GLAYが2011年ねんに始動しどうさせた過去かこ作品さくひんの“Anthology”シリーズの第だい5弾だんとなる「BELOVED Anthology」がリリースされた。

1996年ねんリリースの「BELOVED」はGLAYにとって初はじめてのミリオンヒットを記録きろくしたアルバムで、今いまも多おおくのファンに愛あいされている作品さくひんの1つ。今回こんかい、音楽おんがくナタリーでは、GLAYメンバーと公私こうし共どもに交流こうりゅうのあるゴールデンボンバーの喜き矢武やたけ豊ゆたかにGLAYへの思おもいと「BELOVED」の魅力みりょくを語かたってもらう企画きかくを提案ていあん。熱あつい思おもいを語かたり尽つくしてもらった。また特集とくしゅうの最後さいごにはTAKURO（G）のコメントも掲載けいさいしている。

取材しゅざい・文ぶん / 中野なかの明子あきこ　撮影さつえい / 須田すだ卓たく馬ば

「BELOVED」をきっかけに始はじまった音楽おんがく人生じんせい

──今回こんかいはGLAYの「BELOVED Anthology」がリリースされたことを記念きねんして、喜き矢武やたけさんに「BELOVED」およびGLAYの魅力みりょくを語かたっていただくという企画きかくになります。

あのう……僕ぼく、エアーバンドの“Gita-”なんで音楽おんがく的てきな話はなしがまったくできないんですけど、人選じんせん的てきにいいんですか？ 鬼おに龍りゅう院いんのほうがちゃんとお話はなししできますよ！

──いやいや！ いちリスナーとしての視点してんでお話はなしをぜひお伺うかがいできれば。喜き矢武やたけさんがGLAYの音楽おんがくに出会であったきっかけはなんだったんですか？

中学ちゅうがく2年ねんくらいだったかな？ それまで僕ぼく、音楽おんがくにあんまり興味きょうみがなかったんです。あるとき同級生どうきゅうせいの家いえに行いったら、そいつがベースを弾ひいてて。弾ひいてた曲きょくが「BELOVED」だったんですよ。「この曲きょく、めっちゃカッコいいな。楽器がっきが弾はじけるってカッコいいな」って思おもってベースを買かいました。

──友達ともだちがベースで「BELOVED」を弾ひいているのを見みて、楽器がっきを始はじめたと。

はい。親おやに頼たのんで4万まん円えんくらいのベースを買かってもらいましたね。で、なんの曲きょくを練習れんしゅうしようかなと思おもったときに「BELOVED」を弾はじこう！ってなって。あと、弾ひくなら音源おんげんも欲ほしくなって「REVIEW-BEST OF GLAY」（1997年ねんリリース）を買かったんです。

──「BELOVED」が入はいっているベスト盤ばんですね。

はい。それでベースを弾ひくために、「REVIEW-BEST OF GLAY」のスコアブックも同どう時期じきに買かって、ひたすら1人ひとりでベースの練習れんしゅうしてました。だから、僕ぼくがGLAYさんに出会であったきっかけは「BELOVED」なんです。一方いっぽうで「BELOVED」にまつわる苦にがい思おもい出でもありまして。

──どういうものですか？

テレビの生放送なまほうそうで、GLAYさんに出会であった曲きょくの話はなしをする機会きかいがあったんですよ。そのときに「GLAYさんの『BELOVED』」って言いおうと思おもったのに、なぜか「GLAYの『BELOVEDさん』」って言いっちゃって……。

──Twitterを騒さわがせた一いち件けんですね。

結局けっきょく、GLAYさんと出会であった曲きょくの話はなしをまったく話はなせず出番でばんを終おえるという。Twitterでバズってるのを見みたTERUさんが、すぐ「テレビで何なにを言いったんだ？」ってLINEを送おくってきて。生放送なまほうそうで失礼しつれい極きわまりないし、恥はずかしいし……。

──はははは（笑）。最初さいしょはベーシストだった喜き矢武やたけさんが、ギターに転向てんこうした理由りゆうはなんだったんですか？

「BELOVED」に出会であったことをきっかけに、しばらくベースでGLAYさんの曲きょくを弾ひいてたんですけど、近所きんじょのスタジオが閉鎖へいさするとかで処分しょぶんするギターをもらう機会きかいがあって。じゃあ今度こんどは「BELOVED」をギターでも弾ひいてみようと。実際じっさいに弾ひいてみたら、ベースを弾ひいていたときよりも面白おもしろかったんです。「BELOVED」ってアコギから始はじまって、ドラマチックなギターソロもあって……ギター1本ほんでいろんな表現ひょうげんができる曲きょくなんですよね。そこに面白おもしろさを感かんじて、ギタリストに転向てんこうしました。スコアブックでTAKUROさんのパートを弾ひき終おえたら、今度こんどはHISASHIさんのパートを弾ひいて……そんな中学ちゅうがく時代じだいでした。

