高齢こうれいの母ははを呼よび寄よせたら、私わたしの家事かじに文句もんくばかり　同居どうきょを後悔こうかい【お悩なやみ相談そうだん室しつ】

2024.08.16 構成こうせい／中寺なかでら暁子あきこ

認知にんち症しょう介護かいご指導しどう者しゃの落川おちかわ晃あきら央ひさしさんが、高齢こうれい者しゃや介護かいごの様々さまざまな悩なやみに答こたえます。

Q．一人暮ひとりぐらしの母はは（70代だい）の腰痛ようつうが悪化あっかして料理りょうりや入浴にゅうよくが難むずかしくなったので、私わたしの自宅じたくに呼よび寄よせて同居どうきょをスタートさせました。母ははは料理りょうりなど私わたしの家事かじに文句もんくをいう、夫おっとは手伝てつだってくれない、私わたしのイライラはマックスで同居どうきょを後悔こうかいしています（50代だい・女性じょせい）

A．お母かあさんからみると、相談そうだん者しゃは何なん歳さいになっても自分じぶんの子こどもです。相談そうだん者しゃのやることが気きになって、つい口くちを出だしてしまうのでしょうね。そんなお母かあさんの気持きもちをくみとれると少すこしはイライラが落おち着つくかもしれませんが、毎日まいにちのこととなるとやはり大変たいへんだと思おもいます。

同居どうきょをするうえで大事だいじなのは、役割やくわり分担ぶんたんを明確めいかくにするなど、ルールをつくることです。お母かあさんや夫おっとと一緒いっしょに、家事かじの役割やくわり分担ぶんたんを決きめて、自分じぶんの担当たんとう以外いがいのことは口くちを出ださないと決きめるのです。さらにルールの中なかに加くわえてほしいのが、“アサーティブ・コミュニケーション”です。これはどちらか一方いっぽうだけが言いいたいことを我慢がまんするのではなく、相手あいての意見いけんを尊重そんちょうしつつ、自分じぶんの意見いけんも伝つたえるというコミュニケーションのことを言いいます。家族かぞくといっても価値かち観かんはそれぞれなので、お母かあさんに何なにか言いわれたら「お母かあさんはそう思おもうんだね。私わたしはこう思おもうよ」というように、相手あいての意見いけんを否定ひていせずに、自分じぶんの意見いけんも主張しゅちょうできるようになると、ストレスは軽減けいげんするのではないでしょうか。アサーティブなやりとりができると、これまで気きづけなかったお母かあさんや夫おっとの思おもいを知しることもできるかもしれません。

もう1つおすすめなのが、“先手せんてを打うつ”ことです。お母かあさんに対たいして感謝かんしゃできる部分ぶぶんを見みつけて、その気持きもちを伝つたえるのです。「ありがとう」と言いわれてイヤな人ひとはあまりいないと思おもいます。感謝かんしゃの言葉ことばを伝つたえられたあとに、文句もんくを言いおうという気きにはならないと思おもいますし、相談そうだん者しゃに対たいしての言葉ことば遣づかいもやわらかくなるのではないでしょうか。

お互たがいの意見いけんを尊重そんちょうした話はなし合あいのなかで、お母かあさんのほうにも同居どうきょを解消かいしょうしたい、施設しせつに入はいりたいという希望きぼうが出でてきたら、それも選択肢せんたくしの1つとして考かんがえてもいいと思おもいます。

お母かあさんに同居どうきょを続つづけたいという意思いしがあるのなら、ルールづくりやコミュニケーションの工夫くふうによって、お互たがいにストレスなく過すごせるようになるといいですね。長ながい人生じんせいの中なかでお母かあさんと一緒いっしょに暮くらせるのは、ほんのいっときです。お母かあさんと過すごした大変たいへんな時間じかんも人生じんせいの一部いちぶと考かんがえて、かけがえのない時間じかんを大事だいじに過すごしてほしいと思おもいます。

【まとめ】家事かじに文句もんくを言いう母はは、手伝てつだわない夫おっと。同居どうきょを後悔こうかいしているときには？

• 家族かぞくで役割やくわり分担ぶんたんを明確めいかくにして、自分じぶんの担当たんとう以外いがいのことには口くちを出ださないというルールをつくる
• 相手あいての意見いけんを尊重そんちょうしたうえで、自分じぶんの意見いけんも伝つたえる“アサーティブ・コミュニケーション”を意識いしきする
• お母かあさんに文句もんくを言いわれる前まえに、感謝かんしゃを伝つたえる

　

　

≪お悩なやみの内容ないようについては、介護かいご現場げんばの声こえを聞ききながらなかまぁる編集へんしゅう部ぶでつくりました≫

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