「NAVIGATOR」と通つうずるもの

表題ひょうだい曲きょく「CREAK」（※全ぜん仕様しよう共通きょうつう）

［作詞さくし：Seiji Takagi / 作曲さっきょく：Kengo Kuwata、Seiji Takagi / 編曲へんきょく：Kengo Kuwata、Peach］

主題歌しゅだいか「CREAK」が流ながれる「ノッキンオン・ロックドドア」はミステリー作家さっか・青崎あおさき有ゆう吾われの同名どうめい小説しょうせつを堤つつみ幸彦さちひこ監督かんとくが実写じっしゃ化かした連続れんぞくドラマ。探偵たんてい事務所じむしょ「ノッキンオン・ロックドドア」の共同きょうどう経営けいえい者しゃである御殿場ごてんば倒たおせ理り（ごてんばとうり）と片かた無む氷雨ひさめ（かたなしひさめ）が衝突しょうとつしながらも知恵ちえを絞しぼり、奇妙きみょうな難事件なんじけんに挑いどむ。「CREAK」はそんな物語ものがたりとの強つよい結むすび付つきを印象いんしょう付つけるように、ドアをノックするSEでスタート。今いまにも事件じけんが起おこりそうなひんやりしたサウンドが、き手きてに緊張きんちょう感かんを与あたえる。シリアスさを増幅ぞうふくさせるストリングスや、打うち込こみによるヘビーなサウンド、ジェシー、京本きょうもと大我だいが、松村まつむら北斗ほくと、髙地優ゆう吾われ、森本もりもと慎太郎しんたろう、田中たなか樹いつきが性急せいきゅうなビートの上うえで日本語にほんごと英語えいごを自在じざいに操あやつりながら歌うたうさまは「NAVIGATOR」（2020年ねん7月がつ発売はつばいの2ndシングル曲きょく）を彷彿ほうふつとさせる。そう思おもうのも無理むりもなく、「CREAK」「NAVIGATOR」のいずれにもSeiji Takagiが作曲さっきょく者しゃとしてクレジットされているのだ。「CREAK」にはSeiji Takagiとともに、Kengo Kuwata、Peachが参加さんか。この3人にんはSnow Man「ナミダの海うみを越こえて行いけ」（2021年ねん1月がつ発売はつばい「Grandeur」初回しょかい盤ばんBおよび通常つうじょう盤ばんカップリング曲きょく）の制作せいさくにも携たずさわっている。

歌詞かしにつづられているのは、「ノッキンオン・ロックドドア」に登場とうじょうする倒たおせ理りと氷雨ひさめのように、正解せいかいと不ふ正解せいかい、光ひかりと闇やみの間あいだで揺ゆれながら真実しんじつを追おいかける“僕ぼくら”の姿すがた。かけがえのない仲間なかまの存在そんざいを強調きょうちょうするように、「正解せいかいは一人ひとりじゃ選えらべない」「真実しんじつを秘ひめた胸むねを互たがい叩はたき合あえ」「世界せかいは一人ひとりじゃ変かえれない」といったフレーズが並ならぶ。そんな歌詞かしからは、手てを取とって未来みらいへと突つき進すすむSixTONESの姿すがたも連想れんそうさせる。

振付ふりつけは「ABARERO」「こっから」に引ひき続つづきSAYA YAMAMARUが担当たんとう。どこを切きり取とってもその動うごきは緻密ちみつかつダイナミックで、高たかいダンススキルとスタミナを要ようするのは誰だれが見みても明あきらか。中なかでも「誰だれもが自分じぶんに騙だまされている」と歌うたうパートで京本きょうもとに銃じゅうで撃うたれた5人にんがスローモーションのように倒たおれる姿すがたには、思おもわず目めを奪うばわれてしまった。ストイックに歌うたい踊おどるメンバーに向むけてYAMAMARUは「1人ひとり1人にんがヒーロー（KING） 6人にん集あつまればアベンジャーズ」と賛辞さんじを送おくっている。MVではSixTONESの洗練せんれんされたパフォーマンスシーンを、ハイクオリティなCGとともに味あじわうことができる。

