ディズニー・アニメーションを実写じっしゃ化かした「ムーラン」が9月4日にちよりディズニープラスで独占どくせん配信はいしん。「クジラの島しまの少女しょうじょ」のニキ・カーロが監督かんとくを務つとめた本ほん作さくは、主人公しゅじんこうの少女しょうじょ・ムーランが愛あいする家族かぞくを守まもるため、男おとこと偽いつわって国くにの運命うんめいを懸かけた戦たたかいに身みを投とうじるさまを描えがくファンタジーアドベンチャーだ。「項羽こううと劉邦りゅうほう」「第だい3の愛あい」で知しられる女優じょゆうで歌手かしゅのリウ・イーフェイが、“本当ほんとうの自分じぶん”と“偽いつわりの自分じぶん”の間あいだで葛藤かっとうするムーランを演えんじ、コン・リー、ドニー・イェン、ジェット・リーが脇わきを固かためる。

映画えいがナタリーでは、ディズニー作品さくひんのファンを公言こうげんするBiSHのアイナ・ジ・エンドにひと足早あしはやく本ほん作さくを鑑賞かんしょうしてもらい、インタビューを実施じっし。「ムーランと自分じぶんが重かさなる」というアイナは本ほん作さくをどう観みたのか？ お気きに入いりの1本ほんである「リトル・マーメイド」と「ムーラン」の共通きょうつう点てんや、“自分じぶんらしさ”というテーマにちなみ、アイナ自身じしんの生いき方かたについても語かたってもらった。

取材しゅざい・文ぶん / 佐藤さとう希のぞみ　撮影さつえい / 清水しみず純一じゅんいち

ムーランに感情かんじょう移入いにゅうしてしまいました

──映画えいがをご覧らんいただきましたが、いかがでしたか？

めちゃめちゃ泣なけました！ アニメーション版ばんの「ムーラン」は子供こどもの頃ころに観みたことがあったんですけど、そのときはこんなにドラマが詰つめ込こまれている作品さくひんだと思おもっていなかったんです。

──アニメーション版ばんもご覧らんいただいていたんですね。アイナさんが一番いちばん印象いんしょう的てきだったシーンはどこですか？

自分じぶんが女おんなだということに向むき合あって、ムーランが戦たたかいの最中さいちゅうに本当ほんとうの姿すがたを見みせるシーンですね。音楽おんがくの入いり方がたもかっこよくて心しんに刺ささりました。あと、お父とうさんがムーランと対面たいめんするシーンのセリフに号泣ごうきゅうしちゃいました……。時代じだいも文化ぶんかも違ちがいますが、本当ほんとうに大事だいじなことは現代げんだいの日本にっぽんと変かわらないところが響ひびきましたね。

──ムーランはもともとかなりのおてんば娘むすめで、父親ちちおやからも結婚けっこんできるのかどうか心配しんぱいされていましたよね。

そうでしたね。私わたしもどちらかというと見切みきり発車はっしゃで生いきてしまうというか、わんぱくな子供こどもだったんです。妹いもうとは真面目まじめな子こで、両親りょうしんから妹いもうとと比較ひかくされることもあったので、ムーランに感情かんじょう移入いにゅうしてしまいました。

──ご自身じしんと重かさなる場面ばめんもあったんですね。「ムーラン」は女性じょせいを主人公しゅじんこうとしたディズニー作品さくひんでは珍めずらしく、主人公しゅじんこうのアクションも多おおい点てんが特徴とくちょうですが、アクションシーンはどうご覧らんになりましたか？

もう序盤じょばんから鳥肌とりはだが立たちました。魔女まじょのシェンニャンたちが攻せめてくるシーンでは、敵てきの兵士へいしが壁かべを走はしりながらどんどん登のぼってきて……、観みた瞬間しゅんかんから「これは相当そうとうすごいアクションシーンがある映画えいがだな」と。「この撮影さつえい相当そうとうヤバそう……！」と冷静れいせいに考かんがえちゃいました（笑）。クライマックスでムーランが仲間なかまと一緒いっしょに戦たたかうシーンのアクションもすごかったですし、本当ほんとうに考かんがえられない動うごきでした。

──ムーラン以外いがいにも個性こせい的てきなキャラクターがたくさん登場とうじょうしましたが、気きになった人物じんぶつはいましたか？

ホンフイですね。あそこまで器うつわが大おおきい人ひとになれたらいいなと思おもいましたし、シンプルにかっこいい！

──ホンフイは実写じっしゃ版ばんオリジナルのキャラクターで、ムーランと兵士へいし仲間なかまとして絆きずなを深ふかめていく役柄やくがらでしたが、ムーランが淡あわい恋心こいごころを抱いだく存在そんざいでもあり、すごく魅力みりょく的てきでしたよね。

クライマックスでムーランがホンフイと向むき合あうシーンで、キューン！ってなりました。ディズニーの映画えいがって「うわー、素敵すてき！」と思おもうことが多おおいんですけど、今回こんかいは「ムーラン、かわいい……！（胸むねを押おさえる）」みたいな感かんじです（笑）。

あどけなくて勇敢ゆうかんな少女しょうじょに憧あこがれる

──今回こんかいアイナさんにお声こえ掛かけさせていただいたのは、ディズニー作品さくひんがお好すきということも理由りゆうの1つなのですが、ディズニーファンとして実写じっしゃ版ばんの「ムーラン」はいかがでしたか？

ディズニー作品さくひんでは「リトル・マーメイド」が一番いちばん好すきなんです。あどけない少女しょうじょのようなアリエルの、無知むちがゆえの美うつくしさがすごく魅力みりょく的てきで、そういう部分ぶぶんをムーランにも感かんじました。無知むちだから性別せいべつを偽いつわって兵士へいしになれると考かんがえてしまう。現実げんじつ的てきに考かんがえたら男性だんせいには力ちからでは敵てきわないこともわかると思おもうんですが、知しらないから大胆だいたんに飛とび込こんでいける。そこは本当ほんとうに私わたしがめっちゃ好すきなポイントですね。

──なるほど。

大人おとなになったら制限せいげんされてしまうことも多おおいし、どこか理性りせいが働はたらいてしまうことがあると思おもうんですけど、そういう刹那せつな的てきな振ふる舞まいがムーランとアリエルの好すきなところです。先日せんじつ「マレフィセント2」も観みたんですが、魔女まじょのシェンニャンはマレフィセントのように強つよい女性じょせいの美うつくしさがありますよね。

──コン・リー演えんじるシェンニャンは完全かんぜんに悪あくと言いい切きれない人物じんぶつでしたね。

人間にんげんを2パターンに分わけるとしたら、たぶん私わたしはシェンニャン側がわだと思おもいます。なんでも嘘うそなく、勇敢ゆうかんに立たち向むかえるような男おとこより男気おとこぎがある人ひとではなく、ちょっと斜はすに構かまえて、「どうせ私わたしには居場所いばしょがない」とか言いっちゃう。だからこそ、あどけなくて勇敢ゆうかんな少女しょうじょ（ムーラン）に憧あこがれるんでしょうね。