WOWOWオリジナルドラマ「FM999 999WOMEN'S SONGS」全10話が、3月26日よりWOWOWオンデマンドで配信。3月29日からはWOWOWプライムで放送される。
本作は、16歳の誕生日を迎えたばかりの高校生・小池清美が、脳内ラジオ“FM999”を通してさまざまな女たちと出会って学び、葛藤を重ねていくさまを描く物語。脚本と総監督を「そうして私たちはプールに金魚を、」「ウィーアーリトルゾンビーズ」で知られる長久允が担当し、2001年生まれの若手女優・湯川ひなが主演を務めた。
映画ナタリーでは本作の配信・放送を記念した特集を展開し、謎多きミュージカル&オムニバスドラマを紹介。さらに長久と湯川に、本作を生み出した経緯や、作品の魅力、お互いへの思いを語ってもらった。
取材・文 / 秋葉萌実
舞台は女子高校生の脳内!? “FM999”とは?
悩み多き女子高校生・清美。彼女が「女って何?」とつぶやくと頭の中でラジオ“FM999”が響き出し、DJが「きけ! 女のうた! レイディオFM999、始まるよ~~~~!」と悩みに応じた曲をオンエアしていく。そんなユニークな描写から始まる本作は、少女の脳内を舞台にした新感覚のミュージカルドラマだ。
FM999では異なる事情を抱えた女たちが代わる代わる登場し、労働、恋、“かわいい”、セックス、鬱など、世の女性たちがしばしば直面する問題をテーマにした“女のうた”を歌い上げる。そしてある女は「てめぇのアバラぬきとってスペアリブにしたろか」と親しい男の愚痴を早口でまくしたて、別の女は「女だからって、なにも制限される筋合いはないのよ」と自身の思いを清美にぶつける。それぞれの個性が爆発した女たちとの刺激的な出会いは、果たして清美にどのような影響を与えるのか!?
長久允×湯川ひなが3度目のタッグ
本作の総監督は、2017年に短編映画「そうして私たちはプールに金魚を、」で日本人監督として初めてサンダンス映画祭短編部門グランプリに輝いた長久允。そしてオーディションから主演に選ばれたのは、同作のメインキャストを務めた20歳の若手女優・湯川ひなだ。2019年公開作「ウィーアーリトルゾンビーズ」でも現場をともにした2人は、これが3度目のタッグとなる。
「女性のための物語」である本作について、長久は「作らざるをえない使命感」を抱いているそう。彼は「とても繊細で、難しいテーマですが、歌という、詩的な表現で、脳だけではなく心に、届けることができたなら、と思っています」と思い入れたっぷりに語る。そして湯川は「私が演じる清美は、子供から大人への移行期として混乱の中にいます。それは私たちの状況と重なるところがあると思っています」「今、この作品が生まれることの意味を強く感じます」とドラマをアピールした。
女優、アーティスト、芸人…豪華ゲストが次々登場!
清美の脳内で歌う“女”役のキャストは28名。宮沢りえは伝説のディーバこと「一番目の女」に扮し、八代亜紀は「総理大臣の女」として登場して清美にある問いかけをする。先頃「女芸人No.1決定戦 THE W 2020」で優勝した吉住は、死にたい気持ちと共存して生きる“ホーミーの女”として清美の前に現れる。
さらにモトーラ世理奈、後藤まりこ、ともさかりえ、ゆりやんレトリィバァ、研ナオコ、青山テルマ、松本穂香、眉村ちあき、真矢ミキ、水原希子らも出演。女優、ダンサー、アーティスト、芸人などさまざまなジャンルから錚々たる面々が集結した。きらびやかなセットをバックに彼女たちが情感を込めて歌い上げる“女のうた”に注目! 第1話には宮沢、メイリン、菅原小春がゲスト出演する。
歌い手ゲスト一覧
- 第1話 宮沢りえ「一番目の女」 / メイリン「毛皮のコート着る女」 / 菅原小春「そこだけ雨が降る女」
- 第2話 塩塚モエカ「サイの女」 / 太田莉菜「漁に出る女」 / 八代亜紀「総理大臣の女」
- 第3話 モトーラ世理奈「女に恋した女」 / 後藤まりこ「ハサミの女」 / ともさかりえ「泥棒猫の女」
- 第4話 アオイヤマダ「ミラーボールの女」 / 三浦透子「魔法少女の女」 / ゆりやんレトリィバァ「まゆげの女」
- 第5話 なみちえ「カマキリの女」 / 研ナオコ「パリの女」 / 豊田エリー「幽霊の女」
- 第6話 青山テルマ「インターネットの女」 / 松本穂香「エビで宇宙をゆく女」 / 長井短「ポテトがあがる音きく女」
- 第7話 吉住「ホーミーの女」 / 坂井真紀「風水の女」 / 眉村ちあき「ビジーフォーの女」
- 第8話 真矢ミキ「内臓宝石の女」 / MEGUMI「時間を止めた女」 / 西田尚美「歌い終わりに死ぬ女」
- 第9話 水原希子「卵を産む女」 / 内田慈「タコを食べる女」 / 坂本美雨「怪獣の母の女」
- 第10話 ?「心臓の女」