11thシングルのもう1つの目玉めだまは、初回しょかい盤ばんAとBに3曲きょくずつ収録しゅうろくされている、SixTONESのデビュー以来いらい初はつとなる各かくメンバーのソロ曲きょく。初回しょかい盤ばんAでは松村まつむらが「ガラス花はな」、髙地が「MUSIC IN ME」、ジェシーが「Never Ending Love」でさまざまな“愛あい”を表現ひょうげんしており、初回しょかい盤ばんBでは京本きょうもとが「We can't go back」、森本もりもとが「Love is...」、田中たなかが「Sorry」で“恋こい”を歌うたっている。6人にんの個性こせいが詰つまったソロ曲きょくを聴きき比くらべなら、愛あいと恋こいについて考かんがえてみよう。

少年しょうねん性せいを帯おびた無垢むくな歌声うたごえ

初回しょかい盤ばんAソロ曲きょく「ガラス花はな（Hokuto Matsumura）」

［作詞さくし・作曲さっきょく：アイナ・ジ・エンド / 編曲へんきょく：河野こうの圭けい］

BiSHの楽曲がっきょくを愛あい聴しており、6人にんの声こえが好すきだと言いう松村まつむら。岩井いわい俊二しゅんじ監督かんとくの映画えいが「キリエのうた」でアイナ・ジ・エンドと共演きょうえんする彼かれは、アイナにソロ曲きょくの制作せいさくを依頼いらいした。アイナはこれまでにBiSHの楽曲がっきょくや自身じしんのソロ曲きょくを多数たすう制作せいさくしてきたが、ほかのアーティストに楽曲がっきょく提供ていきょうするのは後輩こうはいグループ・KiSS KiSSに続つづいて2回かい目めだ。松村まつむらをイメージして書かき下おろしたというこの曲きょくは、温あたたかみのあるギターのアルペジオで始はじまるバラードソング。孤独こどくや不条理ふじょうりを描えがく繊細せんさいな詞し世界せかい、飾かざり気けがなく、少年しょうねん性せいを帯おびた松村まつむらのボーカルは聴きく者ものの心しんを静しずかに揺ゆさぶる。折おり重かさなるストリングスの音色ねいろや気泡きほうのように儚はかないアイナのコーラスも、楽曲がっきょくの切せつない世界せかい観かんをより際立きわだたせる。音おとが止やんだあとも、心地ここちよい余韻よいんがしばらく残のこる。

日本語にほんごラップで伝つたえる感謝かんしゃ

初回しょかい盤ばんAソロ曲きょく「MUSIC IN ME（Yugo Kochi）」

［作詞さくし・作曲さっきょく：Jamesy Minimal Fork、Soma Genda / 編曲へんきょく：Soma Genda］

GADOROが好すきで、日本語にほんごラップに挑戦ちょうせんしたいという髙地の思おもいをもとに制作せいさくされたこの曲きょく。髙地の人柄ひとがらを示しめすような快活かいかつなサウンドからはポジティブな波動はどうが感かんじられ、「夢ゆめ果はたすため来きたFrom港町みなとちょう」「必然ひつぜんと鳴なる6つのHARMONY 支ささえてくれるその声こえがCHORUSに 同おなじ夢ゆめ背負せおってくれてるMy buddies」というリリックからは彼かれのリアルな思おもいが伝つたわってくる。髙地が歌うたう最大さいだいの理由りゆうは、メンバーやファンに感謝かんしゃを届とどけるためなのかもしれない。この曲きょくを通つうじて新あらたな表現ひょうげんを獲得かくとくしたという彼かれの歌声うたごえにも注目ちゅうもくしたい。

