映画えいが宣伝せんでんで大事だいじなのは注目ちゅうもくを集あつめること、でも作品さくひんに対たいする愛情あいじょうも忘わすれてはいけない

文ぶん / ビニールタッキー

「月刊げっかんおもしろ映画えいが宣伝せんでん」9月がつ号ごうをお届とどけします。「おもしろ映画えいが宣伝せんでん」とは、海外かいがいの映画えいがを日本にっぽんで宣伝せんでんする際さいに発生はっせいする面白おもしろいPRイベントや不思議ふしぎなコラボなどの案件あんけんをまとめて総称そうしょうするために私わたしが勝手かってに名付なづけた名前なまえです。このコラムはその月つきにあったおもしろ映画えいが宣伝せんでんをピックアップする連載れんさいコラムです。今月こんげつもご紹介しょうかいしていきましょう！

「モンキーマン」

このたび公開こうかいされたのは、猿さるのマスクを被こうむった主人公しゅじんこうが描えがかれたイラスト。原田はらだは、映画えいがの雰囲気ふんいきに加くわえて“日本にっぽんっぽさ”“私わたしのイラストらしさ”も意識いしきしたといい、「日本にっぽんのコミックで「モンキーマン」があったらこんな雰囲気ふんいきの表紙ひょうしがいいなと思おもいながらワクワクする雰囲気ふんいきで描えがかせていただきました」と述のべた。

おおおこれはカッコいい！ ポップな色いろ使づかいと力強ちからづよいタッチが、あのカラフルでパワフルな「モンキーマン」の世界せかい観かんと合あっていますね。とても印象いんしょうに残のこる良よいコラボイラストだと思おもいました。

「テリファー 聖夜せいやの悪夢あくむ」

全米ぜんべい公開こうかい時じに嘔吐おうと・失神しっしん者しゃが続出ぞくしゅつしたホラー映画えいがの続編ぞくへんとなる「Terrifier 3」が、「テリファー 聖夜せいやの悪夢あくむ」の邦題ほうだいで11月29日にちの“いい肉にくの日ひ”に東京とうきょう・TOHOシネマズ 新宿しんじゅくほか全国ぜんこくで公開こうかいされる。

まさかのいい肉にくの日ひ（11月29日にち）にスプラッターホラーの「テリファー」3作さく目めが公開こうかい！ なんとも覚おぼえやすくて助たすかる公開こうかい日び設定せっていです。しかもこの映画えいが、今回こんかいはクリスマスが舞台ぶたいということなんですが、海外かいがいではハロウィンシーズンに公開こうかいされる一方いっぽうで日本にっぽんではちょうどクリスマスシーズン直前ちょくぜんから公開こうかいが始はじまるということで奇くしくも時期じき的てきにぴったりという奇跡きせきが起おきています。これは観かんに行いくしかありませんね！（ちなみに前ぜん2作さくは両方りょうほうともR18+指定してい作品さくひんです）この情報じょうほうの解禁かいきん日びがちょうど9月の13日にちの金曜日きんようびというのもホラージャンルへのリスペクトが厚あつい！

「犯罪はんざい都市とし PUNISHMENT」

「犯罪はんざい都市とし」シリーズのファンであるMC・宇垣うがき美里みさとから「韓国かんこくではシリーズ累計るいけい動員どういん数すうが4000万まん人にんを突破とっぱしましたが、改あらためて「犯罪はんざい都市とし」が観客かんきゃくを魅了みりょうする理由りゆうはどこにあると思おもわれますか？」と尋たずねられたマ・ドンソクは「シリーズを手てがけるときには、いつも楽たのしく良質りょうしつなエンタメ作品さくひんを作つくろうと努力どりょくをしています。まずはいいストーリー、ユーモア、そして強烈きょうれつなアクションを皆みなさんにお見みせしたいと思おもっているんです」と真摯しんしに答こたえる。

