「機動きどう戦士せんしガンダム ククルス・ドアンの島しま」とは

1979年ねんに放送ほうそうされたTVアニメ「機動きどう戦士せんしガンダム」の第だい15話わ「ククルス・ドアンの島しま」。「機動きどう戦士せんしガンダム」劇場げきじょう版ばん3部ぶ作さくでは割愛かつあいされたこの異色いしょくのエピソードを、アニメ「機動きどう戦士せんしガンダム THE ORIGIN」で総そう監督かんとくを務つとめた安彦やすひこ良和よしかずが新あらたに生うまれ変かわらせたのが、映画えいが「機動きどう戦士せんしガンダム ククルス・ドアンの島しま」だ。

無人島むじんとう、通称つうしょう“帰かえらずの島しま”の残敵ざんてき掃討そうとう任務にんむをい渡いわたされたアムロたちは、その島しまでいるはずのない子供こどもたちと一いち機きのザクと出会であう。そのザクを操あやつるのが、ジオン公国こうこく軍ぐんの脱走だっそう兵へいであり、歴戦れきせんのモビルスーツパイロットのククルス・ドアンだ。彼かれは、アムロの繰くるガンダムと交戦こうせんし圧倒あっとう。戦闘せんとう後ごにドアンによって助たすけられたアムロは、親おやを亡なくした子供こどもたちや、戦争せんそう後ごの穏おだやかな生活せいかつを望のぞむドアンとの交流こうりゅうを通とおして徐々じょじょに心境しんきょうが変化へんかしていく。しかし、そこにドアンの命いのちを狙ねらうかつての部下ぶかサザンクロス隊たいが現あらわれ……。

今いま作さくでは、古谷ふるや徹とおるが約やく40年ねんぶりに15歳さいのアムロ・レイを演えんじることも話題わだいに。また安彦やすひこ監督かんとくは「ガンダムを映像えいぞうで作つくるのはこれが最後さいご」だと明あかしており、特別とくべつな思おもいを持もって臨のぞんだ1作さくであることがうかがえる。

「機動きどう戦士せんしガンダム」最新さいしん作さくをいち早はやく観みた5人にんのコメントを紹介しょうかい！

浦井うらいのりひろ（男性だんせいブランコ）

昔むかしの僕ぼくに「映画えいがで『ククルス・ドアンの島しま』がリメイクされるぞ！」と言いっても「そんなわけあるか！ バーカ！」と信しんじなかったでしょう。初代しょだいガンダムの名めいエピソードでありながら、単発たんぱつ話ばなし故ゆえに劇場げきじょう版ばんでは割愛かつあいされたこのエピソードをなぜ今こん長編ちょうへん映画えいがにするのか、最初さいしょは疑問ぎもんでした。
しかし、本編ほんぺん中ちゅうのアムロやブライトをはじめとしたホワイトベースのクルー、そしてククルス・ドアンと島しまの子供こどもたちの生いき生いきとした姿すがたを観みると、そんな思おもいはコロニーレーザーを撃うたれた連邦れんぽう艦隊かんたいの如ごとく消けし飛とびました。
「あれ？ 今こんガンダム観みてるんだよな？」となるほどに本編ほんぺん中ちゅうにはほのぼのとした描写びょうしゃがたくさん盛もり込こまれています。人類じんるいの半分はんぶんを失うしなうほどの大戦たいせんの最中さいちゅうにあって、これだけ牧歌ぼっか的てきなシーンを描えがけるのは確たしかにこのエピソードを置おいてほかにないでしょう。
モビルスーツ戦せんも素晴すばらしく、ボロボロながらヒート・ホーク一本いっぽんでアムロに襲おそい掛かかるドアンのザクが恐おそろしくて最高さいこうでした。
「ククルス・ドアンの島しま」は、劇場げきじょう作品さくひんでありながら、超絶ちょうぜつクオリティで贈おくられる素晴すばらしい“通常つうじょう回かい”でした。このテイストで全編ぜんぺんリメイクが観みたくなってしまうこと必至ひっしです。
吉本よしもとプラモデル部ぶとして、カッコよすぎるドアン専用せんようザクのプラモデルは速攻そっこうで予約よやくしましたが、ほかにも出でてほしいものがたくさんあります。サザンクロス隊たいの高こう機動きどう型がたザク、スレッガーさんのジム、セイラさんのコア・ブースター……夢ゆめは膨ふくらむばかりです。