敬愛けいあいする人ひとと描えがく壮大そうだいな愛あい

初回しょかい盤ばんAソロ曲きょく「Never Ending Love（Jesse）」

［作詞さくし・作曲さっきょく：堂本どうもと剛つよし / 編曲へんきょく：Gakushi］

堂本どうもと剛つよし（ソロ名義めいぎは.ENDRECHERI.）がファンクを突つき詰つめる姿勢しせいやそのルックスに憧あこがれ、ストレートに愛あいを伝つたえてきたジェシー。デビューできずに悩なやんでいたジャニーズJr.時代じだいには、剛ごうから「デビューできなくても好すきなようにすれば誰だれかしら見みてるし、自分じぶんのよさに気付きづく人ひともいるよ」と励はげましの言葉ことばをもらったという。そんなジェシーが敬愛けいあいしてやまない剛つよしによる書かき下おろし曲きょく「Never Ending Love」は、ジェシーのひょうきんなパブリックイメージを覆くつがえすようなナンバー。物悲ものがなしいピアノの旋律せんりつに繊細せんさいなボーカルやポエトリーリーディングが重かさなり、幻想げんそう的てきなムードを立たち上のぼらせる。美うつくしいビブラートは魂たましいの震ふるえを表あらわしているかのよう。心しんの解放かいほうを示しめすかのごとく熱ねつを帯おびていく歌声うたごえは胸むねに迫せまるものがある。ジェシーと剛つよしが描えがく壮大そうだいな愛あいの歌うた。

待望たいぼうの音源おんげん化か

初回しょかい盤ばんBソロ曲きょく「We can't go back（Taiga Kyomoto）」

［作詞さくし・作曲さっきょく：Taiga Kyomoto / 編曲へんきょく：Akiyuki Tateyama（HIGHKICK）］

Jr.時代じだいから楽曲がっきょくを作つくり続つづけてきた京本きょうもとは、自身じしんの主演しゅえんミュージカル「流星りゅうせいの音色ねいろ」で音楽おんがくも担当たんとうした。そんな京本きょうもとの自作じさく曲きょくが初はつの音源おんげん化か。当初とうしょ、本ほん作さくに収おさめられるソロ楽曲がっきょくはすべて提供ていきょう曲きょくで構成こうせいされる予定よていだったが、京本きょうもとの強つよい希望きぼうによって7年ねん前まえのロックバラード「We can't go back」が採用さいようされた。温あたたかみのあるギターストロークや流麗りゅうれいなストリングスが、京本きょうもとの清きよらかな歌声うたごえに彩いろどりをもたらす。歌うたわれているのは“君きみ”との戻もどれない関係かんけい。止とめどなくあふれる“君きみ”への思おもいが、「We can't go back」から「Can't we go back?」へと変化へんかするフレーズで色濃いろこく表現ひょうげんされている。

永遠えいえんのラブソング

初回しょかい盤ばんBソロ曲きょく「Love is...（Shintaro Morimoto）」

［作詞さくし：EIGO（ONEly Inc.）、Dai Hirai / 作曲さっきょく：Dai Hirai / 編曲へんきょく：Dai Hirai、Haruhito Nishi（ONEly Inc.）］

自身じしんのソロ曲きょくで、高校こうこう時代じだいから好すきな平井ひらい大まさると念願ねんがんの初はつタッグを組くんだのは森本もりもとだ。ギターとサーフィンが好すきな父ちちの影響えいきょうを受うけ、アーティストを志こころざした平井ひらい。海うみをこよなく愛あいする平井ひらいが提供ていきょうした「Love is...」は愛あいする人ひととの何気なにげない日常にちじょうの素晴すばらしさや、永遠えいえんの愛あいを歌うたった究極きゅうきょくのラブソングに仕上しあがっている。森本もりもとの優やさしく甘あまやかな歌声うたごえが、平井ひらいのギターやコーラスによって一層いっそう引ひき立たてられている。森本もりもとが語かたりかけるように歌うたう「ありがとう」「好すきだよ」「おやすみ」のフレーズには、自然しぜんと心しんが温あたたまる。

らしさにあふれたR&Bナンバー

初回しょかい盤ばんBソロ曲きょく「Sorry（Juri Tanaka）」

［作詞さくし：TSUGUMI / ラップ詞し：Juri Tanaka / 作曲さっきょく：Willie Weeks、Ninos Hanna / 編曲へんきょく：Willie Weeks］

もともとは6人にんで歌うたうカップリング曲きょくの候補こうほだったという「Sorry」が、田中たなか樹いつきたっての希望きぼうによりソロ曲きょくに選えらばれた。R&Bを基調きちょうとした重厚じゅうこうかつドープなトラックは、田中たなからしさにあふれている。歌詞かしで描えがかれているのは、心しんが離はなれていった女性じょせいへの未練みれん。ラップパートのリリックは田中たなか自みずからの書かき下おろしで、「俺おれ不足ふそくだろ? Shorty」というラインは田中たなか自身じしんのキャラクターを彷彿ほうふつとさせる。田中たなかの持もち味あじであるハスキーボイスはもちろん、芯しんの通とおった低音ていおん、ウィスパーボイスといった多彩たさいな声こえからは、表現ひょうげんに対たいする彼かれの強つよいこだわりが感かんじられる。

