4年ぶりとなるシリーズ最新作『ドラゴンボール超 スーパーヒーロー』(公開中)。進化した最新技術を駆使し、「ドラゴンボール」をさらなるステージへと引き上げる本作の中心となるのは、強い絆で結ばれた孫悟空(声:野沢雅子)の息子である孫悟飯(声:野沢)とその師匠ピッコロ(声:古川登志夫)の師弟コンビ。今回は、人気キャラクターのピッコロにスポットを当て、最強の悪から地球を守る戦士に至った彼の変遷を追っていこう。
ピッコロ大魔王として二代にわたり悟空と敵対!
ピッコロを解説するには、その前身「ピッコロ大魔王」に触れなければならない。ピッコロ大魔王は、その昔、地球に降り立った異星人=ナメック星人の若者が、ドラゴンボールの創造主=地球の神になる際、自分のなかにあるわずかな“悪の心”を分離させた結果生まれた悪しき化身である。魔族の長として猛威を振るい人類を恐怖に陥れたが、亀仙人の師匠で武闘家の武泰斗の奥義「魔封波」を受けて電子ジャーに封印されていた。
しかし封印から300年後、ピラフ一味が復活させてしまったピッコロ大魔王は、配下と共にクリリンや亀仙人を殺め、ドラゴンボールを使い全盛期のパワーを取り戻す。最終的には潜在能力を引き出した悟空により腹部に穴を開けられ敗北するが、その死に際、最後の力を振り絞って口から卵を吐き出す。その卵から新たに誕生したのがピッコロ大魔王の生まれ変わり、現在のピッコロだ。
新たなピッコロは、悟空に敗れたピッコロ大魔王の復讐を果たすべく「マジュニア」と名乗り天下一武道会に出場。準決勝で彼の存在を察し武道会へ出場した神を封印。決勝戦で悟空と対峙した際に、自身の素性と、再び世界制服をもくろんでいることを明かす。しかしマジュニアも激闘の末、悟空に敗北。悟空はピッコロにとどめを刺さず、その強さを認めて再戦を望む(神の分身であるピッコロを殺めてしまうと、神も命を落としてしまう)。この戦いを通して悪の心にわずかな変化が芽生えたのか、ピッコロは悟空の願いに応じるように、再戦を宣言して去っていく。
サイヤ人との全面抗戦、そして悟飯との出会い
そんな2人の再会は、冷酷非道な戦闘民族サイヤ人で悟空の実兄ラディッツに立ち向かうべく、まさかの共闘という形で実現する。地球を制圧し異星人に売り渡す地上げ行為の尖兵であったラディッツと戦い、一人では敵わないと察したピッコロは、苦渋ながら宿敵との共闘を選ぶ。こうして誕生した地球最強のコンビは、悟空が捨て身でラディッツを抑え、ピッコロが魔貫光殺砲で悟空もろとも撃ち抜くことで辛勝する。
その後、さらなるサイヤ人の来襲に抗うべくピッコロは、まだ幼い悟飯に無理矢理過酷な修行をつける。当初は親譲りの潜在能力を引き出し、ただただ地球側の戦力強化を目的としていたが、修行を通じて自身を慕う悟飯と関わり、わずかに愛情が芽生えピッコロの心境はさらに変化する。
1年後、サイヤ人の王子ベジータ(声:堀川りょう)とナッパの襲来に対し、ピッコロはドラゴンボールの力で生き返った悟空が到着するまでの間、クリリン、ヤムチャ、天津飯、餃子、悟飯と共闘し、リーダーシップを発揮した。そして戦いのなかでナッパの攻撃から悟飯を身を挺して守り命を落とす。その結果、神も絶命しドラゴンボールが消滅。ピッコロを含む死んだ仲間を復活させる術も絶たれてしまう。