「犯罪はんざい都市とし」シリーズとマ・ドンソクの大だいファンであることを以前いぜんから公言こうげんしている宇垣うがき美里みさとさんがMCという時点じてんでこのイベントは非常ひじょうに高こう得点とくてんです。質問しつもん内容ないようも「シリーズ過去かこ3作さくを含ふくめ、20年ねん以上いじょうアクション監督かんとくとして活躍かつやくされてきたホ・ミョンヘンさんに今回こんかい演出えんしゅつをオファーした理由りゆうは？」「『犯罪はんざい都市とし』がほかのアクション映画えいがと異ことなる点てんは？」などファンが本当ほんとうに聞ききたい質問しつもんが多おおく、それに真摯しんしに答こたえてくれるマ・ドンソク、という感かんじでとても良よいイベントだったと思おもいます。巨大きょだいな映画えいがのスクリーンに映うつる巨大きょだいなマ・ドンソクという画がもとても良よかったです。

マ・ドンソク主演しゅえん映画えいが「犯罪はんざい都市とし PUNISHMENT」が、オンラインクレーンゲームサービスのセガUFOキャッチャーオンラインと期間きかん限定げんていでコラボ。1日にち1回かい無料むりょうで遊あそべるデイリーチャレンジ台だいと、特別とくべつなシリアルコードの入力にゅうりょくによって解放かいほうされる通常つうじょう運営うんえい台だいが登場とうじょうする。
通常つうじょう運営うんえい台だいでは、景品けいひんとしてマ・ドンソクのアクリルスタンドが先着せんちゃく100個こ用意よういされた。

マ・ドンソクのアクリルスタンド！ まさにアイドル的てき人気にんきを象徴しょうちょうするようなグッズです。公式こうしきアカウントによるとあっという間まに品切しなぎれになってしまったそうで大人気だいにんきっぷりが伺うかがえます。ぜひ景品けいひんだけではなく販売はんばいもお願ねがいします！

「ビートルジュース ビートルジュース」

友とも近ちかは受付うけつけ嬢じょう、山本やまもとはクリーニング屋やを自身じしんのコントで演えんじていたことから今回こんかいのキャスティングが決きまったという。先日せんじつ発表はっぴょうされたメインキャストがキャラクターに扮装ふんそうしている“全身ぜんしん吹替”のビジュアルが話題わだいを集あつめたのに続つづき、2人ふたりは“芸歴げいれき吹替声優せいゆう”としてこのたびお披露目ひろめされた。

「ビートルジュース ビートルジュース」は声優せいゆうさんたちが特殊とくしゅメイクで扮装ふんそうした「全身ぜんしん吹替」が話題わだいとなりましたが、さらに「芸歴げいれき吹替」というカテゴリが追加ついかされました。「コントで演えんじたことがあるキャラクターにちなんだ吹替」という新あらたなカテゴリを生うみ出だすあたりが妙案みょうあんだと感かんじました。しかしなんの脈絡みゃくらくもなく起用きようされるよりは技わざアリと感かんじてしまうのでいい戦略せんりゃくだと思おもいます。

西川にしかわのりおが、本日ほんじつ9月がつ27日にち（金かね）公開こうかいのティム・バートン監督かんとく最新さいしん作さく「ビートルジュース ビートルジュース」で吹替声優せいゆうを務つとめていることが発表はっぴょうされた。西川にしかわは1988年ねんに公開こうかいされた前作ぜんさく「ビートルジュース」でビートルジュース役やくの日本語にほんご吹替を担当たんとう。台本だいほんにはないセリフや自身じしんのギャグ「ツッタカター」を入いれるなど話題わだいを集あつめた。このたび“蘇よみがえり声優せいゆう”として続編ぞくへんとなる今いま作さくに参加さんかしている。

「全身ぜんしん吹替」「芸歴げいれき吹替」に続つづいて「蘇よみがえり声優せいゆう」！ もはやなんでもあり！ しかし1作さく目めの「ビートルジュース」に吹替で参加さんかした西川にしかわのりおさんに再ふたたびゲスト声優せいゆうとしてオファーするのはリスペクトが込こめられていると感かんじました。特別とくべつ動画どうがも観みましたが西川にしかわのりおさんのビートルジュースに対たいする愛情あいじょうや、相変あいかわらずしゃべりまくりギャグ飛とばしまくりな感かんじが楽たのしくて最高さいこうです。

「ファンタ ビートルジュース」は“あの世よのおいしさ”を表現ひょうげんしたもの。液体えきたいのカラーはネオンイエローで、ボトルには不敵ふてきな笑えみを浮うかべるビートルジュースがあしらわれている。