目もくと目めを合あわせる喜よろこび

通常つうじょう盤ばんカップリング曲きょく「Eye to Eye」

［作詞さくし：ONIGASHIMA / 作曲さっきょく・編曲へんきょく：Josef Melin］

SixTONESが出演しゅつえんするロろート製薬とせいやくの目薬めぐすりのCMソング。一聴いっちょうするだけで耳みみが喜よろこぶ、アップリフティングなナンバーだ。直接ちょくせつ視線しせんを交かわす喜よろこび──コロナ禍かを経験けいけんした人ひとであれば誰だれもが感かんじたであろう思おもいが、祝祭しゅくさい感かんあふれるホーンサウンドや、はつらつとしたボーカルに乗のせて放出ほうしゅつされている。今回こんかいのシングルの中なかでひときわ眩まばゆい光ひかりを放はなつ1曲きょくだ。制作せいさくは、SixTONESの「Drive」「Hello」、森本もりもと慎太郎しんたろうと田中たなか樹いつきのユニット曲きょく「OPA!」にも参加さんかしているONIGASHIMAとJosef Melinが担当たんとうした。

弄もてあそばれる男心おとこごころ

通常つうじょう盤ばんカップリング曲きょく「WHY NOT」

［作詞さくし・作曲さっきょく・編曲へんきょく：Takuya Harada］

ジャニーズJr.時代じだいの楽曲がっきょく「JAPONICA STYLE」を作曲さっきょくしたTakuya Haradaが手てがけた、SixTONESの真骨頂しんこっちょうとも言いえるエレクトロナンバー。スタイリッシュなサウンドの上うえで、謎なぞめく“君きみ”に翻弄ほんろうされながらも追おいかけ続つづける男心おとこごころが歌うたわれている。6人にんの魅惑みわく的てきなボーカルが、リスナーの心しんをストレートに撃うち抜ぬく。

リリースからわずか2カ月かげつ、DJ Mass MAD Izm*を中心ちゅうしんに再さい構築こうちく

通常つうじょう盤ばんカップリング曲きょく「こっから -Old School Breakin' Remix-」

［作詞さくし・作曲さっきょく：SAEKI youthK / 編曲へんきょく：DJ Mass MAD Izm*、REO］

「こっから」のリリースからわずか2カ月かげつで、リミックスバージョンが登場とうじょう。現在げんざいもヒット中ちゅうのヒップホップチューンを、原曲げんきょくのブレイクビーツの要素ようそをそのままに再さい構築こうちくした“Old School Breakin' Remix”が完成かんせいした。編曲へんきょくのDJ Mass MAD Izm*はAIや三浦みうら大知たいちなどさまざまなアーティストの楽曲がっきょく制作せいさくに携たずさわり、SixTONES作品さくひんのティザー映像えいぞうのミックスも担当たんとうしている。DJ Mass MAD Izm*の鮮あざやかなスクラッチ音おんを聴きけば、自然しぜんと気持きもちが高たかまる。

2015年ねんのグループ結成けっせい以降いこう、いくつもの扉とびらを開ひらいてきたSixTONES。彼かれらはYOSHIKI（X JAPAN、THE LAST ROCKSTARS）が提供ていきょうした「Imitation Rain」でデビューして以降いこう、5thシングルの表題ひょうだい曲きょく「マスカラ」を手てがけた常田つねだ大だい希まれ（King Gnu、millennium parade）、そして11thシングルのソロ曲きょくを書かき下おろしたアイナ・ジ・エンド、堂本どうもと剛つよし、平井ひらい大だいなど多おおくのアーティストとタッグを組くみ、たくましく成長せいちょうを遂とげている。これからSixTONESが開ひらく扉とびらの先さきにはどんな出会であいが待まっているのだろうか、今後こんごの活動かつどうに目めが離はなせない。