Q. あなたはガンダム派は？ザク派は？

僕ぼくはやっぱりガンダム派はです。大人おとなになってザクやグフの魅力みりょくにも気きづきましたがやっぱりガンダムには作品さくひんを背負せおって立たつ「華はな」があります。僕ぼくも舞台ぶたいに立たつ人間にんげんとしてこのくらい「華はな」がほしいです……とりあえず衣装いしょうトリコロールにするか……？

片桐かたぎり仁ひとし

あの短みじかいエピソードが一本いっぽんの映画えいがになるって、それ面白おもしろいの？という勝手かってな不安ふあんもありましたが、テレビ版ばん「機動きどう戦士せんしガンダム」から43年ねん、長ながいガンダムの歴史れきしの中なかでここに「ククルス・ドアンの島しま」を持もってきた価値かちは大おおいにあったと思おもいます。

「あれ？ 時期じき的てきにはリュウがいなくて、スレッガーがいるから、ランバ・ラルの後のち？ でも、
この後のちベルファストに行いくの……？」と、設定せってい上じょういろいろ苦心くしんの跡あとが見みえましたが、なんと言いっても戦争せんそうと孤児こじ、それを1人ひとりで守まもるドアン。実じつはまだ子供こどものアムロ。孤児こじたちと年としが近ちかいアムロとドアンとの、敵てき味方みかたを超こえた友情ゆうじょうは普遍ふへん的てきなテーマだな～と思おもいました。

また、作画さくが崩壊ほうかいと言いわれていたあの、“ドアンザク”が、ああやって再現さいげんされているのも面白おもしろかったし、なにしろ無茶苦茶むちゃくちゃ強つよいドアンが、実じつはシャアと並ならぶエースパイロットだったり、あの島しまにいたのは、ただの脱走だっそう兵へいだからという訳わけではなかったなど、その辺あたりのマニア心しんをくすぐる設定せっていも面白おもしろかったです！

これなら旧きゅう劇場げきじょう版ばんでカットされたエピソード、「時間じかんよ、止とまれ」や「ニュータイプ、シャリア・ブル」、あと「ブライトが熱ねつ出だして、代理だいりで艦長かんちょうになったミライがテンパっちゃう話はなし」もいけますね！

Q. あなたはガンダム派は？ザク派は？

一応いちおう“ガンダム派は”なんですが（プラモ好すきとしては、ガンダムのプラモデルの種類しゅるいのほうが圧倒的あっとうてきに多おおいので……）、あのカラフル過すぎるガンダムをカッコよく見みせているのは、リアル感かんを背負せおっている量産りょうさん型がたザクのおかげだな～と、つくづく思おもいます。

SUGIZO（LUNA SEA / X JAPAN）

幾多いくたのサイドストーリーが素晴すばらしい一いち年ねん戦争せんそう物語ものがたりの中なかでも一際ひときわ印象いんしょう的てきだった「ククルス・ドアンの島しま」が、2022年ねんに新作しんさくとして生うまれ変かわったなんて！
あまりにも感慨深かんがいぶかくてそれだけで涙なみだでした。。。

そして何なによりもこの時代じだいだからこそ強つよく心しんが締しめ付つけられる戦争せんそうの虚むなしさ、悲かなしさ。
力ちからと欲よくの応酬おうしゅうの中なか、常つねに最さいたる犠牲ぎせいとなるのは弱よわき者しゃ、力ちからなき者しゃ、そして子供こどもたち。
決けっして戦争せんそうを賛美さんびするべきではない。世よから紛争ふんそうを、破壊はかい行為こういを絶対ぜったいに無なくすべき。
弾道だんどうミサイルを無力むりょく化かするククルス・ドアン。
文化ぶんかの街まち殲滅せんめつを失敗しっぱいし、そっと胸むねを撫なで下おろすマ・クベ。
観み終おわった後のち、改あらためて制作せいさく者しゃの方々かたがたからの大切たいせつなメッセージが心しんに突つき刺ささりました。

Q. あなたはガンダム派は？ザク派は？

ザク派はです。イデオロギーの面めんでも、兵器へいきのカッコよさの面めんでも断然だんぜんジオン派はです。

世界せかい（EXILE / FANTASTICS from EXILE TRIBE）

守まもるということは
なにかを壊こわすかもしれないということ
それがどんなに思おもいやりや優やさしさからだとしても、それを乗のり越こえることで成長せいちょうに繋つながる。
そんなことをとても感かんじる映画えいがでした。