「ビートルジュース」のジュース！ こういうダジャレ一いち点てん突破とっぱみたいなPRが大好だいすきなんです。不気味ぶきみな怖こわがらせ屋やのビートルジュースがモチーフのドリンクということで色いろもネオンイエローとまったく油断ゆだんのできない色いろで最高さいこうです。

「鬼太郎おにたろう誕生たんじょう ゲゲゲの謎なぞ 真生まさお版ばん」「ヴェノム：ザ・ラストダンス」

「最さい凶きょう相棒あいぼう秋祭あきまつり2024」と題だいされたこのコラボレート。幽霊ゆうれい族ぞくの末裔まつえいである鬼太郎おにたろうの父ちちと人間にんげんの水木みずき、地球ちきゅう外がい生命せいめい体たいと人間にんげんのエディが一体いったいになったヴェノム、両りょう作さくにはそれぞれ“ニンゲン”ではない相棒あいぼうが登場とうじょうするバディものであるという共通きょうつう点てんがある。また、「ヴェノム：ザ・ラストダンス」ではヴェノムの故郷こきょうにいるシンビオートたちの存在そんざいや謎なぞ、「鬼太郎おにたろう誕生たんじょう ゲゲゲの謎なぞ 真生まさお版ばん」では鬼太郎おにたろうの父ちちたちの物語ものがたりが初はじめて明あかされ、“今いままで明あかされてこなかった秘密ひみつ”が描えがかれる点てんも共通きょうつうしている。コラボ動画どうがには、木内きうちと諏訪部すわべの「俺おれたちの相棒あいぼうはニンゲンじゃない」というナレーションが収おさめられた。コラボ映像えいぞうのフルバージョンは全国ぜんこくの映画えいが館かんで上映じょうえいされている。

「最さい凶きょう相棒あいぼう秋祭あきまつり2024」！ なんとも味あじわい深ぶかい響ひびきの言葉ことばです。確たしかに「バディもの」は映画えいがの1ジャンルとしてとても愛あいされていて年としに何なん本ほんも作つくられていますが、「ニンゲンではない相棒あいぼうが登場とうじょうするバディもの」という点てんに着目ちゃくもくして「鬼太郎おにたろう誕生たんじょう ゲゲゲの謎なぞ 真生まさお版ばん」と「ヴェノム：ザ・ラストダンス」を組くみ合あわせるという発想はっそうが素晴すばらしい。しかも2作さくともバディの深ふかい関係かんけい性せいからコアな人気にんきを誇ほこる映画えいがということで発案はつあん者しゃの人ひと、よくわかってるなと感心かんしんしました。

また、このコラボ映像えいぞうのフルバージョンが映画えいが館かんでしか観みれないというのも特別とくべつ感かんがあって良よいと思おもいました。さらに、このPRが公式こうしきに発表はっぴょうされる数日すうじつ前まえから既すでに映画えいが館かんで流ながれていたので、目撃もくげきした人ひとたちがSNSで「あれは何なに？」「すごいものを観みた」「何なにも情報じょうほうが出でてないけど本当ほんとうに観みたんだ！」と語かたるうちに口くちコミで広ひろまっていくような現象げんしょうがありました。もし戦略せんりゃくだとしたら相当そうとううまいな、と思おもいました。

そして最後さいごは私わたしが勝手かってに決きめる今月こんげつのMVP（モスト・ヴァリュアブル・プロモーション）。今月こんげつは大おおきく話題わだいになった宣伝せんでんがあったので皆みなさんも予想よそうが付つくのではないでしょうか…というわけで今回こんかいはこちらです！

「エイリアン：ロムルス」

「エイリアン」トークが白熱はくねつする中なか、急遽きゅうきょ会場かいじょうが暗転あんてんしてサイレンが鳴なり響ひびくとおぞましい姿すがたの「エイリアン」“最終さいしゅう形態けいたい”が劇場げきじょうに襲来しゅうらい。観客かんきゃくたちを脅おどかし、カズレーザーも驚おどろきのあまり腰こしを抜ぬかしてみせた。精巧せいこうな特殊とくしゅメイクの「エイリアン」はスタッフからマイクを渡わたされると、初はじめは不気味ぶきみな息遣いきづかいのみでしゃべれなかったものの、徐々じょじょに人間にんげんの言葉ことばを話はなせるようになり、やがて自みずから「研けんナオコです！」と正体しょうたいを明あかす。

