報知ほうち映画えいが賞しょうの作品さくひん賞しょうは「月つき」、磯村いそむら勇いさむ斗と＆二階堂にかいどうふみの助演じょえん賞しょうを北村きたむら匠たくみ海うみと仲野なかの太ふとし賀がが祝いわう

第だい48回かい報知ほうち映画えいが賞しょうの表彰ひょうしょう式しきが本日ほんじつ12月つき11日にちに東京とうきょう都内とないのホテルで開催かいさい。石井いしい裕也ゆうやが実際じっさいの障害しょうがい者しゃ殺傷さっしょう事件じけんをモチーフに描えがいた「月つき」が邦画ほうが部門ぶもんの作品さくひん賞しょうを受賞じゅしょうした。同どう作さくから磯村いそむら勇いさむ斗とが助演じょえん男優だんゆう賞しょう、二階堂にかいどうふみが助演じょえん女優じょゆう賞しょうに輝かがやき、それぞれと親交しんこうのある北村きたむら匠たくみ海うみ、仲野なかの太ふとし賀がが祝福しゅくふくに駆かけ付つけた。

辺見へんみ庸いさおの同名どうめい小説しょうせつを映画えいが化かした本ほん作さくは、森もりの奥おくにある重度じゅうど障害しょうがい者しゃ施設しせつで職員しょくいんとして働はたらき始はじめた元もと有名ゆうめい作家さっかが、職員しょくいんによる入所にゅうしょ者しゃへの心しんない扱あつかいや暴力ぼうりょくを目まの当あたりにする物語ものがたり。宮沢みやざわりえが主演しゅえんを務つとめ、「新聞しんぶん記者きしゃ」「ヴィレッジ」の河村かわむら光庸みつのぶが企画きかく・エグゼクティブプロデュースを担になった。

「月つき」に出演しゅつえんした板谷いたや由夏ゆかが作品さくひん賞しょうの祝福しゅくふくに駆かけ付つけ、石井いしいに向むけて「出演しゅつえん者しゃの皆みなさんが相当そうとうな覚悟かくごで参加さんかされている現場げんばでした。初日しょにちの石井いしい監督かんとくの顔かおが今いまでも忘わすれられません。一いちファンとして監督かんとくの受賞じゅしょうが本当ほんとうにうれしいです。これからも素晴すばらしい作品さくひんを生うみ出だしてください」とコメント。石井いしいは「今日きょうもたくさん出演しゅつえん者しゃやスタッフの皆みなさんが来きてくれています。皆みなさんが覚悟かくごを持もって作つくった映画えいがです。信念しんねんを貫つらぬき通とおしてよかったと思おもいますし、賛否さんぴがはっきり分わかれる作品さくひんですが、こういう作品さくひんを評価ひょうかしていただけて本当ほんとうにうれしく思おもいます」と話はなした。

施設しせつで働はたらきながら、やがて殺人さつじん事件じけんを起おこすさとくんを演えんじた磯村いそむら。多数たすうの共演きょうえん歴れきがある北村きたむらは「自みずからを成長せいちょうさせるきっかけを自みずから作つくることができる役者やくしゃ。同おなじ仲間なかまとして、これから先さきの日本にっぽんの映画えいが・ドラマを支ささえていく、そして世界せかいに広ひろげていく役者やくしゃの1人ひとりです」とたたえる。

磯村いそむらは「匠たくみ海かい、ありがとう」と感謝かんしゃしながら「月つき」について語かたった。「自分じぶんが演えんじた役やくを考かんがえると、この賞しょうをいただくこと自体じたいに批判ひはん的てきなこともあるんじゃないかと考かんがえるぐらいの役やくでした。役者やくしゃとして役やくをいただけたことがありがたいですが、そこに生いきた役やくとしてはなんと言葉ことばを尽つくしたらいいかわからないような感覚かんかくです」と吐露とろ。「非常ひじょうに覚悟かくごのいる、責任せきにんを持もって挑いどまなければならなかった作品さくひん。各々おのおのが恐怖きょうふや不安ふあんを抱かかえながら一緒いっしょに作つくり上あげました。このような形かたちで賞しょうをいただき少すこしでも報むくわれたと思おもいます」と続つづけ、「これからも1人ひとりの国民こくみんとして時代じだいを見みながらも、役者やくしゃとして映画えいがに身みを投とうじて前まえに進すすんでいきたい」とさらなる飛躍ひやくを誓ちかった。