そして、リアルロボットアニメとして最高さいこうに素晴すばらしい映画えいがであり、
あらゆるところにちりばめられたガンダム好すきにはたまらない演出えんしゅつ、キャストの皆みなさんの演技えんぎ、効果こうか音おん、BGM、すべてが素晴すばらしい本当ほんとうに最高さいこうの映画えいがでした。

サザンクロス隊たいがめちゃくちゃカッコよかったり、アムロの成長せいちょうもとてもよくわかる。

ドアンザクの異様いようさもカッコよくて最高さいこうでした!!
この作品さくひんを創つくってくださったすべての方々かたがたへ、大おおきな尊敬そんけいと感謝かんしゃを捧ささげたいと心しんの底そこから思おもいます!!!

Q. あなたはガンダム派は？ザク派は？

これは……正直しょうじきに言いえば
シリーズによって変かわるのが僕ぼくの欲よく深ふかい部分ぶぶんです。
ガンダムもザクも好すきです。
ガンダムで言いうとゴッドガンダムが好すきです。
熱あつい展開てんかいも含ふくめて「Gガンダム」が好すきで、ゴッドガンダムの肩かた周まわりが特とくに好すきです。

ザクはドアン専用せんようザクが大好だいすきになりました！
カッコよすぎました!!!!!

ともしげ（モグライダー）

映画えいが「ククルス・ドアンの島しま」は、全然ぜんぜん別物べつものかと思おもうくらい、TVシリーズからすべてがアップデートされていて見応みごたえがありました！ 作画さくがももちろんめちゃくちゃキレイになっていますし、ガンダムとザクの機体きたいの細こまかい装飾そうしょくや、昔むかしは表現ひょうげんできなかったであろうスピード感かん溢あふれる戦闘せんとうは、ファーストガンダムからの進化しんかを感かんじました。
ドアンザクの戦闘せんとうシーンでは、時代じだい劇げきのようにジリジリと間合まあいを詰つめて、一瞬いっしゅんでも隙すきを見みせたら負まけてしまうという緊張きんちょう感かんがしっかり伝つたわってきます。滅多めったに見みられないザクVSザクの貴重きちょうな戦たたかいが、こんなに白熱はくねつするとは……！
戦争せんそうに対たいして思おもうことがあって仲間なかまを裏切うらぎったドアン。そんな彼かれが、戦災せんさい孤児こじの子供こどもたちのためにかつての仲間なかまと戦たたかう姿すがたも感慨深かんがいぶかかったです。それぞれに違ちがった思おもいをドアンに抱だいている映画えいがオリジナルキャラのサザンクロス隊たいも作品さくひんを盛もり上あげています。彼かれらの操縦そうじゅうする褐色かっしょくの高こう機動きどう型がたザクに対たいして、引ひけを取とらないお馴染なじみの緑色みどりいろをしたドアン専用せんようザクの戦たたかいぶりはぜひ観みてほしいです。
そして、なんと言いってもアムロの乗のるガンダムが現あらわれたときの安心あんしん感かん。映画えいが終盤しゅうばんの登場とうじょうシーンは、「水戸黄門みとこうもん」の印籠いんろうのごとく「待まってました！」と、映画えいがを観みた人ひとみんなが心しんの中なかで思おもうはずです。
ほかにも、アムロがドアンへ最後さいごにかけるあのセリフ、ホワイトベースのカツ、レツ、キッカと島しまの子供こどもたちの交流こうりゅうなどなど、語かたりたいシーンは数すう知しれません。島しまの子供こどもたちの未来みらいもいつか観みてみたいですし、ファーストガンダムの名めいエピソード、名めいシーンはまだまだあるので、もっともっとリメイクを作つくっていってほしいですね！

Q. あなたはガンダム派は？ザク派は？

ガンダム派はです。子供こどもの頃ころの夢ゆめはガンダムに乗のることでした。みんなやっぱり乗のりたいですよねガンダム。普段ふだんはポンコツだったり、喧嘩けんかが弱よわかったりしてもガンダムに乗のったときはすごい力ちからを発揮はっきする、僕ぼくもアムロを見みてそういう人ひとになりたいなと思おもって憧あこがれていました。

※インタビューを行おこない、コメントとして構成こうせい。