ああ、僕ぼくもレジェンドライダーになってしまったんだなあ（佐藤さとう）

──皆みなさんまずは1年間ねんかん「仮面かめんライダーギーツ」お疲つかれ様さまでした。楽たのしい番組ばんぐみをありがとうございました。改あらためて撮影さつえいを終おえた感想かんそうや、周囲しゅういからの反はん応おうなど教おしえてください。

簡秀吉ひでよし　そうですね。振ふり返かえってみるとこの1年間ねんかんはいろんなことが経験けいけんできたしいろんなことが学まなべて、「簡秀吉ひでよし」という俳優はいゆうの人生じんせいにとって貴重きちょうな1年間ねんかんになりました。同年代どうねんだいが多おおいキャストのみんなで1年間ねんかん切磋琢磨せっさたくまできたことは本当ほんとうに誇ほこりです。

佐藤さとう瑠雅　やっている当時とうじも思おもっていたんですけど、一番いちばん最初さいしょに俳優はいゆうとして携たずさわった作品さくひんが「仮面かめんライダーギーツ」でよかったなと、この1年ねんを振ふり返かえってみてもそう思おもいます。

杢もく代だい和人わじん　長ながくもあったんですけど、あっという間あいだだったなって感覚かんかくもあって、でもやっぱり振ふり返かえってみるとすごくいろんな思おもい出でがあって、濃こい1年間ねんかんだったなと実感じっかんしました。

星乃ほしの夢ゆめ奈　1年間ねんかん、同おなじ役やくをやらせていただけるっていうのは数少かずすくないお仕事しごとだと思おもいます。そこに携たずさわれて、私わたしの人生じんせいの中なかでも、女優じょゆうとしての活動かつどうの中なかでもとても大おおきいものを得えられたと感かんじています。

──クランクアップの6月がつ末まつから3カ月かげつほど経たっていますが、「終おわったな」という実感じっかんも出でてきましたか？

青島ちんたお心しん　1年間ねんかん、想像そうぞう以上いじょうに早はやかったなという印象いんしょうですね。始はじまる当初とうしょは絶対ぜったいに長ながいよなあと思おもってたんですけど、自分じぶんたちでもあんまりまだ整理せいりができていないというか、感情かんじょうが追おい付つかないまま、あっという間まに終おわっちゃったなという感かんじですね。

簡　「終おわったな」とはまだ思おもってなくて、「ギーツ」は一生いっしょう、僕ぼくの心しんの中なかに生いき続つづけるものだと思おもいます。

佐藤さとう　正直しょうじきクランクアップしたときは終おわった感かんはなかったんですけど、いざ9月がつに入はいって、毎週まいしゅう日曜にちように「仮面かめんライダーガッチャード」を放送ほうそうしているのを観みたときに、「ああ、もう僕ぼくもレジェンドライダーの枠わくに入はいってしまったんだなあ」とは思おもいました。

星乃ほしの　私わたしは日曜にちよう9時じ30分ふんに「ギーツ」の放送ほうそうが終おわったら「仮面かめんライダー」でエゴサをよくかけていたので、今いまは「もうXのトレンドもギーツじゃなくなってる！」「（公式こうしきInstagramの）アカウントがガッチャードになってる！」と。流ながれてくるオフショットも「ギーツ」のメンバーの顔かおじゃなくてこれからシリーズを引ひっ張ぱっていく「ガッチャード」のみんなの姿すがたになっていったときに、まだ完全かんぜんには終おわってないですけど、でも一区切ひとくぎり着ついたんだなと実感じっかんしました。

杢もく代だい　この「ファイナルステージ」もあるし、すでに発表はっぴょうされているVシネクストもあるんですけど、でもいったんテレビ本編ほんぺんが終おわったという達成たっせい感かんは意外いがいとあります。いろんな方面ほうめんから「クランクアップおめでとう、お疲つかれ様さま」と連絡れんらくをいただきまして、1年間ねんかんがんばったかいがありました。

──1年間ねんかんの撮影さつえい中ちゅう、「自分じぶんは今こんヒーローを演えんじてるんだ！」と思おもった瞬間しゅんかんなどはありましたか？

杢もく代だい　外そとでの撮影さつえいが多おおかったんですが、最初さいしょの頃ころはギャラリーがあんまりいなかったんです。だけど放送ほうそう中盤ちゅうばんくらいになってくると、撮影さつえいしているときに家族かぞく連づれの皆みなさんに「道長みちなが～！」や「バッファ～！」と声こえを掛かけてもらうことも増ふえて。歓声かんせいをもらったときに、自分じぶんはヒーローになれてるんだなと思おもいました。もともとSNSのリアクションなどは見みていたんですけど、「ヒーローになれてる」と改あらためて実感じっかんできたのはそのときです。