今いま聴きいても古臭ふるくさくないし、色いろあせていない

──ちなみに喜き矢武やたけさんは、「BELOVED」をリアルタイムで聴きいていた世代せだいではないですよね？

ええ。もちろんGLAYさんの存在そんざいは知しってはいましたけど、ギターを練習れんしゅうし始はじめてからさかのぼる形かたちでハマりました。アルバムの「BELOVED」のほうは、GLAYさん好すきの友達ともだちに借かりたんですよ。それでカセットテープかMDに音源おんげんを落おとして、めちゃくちゃき込きこみました。「BELOVED」はタイトル曲きょくはもちろん、アルバム自体じたいも本当ほんとうに好すきな作品さくひんなんです。GLAYさんのアルバムで一番いちばん好すきな作品さくひんと言いっても過言かごんではないくらい。だから今回こんかい、インタビューのお話はなしをいただいて改あらためて聴きき直なおしたんですけど、1曲きょく目めの「GROOVY TOUR」のイントロが耳みみに入はいってきた瞬間しゅんかんに、中学ちゅうがく時代じだいの思おもい出でとか、見みていた情景じょうけいとかがバーッと浮うかんできたんですよ。それで泣なきそうになっちゃった。聴きいているときに懐なつかしい気持きもちにもなりました。いや、懐なつかしいというのは失礼しつれいなのかな？

──アルバム「BELOVED」がリリースされたのは21年ねん前まえですから、懐なつかしい気持きもちになる人ひとも多おおいと思おもいます。

そうか、20年ねん以上いじょう前まえなのか……それを考かんがえるとすごいですよね。だって「BELOVED」に入はいってる曲きょくって、今いまもGLAYさんのライブのセットリストに定番ていばん曲きょくとして組くみ込こまれてるんですから。「SHUTTER SPEEDSのテーマ」とか「春はるを愛あいする人ひと」とか。長年ながねん愛あいされる曲きょくがたくさんあるGLAYさん……やっぱり化ばけ物ものだな。

──ちなみに表題ひょうだい曲きょく以外いがいに喜き矢武やたけさんが思おもい入いれのある曲きょくは？

「Lovers change fighters,cool」ですかね。昔むかしライブの打うち上あげでカラオケに行いったときに、鬼おに龍りゅう院いんと一緒いっしょに歌うたった記憶きおくがあります。鬼おに龍りゅう院いんもこの曲きょくがすごい好すきで、彼かれは歌詞かしに書かかれている男女だんじょの恋愛れんあい観かんに共感きょうかんしてました。鬼おに龍りゅう院いんと恋愛れんあいトークをすると、だいたい「Lovers change fighters,cool」の歌詞かしの話はなしになってましたね。「初はじめに好すきと言いったほうが負まけなんて 幾いく千せん年ねんの 男女だんじょの法則ほうそくなの」なんて的まとを射いているし、僕ぼくも「恋愛れんあいってそうだよなあ」って思おもいましたね。「告白こくはくされたほうが優位ゆういに立たっちゃうよなあ」って曲きょくを聴ききながら思おもったり。

──「BELOVED」の収録しゅうろく曲きょくで恋愛れんあい観かんも学まなんだと。

はい。あと「カーテンコール」もめちゃくちゃ好すきな曲きょくです。初はじめて聴きいた直後ちょくごに、この曲きょくの弾ひき語がたりのスコアをもらってすごい練習れんしゅうした記憶きおくがあります。この曲きょく、ギターで弾ひき語かたるとすごくいいんですよ。しっとりしていて。たぶん今いまは弾ひけませんけど（笑）。「カーテンコール」って「BELOVED」以前いぜんのGLAYさんにはなかったタイプのナチュラルな曲きょくだとも思おもうんです。ほかの曲きょくはいろんな音おとが入はいってる中なか、「カーテンコール」はピアノとTERUさんの歌うたがメインになっていて。20年ねん以上いじょう前まえの作品さくひんとなると、若わかい子こたちはこの曲きょくを知しらなかったりするんですよね。だから、Anthology盤ばんが出でるって聞きいたとき、うれしくなっちゃったんです。俺おれが好すきなアルバムを、若わかい人ひとが聴きくきっかけになるんだなって。

──1曲きょく1曲きょくに思おもい出でがあると思おもうんですけど、喜き矢武やたけさんが考かんがえるアルバム「BELOVED」の魅力みりょくってどんなところですか？

今いま聴きいてもただただカッコいい。昔むかしの曲きょくを聴きいても古臭ふるくさくないし、色いろあせていない。一方いっぽうで、聴きくたびに青春せいしゅんがよみがえるんです。さっきもお話はなししたみたいに、「GROOVY TOUR」のイントロを聴きいた瞬間しゅんかんに「キター！」ってなるみたいな。単純たんじゅんにファンなんで「カッコいい！」。僕ぼくにはそれしか言いえません！