仲野なかのは「僕ぼくが知しる二階堂にかいどうさんはとても勇敢ゆうかんな人ひと。でも『月つき』に参加さんかするに当あたって、彼女かのじょは珍めずらしくポロッと僕ぼくに不安ふあんを口くちにしていました」と述懐じゅっかい。そのセンシティブな題材だいざいから俳優はいゆうが役やくを演えんじることの難むずかしさに触ふれながら、「その怖こわさは社会しゃかいからのえたいの知しれない問とい。そういうものがあったんだと思おもいます。きっと二階堂にかいどうさんは全身ぜんしんで考かんがえ抜ぬいて答ごたえた。それが彼女かのじょの勇敢ゆうかんさだと思おもいます」「役やく作づくりも孤独こどくでさみしい道みちのりだったと思おもうんですが、本編ほんぺんを観みたときに彼女かのじょが覚悟かくごと決心けっしんを持もって役やくを全まっとうしていることに驚おどろかされ、感動かんどうしました」と称賛しょうさんした。

障害しょうがい者しゃ施設しせつで働はたらきながら作家さっかを志こころざす陽子ようしに扮ふんした二階堂にかいどうは「月つき」を「実際じっさいにこの社会しゃかいで確実かくじつにある、私わたしたちが見みないようにしている、見みてこなかったこと、社会しゃかいが消化しょうかしていない、そしてこれからも消化しょうかすることができない現実げんじつを描えがいた作品さくひんだと思おもっています」と紹介しょうかい。この作品さくひんを作つくっていいのか、自分じぶんは現場げんばに参加さんかするべきなのか自問自答じもんじとうもあったそうだが「この社会しゃかいに生いきる1人ひとりの人間にんげんとして、私わたしは役やくの当事とうじ者しゃとして考かんがえて見みつめて演えんじたいと思おもいました」と出演しゅつえんを決きめたという。そして「非常ひじょうに難むずかしい作品さくひんでしたが、常つねに真まん中なかでみんなを引ひっ張ぱった（宮沢みやざわ）りえさん、最後さいごまで“問とう姿勢しせい”を見みせてくださった監督かんとくに感謝かんしゃの気持きもちでいっぱいです。映画えいがは社会しゃかいを変かえられるんじゃないかという希望きぼうを少すこし感かんじられました」と力ちからを込こめて語かたった。

このほかの受賞じゅしょう結果けっかは下記かきの通とおり。

第だい48回かい報知ほうち映画えいが賞しょうの受賞じゅしょう結果けっか

作品さくひん賞しょう（邦画ほうが部門ぶもん）

「月つき」

作品さくひん賞しょう（海外かいがい部門ぶもん）

「グランツーリスモ」

アニメ作品さくひん賞しょう

「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」

主演しゅえん男優だんゆう賞しょう

横浜よこはま流星りゅうせい（「ヴィレッジ」「春はるに散ちる」）

主演しゅえん女優じょゆう賞しょう

綾瀬あやせはるか（「レジェンド＆バタフライ」「リボルバー・リリー」）

助演じょえん男優だんゆう賞しょう

磯村いそむら勇いさむ斗と（「月つき」）

助演じょえん女優じょゆう賞しょう

二階堂にかいどうふみ（「月つき」）

監督かんとく賞しょう

山崎やまざき貴たか（「ゴジラ-1.0」）

新人しんじん賞しょう

アイナ・ジ・エンド（「キリエのうた」）