佐藤さとう　僕ぼくは、生活せいかつの中なかのあらゆる場面ばめんで自分じぶんの行動こうどうに気きを付つけるようになったということですかね。仮面かめんライダーに限かぎらずヒーローに関かかわってきた俳優はいゆうさんはみんなそうだと思おもいますけど、やっぱり日常にちじょう生活せいかつから気きを付つけるのがヒーローだなって。

杢もく代だい　それは感かんじることがありますね。ヒーローになる前まえももちろんそういうのは守まもってましたけど、なってからは「見みられてる」っていう自覚じかくがより増まして、普段ふだんの何気なにげない瞬間しゅんかんでも「自分じぶんはヒーローなんだぞ」っていう責任せきにん感かんは増ましました。

星乃ほしの　イベントはすごくエネルギーをもらえない？

──横浜よこはまアリーナでの「超ちょう英雄えいゆう祭さい2023」、グランドプリンスホテル新しん高輪たかなわ 大だい宴会えんかい場じょう 飛天ひてんでの「GOLDEN DESIRE NIGHT」、「サマステ」（「テレビ朝日てれびあさひ・六本木ろっぽんぎヒルズ SUMMER STATION2023」）などいろいろありましたね。

杢もく代だい　僕ぼくたちの最初さいしょのイベントは「超ちょう英雄えいゆう祭さい」で、横浜よこはまアリーナは本当ほんとうに大おおきなステージでした。特撮とくさつファン、仮面かめんライダーファン、スーパー戦隊せんたいファン、そしてニチアサファンの皆様みなさまを改あらためて目まの当あたりにしたことで、その後ごの撮影さつえいにはよりパワーアップした自分じぶんで臨のぞめました。

星乃ほしの　うん！ サマステとか超ちょう楽たのしかった！

簡　やっぱうれしいよね。仮面かめんライダーはスーパー戦隊せんたいよりも人前ひとまえに立たつ機会きかいが回数かいすう的てきには少すくない分ぶん、緊張きんちょう感かんや楽たのしみな気持きもちも倍増ばいぞうしてます。

最初さいしょは「ツムリはたぶん敵てきのほうに行いくから」と（青島ちんたお）

──1年ねんを通とおして「成長せいちょうできたな」と思おもう部分ぶぶんがあれば教おしえてください。

簡　杢もく代だいくんは今いまでは普通ふつうに笑顔えがおも見みせてくれるんですけど、オーディションのときは絶対ぜったいこんなに笑顔えがおじゃなかった！ なので1年間ねんかんでこういう笑顔えがおもできるんだなっていう新あらたな一いち面めんを知しれて……。

杢もく代だい　最初さいしょから笑顔えがおだったよ！（笑）

──本人ほんにんとしては笑顔えがおのときもあったけど、英寿ひでとしにはそう見みえてなかったということじゃないですか？

杢もく代だい　英寿ひでとしとはけっこうバチバチしてたので、確たしかに笑顔えがおはなかったですね。でも最終さいしゅう話ばなしでは平和へいわな世界せかいが訪おとずれて道長みちながの素もとの笑顔えがおを見みれて。しかもそれを一番いちばん最後さいごに持もってくるっていうのが「仮面かめんライダーギーツ」という作品さくひんの面白おもしろさというか、魅力みりょくの1つですよね。

──星乃ほしのさんは祢音役やくを通とおして成長せいちょうできたと思おもえた部分ぶぶんなどありますか？

星乃ほしの　監督かんとくたちに「目めのお芝居しばいが上手じょうずになった」と言いってもらえるようになったことです。中盤ちゅうばんあたりからずっとシリアスな展開てんかいが続つづいていたときに、「表情ひょうじょうのバリエーションが少すくない」「同おなじシリアスでも区別くべつが付つくような表情ひょうじょうをしないと伝つたわらないよ」と注意ちゅういをしていただいたことがあって。そこから自分じぶんの中なかで表情ひょうじょうのことを考かんがえる時間じかんが増ふえました。なので、撮影さつえいが終おわってそう褒ほめていただいたときは自分じぶんでも成長せいちょうできたのかなって思おもいました。

──ツムリはナビゲーターとして登場とうじょうし、そこからだんだん人間にんげんらしい表情ひょうじょうが出でてくるようになりました。

青島ちんたお　最初さいしょの頃ころは「ツムリはたぶん敵てきのほうに行いくから。だから笑わらっていてもこれは優やさしくしてあげてるフリなんだよ」って中澤なかざわ（祥次しょうじ郎ろう）監督かんとくに言いわれてたんです。

