先週の土曜日は末っ子の運動会だった。
5、6年生が披露した組体操の後半に踊ったリトグリ「世界はあなたに笑いかけている」のダンスは上手だった。いや、上手な子も下手な子もいたけど、みんなの笑顔が超絶ステキだった。私らの頃って、ダンスとかいうとオクラホマミキサーも含めて照れやら反発やらでまともに踊らなかった記憶があるけど、今の子たちは段違いだな〜、と実感。それぞれが精一杯に表現しようとして、それがストレートに表情や動きに出てて、本当に良かった。
さて、先日1回目を掲載して好評だった「好きな風景in久留米」。2回目は荘島。
生まれ育った街角。
ずっと慣れ親しんできた風景だけど、気をつけて歩くといろんなことに気づく。
明治時代の洋画界に大きなインパクトを残して夭折した天才画家・青木繁の旧居(生家ではない)がある荘島町の一角。漢字の「目」の字をそのまま地図に落とし込んだような町割りは、江戸時代、下級武士が住んでいた。もちろん青木の家もそのクラスで、暮らしは決して裕福ではなかったという。
周辺は「目」の字の周りにクランク状の路地が接続している。城下町の道路の特徴といえば、「丁」字路…十字路ではない突き当たりのある交差点、それに鉤(かぎ)型に曲がった道。足下の標識をみれば、現在の住宅が建っている敷地は、当時の道路との境界線より数十センチほどセットバックしているのが分かる。元の道路は1間(約1.8メートル)程度の幅しかなかった。たぶん肩が触れ合うようにして往来していたのだろう。
今の青木旧居は立派な戸建なのだけれど、江戸時代は長屋風の建物がギッシリ建っていたと想像できる。当時の生活ぶりは時代劇の下町、町人の奥さんたちが洗濯や井戸端会議をしている風景を思い起こせばピッタリかも。
そんな想像を膨らませながら歩くと楽しい荘島の街並みが大好きだ。差し詰め久留米のダウンタウン。都心部にありながら、中心市街地活性化政策の対象エリアから外れているため大きなマンションも建たない。それはそれでまた違う機会に。夕方から夜に散歩をしていると、それぞれの家から漂ってくる夕食の香りとか入浴の音とか笑い声とか、とにかく生活感があふれていてお互いの顔がよく見える、そんな街だ。
ちなみに小学校から北側は空襲で焼失後に区画整理されたため、雰囲気がガラリと変わる。戦後復興で建設された、もともとはヤミ市だったという明治商店街は相変わらず昭和のテイストいっぱいの一角なのだけれど。
そんなコントラストの対比が楽しめる荘島。ぜひ一度、歩いてもらいたい。