これまでさまざまな映画えいがキャラクターの扮装ふんそうを極きわめて高たかいクオリティで（誰だれからも頼たのまれていないのに率先そっせんして）行いってきた研けんナオコさんがエイリアン（ゼノモーフ）の姿すがたで登場とうじょう。そのまったく予想よそうできない正体しょうたいと、やはり極きわめて精巧せいこうな特殊とくしゅメイクに驚おどろくばかりです。

研とぎは「やりたかったの！ エイリアン好すきなんですよ！」とご機嫌きげんな様子ようす。カズレーザーは「本物ほんものの「エイリアン」を観みたことがある人ひとは誰だれもいないはずなのに、なぜか違和感いわかんが一切いっさいないのがすごい。すべてのパーツにどこか意味いみがありそう。怖こわすぎてカッコいいみたいな」とその造形ぞうけい美びに言及げんきゅうした。

いや、本当ほんとうにその通とおりで、見みれば見みるほど怖こわいし、カッコいいし、少すこし笑わらえる感かんじも含ふくんでいるのがすごいと感心かんしんしました。単たんなる着きぐるみではなく極きわめて精巧せいこうかつ緻密ちみつな特殊とくしゅメイクを駆使くしして本気ほんきで成なり切きっている感かんじ、そして研けんナオコさんの「やりたかったの！ エイリアン好すきなんですよ！」という言葉ことばに映画えいがファンとしてうれしい気持きもちになります。ちなみに「エイリアン：ロムルス」を実際じっさいに観みたのですが、本編ほんぺんのエイリアンよりも研けんナオコさんのエイリアンの方ほうがよっぽど怖こわかったし夢ゆめに出だそうだと感かんじました。（※個人こじんの感想かんそうです）

今月こんげつの宣伝せんでんを見みていて感かんじたのは"映画えいがに対たいする愛情あいじょう"でした。例たとえば「犯罪はんざい都市とし PUNISHMENT」の宇垣うがき美里みさとさん、「ビートルジュース ビートルジュース」の西川にしかわのりおさん、「エイリアン：ロムルス」の研けんナオコさんなど、皆みなさんの映画えいがに対たいする愛情あいじょうが感かんじられてとてもうれしい気持きもちになりました。さらに言いえば「テリファー 聖夜せいやの悪夢あくむ」の公開こうかい日び設定せっていや「最さい凶きょう相棒あいぼう秋祭あきまつり2024」についても作品さくひんに対たいする深ふかい理解りかい度どと愛情あいじょうがあってこそ発案はつあんできたコラボだと思おもいます。映画えいが宣伝せんでんは、当然とうぜん多おおくの人ひとの注目ちゅうもくを集あつめることや集客しゅうきゃくを増ふやすことが最さい重要じゅうよう課題かだいですが、このように映画えいが宣伝せんでんに関かかわる人ひとたちの愛情あいじょうを感かんじると、自然しぜんとその映画えいがを応援おうえんしたくなる、観みたくなる気持きもちが湧わいてきます。暑あつくて騒さわがしかった夏なつも終おわりかけ、秋あきの忍しのび寄よる気配けはいに涼すずしさと寂さびしさを感かんじる昨今さっこん、こういう愛情あいじょうを感かんじると心しんが暖あたたかくなりますね。

以上いじょう、月刊げっかんおもしろ映画えいが宣伝せんでん2024年ねん9月がつ号ごうでした。次回じかいもお楽たのしみに！

ビニールタッキー

映画えいが宣伝せんでんウォッチャー。ブログ「第だい9惑星わくせいビニル」の管理人かんりにん。海外かいがいの映画えいがが日本にっぽんで公開こうかいされる際さいに発生はっせいする“おもしろ宣伝せんでん”を観察かんさつ・収集しゅうしゅうする。トークイベント「この映画えいが宣伝せんでんがすごい！」を毎年まいとし開催かいさい。

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