──えっ！ そうだったんですね。

青島ちんたお　けど、途中とちゅうで「やっぱり仲間なかまで！」となって「どうルート変更へんこうしよう!?」みたいな（笑）。最初さいしょの頃ころはわりと機械きかい的てきだったんですけど、ナビゲーターから人間にんげんに少すこしずつ変かえていかないと、視聴しちょう者しゃの皆みなさんも戸惑とまどっちゃうと思おもったので、そのグラデーションはすごく考かんがえました。

──それぞれ、全ぜん49話わの中なかで特とくに印象いんしょうに残のこっているのは何なん話わですか？

簡　僕ぼくの中なかではやっぱりギーツIXが初はじめて登場とうじょうした38話わ。英寿ひでとしは母親ははおやに会あいたいとずっと思おもっていて、母親ははおやとの再会さいかいシーンがあったのは38話わだけですしね。英寿ひでとしがデザイアグランプリに参加さんかする目的もくてきや目標もくひょうが変かわった瞬間しゅんかんでもあったと思おもいます。

佐藤さとう　作品さくひんから離はなれてみて、今いま思おもい返かえすと1話わですかね。桜井さくらい景けい和わという役やくと初はじめて出会であったのも、初はじめてカメラの前まえでお芝居しばいをしたのもそこだったので。今いまだったらここはもうちょっとこうするかなとかも含ふくめて。

杢もく代だい　僕ぼくはベロバとの最終さいしゅう決戦けっせんがあった46話わです。彼女かのじょとは仲間なかまというより不思議ふしぎな関係かんけいで。一緒いっしょに戦たたかったこともあったし、バチバチしたときもあったけど、結局けっきょくベロバが消滅しょうめつするときは自分じぶんの手てで戦たたかいを終おえることができたのが印象いんしょうに残のこってます。（ベロバ役やくの）並木なみき（彩華あやか）さんはクランクインのとき中学ちゅうがく3年生ねんせいで、半年はんとしくらい一緒いっしょに撮影さつえいをやる中なかで、お芝居しばいにしっかり覚悟かくごを持もって向むき合あっているところを見みてきました。あの回かいは道長みちながにとって1つの集大成しゅうたいせいと言いえるのかなと思おもいます。

星乃ほしの　印象いんしょうに残のこってるのはやっぱり自分じぶんのメイン回かいになっちゃうんですけど29、30話わで。祢音は存在そんざいしていなかったっていう衝撃しょうげきの事実じじつを突つき付つけられたときだし、一番いちばん台本だいほんとにらめっこしてる時間じかんが長ながかったのも29、30話わの台本だいほんでした。

──鞍馬あんば家かの1人ひとり娘むすめであったあかりちゃんはもうすでに亡なくなっていて、祢音は創世そうせいの女神めがみの力ちからで造つくられた娘むすめだったというのはショックでしたよね。その設定せっていはいつ頃ごろ知しらされたんですか？

星乃ほしの　29、30話わの台本だいほんを渡わたされるときに「これはあなたのお芝居しばいに懸かかってます。面白おもしろくなるかどうかはあなた次第しだいです」っていう圧あつをかけられて、家いえに帰かえって読よんだら驚おどろきました。それまで知しらない状態じょうたいだったので。そこから台本だいほんを読よんで、祢音ちゃんの孤独こどく感かんや感情かんじょうをどうしたら表あらわせるだろうかと、現実げんじつでも周まわりに連絡れんらくしないようにするとか、プライベートから役やくにアプローチする、というのをやってみました。そういうことは今いままでしたこともなかったし、することもないんじゃないかなと思おもってたんですよ。現場げんばでスイッチを入いれればどうにでもなると思おもってたんですけど、これは想像そうぞうでどうにかできるようなお芝居しばいじゃないなって思おもったので。

青島ちんたお　私わたしが印象いんしょうに残のこってる回かいは、ツムリが祈いのることで英寿ひでとしが復活ふっかつする33話わです。今いままで人ひとに対たいして平等びょうどうに接せっしてきた子こが初はじめて自分じぶんの意志いしで1人ひとりの人間にんげんを想おもって祈いのりを捧ささげるっていう、ナビゲーターとしてではなくて1人ひとりの人間にんげんとしてちゃんと行動こうどうに出でた回かいだったので、私わたしの中なかで大事だいじな回かいです。

簡　素晴すばらしい回かいでしたね。

杢もく代だい　コメンテーターか！（笑）