20縛しばりのシナリオコンペ受賞じゅしょう作さくで構成こうせいされたオムニバス映画えいが公開こうかい、前田まえだ旺志郎ろうら出演しゅつえん

「ディアーディアー」「馬うまの骨ほね」といった映画えいがを配給はいきゅうしてきたオフィス桐生きりゅうの設立せつりつ20周年しゅうねんを記念きねんしたオムニバス映画えいが「20祭さい」が、7月がつ29日にちから8月がつ4日にちに東京とうきょうの池袋いけぶくろシネマ・ロサでレイトショー上映じょうえいされる。

テーマを数字すうじの「20」に限定げんていし、予算よさん20万まん円えんで制作せいさく可能かのうな20分ぶんの短編たんぺん映画えいがシナリオを発掘はっくつしようという同名どうめいのコンペから生うまれた「20祭さい」。すれ違ちがう6名めいの男女だんじょを20本ほんのたばこがつなぐクリスマスイブを描えがいた「Smoky-Story」、20歳さいの青年せいねんがツチノコを探さがす謎なぞめいた男おとこに出会であう「ツチノコの蒲焼かばやき」、仲間なかまを亡なくしたやるせない20歳さいの長ながい一夜いちやの出来事できごと「二に十じゅう才さいの夜よる」、残のこり20枚まいとなったカメラのフィルムに映うつる友情ゆうじょうの行方ゆくえを映うつし出だす「春はるの結晶けっしょう」といった4編へんの作品さくひんで構成こうせいされている。

脚本きゃくほんを手てがけたのは、大阪芸術大学おおさかげいじゅつだいがくOBの安藤あんどう圭吾けいご、少年しょうねんジャンプ＋ネーム・シナリオ原作げんさく漫画まんが賞しょう2022のシナリオ部門ぶもんにて「私わたしのカレはメタモルフォーマー」が佳作かさくに選えらばれた桝本ますもと力丸りきまる、東京藝術大学とうきょうげいじゅつだいがく大学院だいがくいんの平田ひらた雄つよし己おのれ、コンペ出品しゅっぴん者しゃで最年長さいねんちょうの安川やすかわ徳いさお寛ひろし。平田ひらたと安川やすかわのほか粟井あわいモネ、井上いのうえ優ゆう斗とが監督かんとくを務つとめた。キャストには「奇跡きせき」「海うみ街がいdiary」の前田まえだ旺志郎ろうのほか中澤なかざわ実子じっし、飛ひ葉は大樹だいき、櫻井さくらい成美まさみらが名なを連つらねている。

「二に十じゅう才さいの夜よる」で主演しゅえんを務つとめた前田まえだは「この映画えいがは、青春せいしゅんという誰だれしもが通とおる時期じきの事ことをふわぁっと思おもい出だせるような作品さくひんなのではないかなと思おもってます。映画えいがや漫画まんがみたいな美うつくしい青春せいしゅんじゃなかったかもしれませんが、いざ終おわって振ふり返かえってみたらすごくかけがえのない時間じかんで、あの頃ころの感覚かんかくや心情しんじょうはあの頃ころにしかないものだったなぁと、僕ぼくはそんな事ことを思おもい出だしました」とコメント。脚本きゃくほん家かの杉原すぎはら憲明のりあき、プロデューサーの桐生きりゅうコウジや雨あめ無む麻友まゆう子ことともにコンペの審査しんさ員いんを務つとめた菊地きくち健雄たけおは「僕ぼくたちが厳選げんせんした4本ほんの脚本きゃくほんが一体いったいどんな映画えいがになったのか、今いまからとってもワクワクしております！」と述のべている。

なお8月がつ1日にちに「馬うまの骨ほね」、8月がつ2日にちに「ディアーディアー」の一夜いちや限かぎりのリバイバル上映じょうえいが行おこなわれることも決定けっていした。「馬うまの骨ほね」上映じょうえい時じには、ゲストとしてキャストの小島こじま藤子とうこと深澤ふかさわ大河たいがが来場らいじょうする予定よていだ。

YouTubeでは映画えいが「20祭さい」の予告編よこくへんが公開こうかい中ちゅう。

前田まえだ旺志郎ろう コメント

主人公しゅじんこうの青嶋あおしま役やくを演えんじさせていただきました前田まえだ旺志郎ろうです。この映画えいがは、青春せいしゅんという誰だれしもが通とおる時期じきの事ことをふわぁっと思おもい出だせるような作品さくひんなのではないかなと思おもってます。映画えいがや漫画まんがみたいな美うつくしい青春せいしゅんじゃなかったかもしれませんが、いざ終おわって振ふり返かえってみたらすごくかけがえのない時間じかんで、あの頃ころの感覚かんかくや心情しんじょうはあの頃ころにしかないものだったなぁと、僕ぼくはそんな事ことを思おもい出だしました。今いまよりも繊細せんさいで脆もろくて知しらない事ことが沢山たくさんあったからこその輝かがやきと尊とうとさを改あらためて感かんじられた気きがします。

菊地きくち健雄たけお コメント

僕ぼくたちが厳選げんせんした4本ほんの脚本きゃくほんが一体いったいどんな映画えいがになったのか、今いまからとってもワクワクしております！ そして、拙作せっさく「ディアーディアー」も上映じょうえいしていただけるとのこと、本当ほんとうに光栄こうえいですし嬉うれしいという気持きもちしかありません。しかし、これできっとライバルがまた増ふえてしまうに違ちがいないという予よ感かんが自分じぶんの胸むねをざわつかせます。もしこれで仕事しごとが減へってしまったら、オフィス桐生きりゅう30周年しゅうねんの際さいには是これが非ひでも自分じぶんがまた映画えいがを撮とらせてもらおうと密ひそかに企たくらんでいます。桐生きりゅうコウジさん、次つぎは新人しんじん発掘はっくつではなく再生さいせい工場こうじょうということで何卒なにとぞよろしくお願ねがいします！

桐生きりゅうコウジ コメント

きっかけは新型しんがたコロナ。2020年ねん4月がつ、新作しんさくのクランクイン間近まぢかに緊急きんきゅう事態じたい宣言せんげん発令はつれい。もちろん中止ちゅうし。延期えんきではなく中止ちゅうしを即断そくだん。普通ふつうならば、資金しきんをストックして次つぎ作さくに備そなえるものだけど、不思議ふしぎとそういう気きは起おこらなかった。自粛じしゅく中ちゅうに“コンセプトは遊あそび心ごころ”という原点げんてんに戻もどりたい瞬間しゅんかんがあって。大々的だいだいてきな20周年しゅうねんもいいけど、ささやかな若手わかて支援しえんも悪わるくないかなと。自社じしゃよりも他者たしゃなんて、そもそもの自分じぶんにはあり得えない発想はっそうなんだけど。コンペもポスターデザインも予告編よこくへんも終始しゅうし遊あそんでみました。これくらい力ちからを抜ぬいた方ほうが断然だんぜんイイものができるんだという発見はっけん。初はじめて会あう若手わかてたちとの交流こうりゅうは新鮮しんせんで刺激しげき的てき。独ひとりよがりで頑かたくなオジサンにならないと誓ちかうこともできた。災わざわい転てんじて──とか言いうけど、まさにそれ。「20祭さい」とは成なり行ゆきの産物さんぶつであり、単たんなる20年ねんの通過つうか点てんに過すぎない。