せんぱいが男女だんじょ13人にんで分担ぶんたんして運営うんえいしていた部ぶ活動かつどうの仕事しごとを、女おんな6人にんで必死ひっしに回まわすしかなかったし、部ぶとして大おおきなOBまで巻まき込こんだ記念きねん行事ぎょうじも必死ひっしに準備じゅんびして成功せいこうさせたけど、その過程かていでは「女おんなである」という一いち点てんだけで通とおる話はなしも通とおらず相当そうとう苦労くろうした。
後輩こうはいのためにもここで自分じぶんたちが折おれてはいけないと必死ひっしに頑張がんばったが、結局けっきょく自分じぶんたちの下したの代だいからは制度せいどが崩壊ほうかいし、自分じぶんたちの能力のうりょくと根性こんじょうが奇跡きせき的てきにうまくかみ合あってただけなんだなと痛感つうかんした。

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2つ目めは新卒しんそつ時代じだいのこと。
新卒しんそつで入社にゅうしゃした会社かいしゃは、先輩せんぱい後輩こうはいの縦たて社会しゃかいが厳きびしいわけでも、男女だんじょの差さがあるわけでもない、至いたってフラットな会社かいしゃだった。
先輩せんぱいは当然とうぜんのごとくものすごく仕事しごとのできる方々かたがたなのに、めちゃくちゃ優やさしくて当あたり前まえに尊敬そんけいできる方ほうだったので、そんな社風しゃふうだったのだと思おもう。
当然とうぜん、大学だいがく時代じだいのように「女おんなだからダメ」と言いわれることはないし、「人手ひとでが足たりないなら根性こんじょうでなんとかしろ」なんてことも言いわれなくなった。
会社かいしゃで働はたらくって最高さいこうじゃん！というなんとも哀かなしきモンスターのようなことを思おもっていた。

そんな中なかで業務ぎょうむ上じょう、夜勤やきんの話はなしが持もち上あがった。
夜勤やきんに入はいることについてどう思おもうか、今後こんごのキャリアビジョンについて聞きかれ、「夜勤やきんという勤務きんむ形態けいたいは自分じぶんの生活せいかつリズム上じょう難むずかしい」「先輩せんぱい方かたがやっておられる仕事しごとなどを見みていて社内しゃないの事務じむ的てき作業さぎょうにも興味きょうみがある」と回答かいとうした。
すると「夜勤やきんに入いれないというのは体調たいちょうのこととか？それに、女性じょせいだから事務じむという訳わけではないよ」と言いわれた。
普通ふつうに入社にゅうしゃ時じに夜勤やきんのこと聞きいてないし、そもそも自分じぶんの性質せいしつの問題もんだいであって女性じょせいだから、なんて性別せいべつの話はなしてないんだけどな～と不思議ふしぎだった。
こんなにも風通かぜとおしのいい職場しょくばでも、女性じょせいだからこう、男性だんせいだからこう、という色いろメガネは根強ねづよく残のこるのだと少すこしがっくりした。

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私わたし自身じしんも無意識むいしきのうちに色いろメガネで物事ものごとを見みていることがあるのだと思おもう。
その色いろメガネを通とおした発言はつげんで誰だれかを傷きずつけてしまっているかもしれない。
そのことを自覚じかくして生いきていきたいし、色いろメガネなしに世界せかいを見みられる日ひが来くるように常つねにいろんなことを学まなんでいこうと思おもう。がんばるぞ！