9月15日、タイのカオキアオ動物園で、生後2カ月のメスのコビトカバ、ムーデンが飼育員に水をかけられている。ムーデンは最近、インターネット上で旋風を巻き起こしている。(PHOTOGRAPH BY LILLIAN SUWANRUMPHA/AFP VIA GETTY IMAGES)
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タイの動物園で夏に生まれた「ムーデン」が、インターネット上で旋風を巻き起こしている。ムーデンは「弾むブタ」「豚肉団子」「叉焼」などの意味で、光沢のあるパープルピンク色のぽっちゃりしたコビトカバだ。
コビトカバ(Choeropsis liberiensis)はカバ科の現生種2種の一つだ。もう一方は、科の名前にもなっているおなじみのカバ(Hippopotamus amphibius)だ。
カバとコビトカバは形も色も似ているが、並べてみると、違いはすぐにわかる。
「主な違いは大きさです」とコビトカバを飼育している米ピッツバーグ動物園水族館の哺乳類学芸員助手カレン・バッコ氏は話す。「コビトカバの大きさは、カバの10分の1です」
コビトカバは最大で体重約270キロまで成長する。かなり重いと思うかもしれないが、近縁種のカバは4.5トンに達することもある。
科学者たちはこの2種の厳密な違いを調べており、進化上の興味深い事実もいくつか発見されている。
似ているところも、違うところも
おおむね草食であることを考えると、カバとコビトカバの大きさは、どちらもかなり印象的だ。バッコ氏によれば、野生のコビトカバは主に草や水草を食べる。しかし、ムーデンをはじめとする動物園のコビトカバは、主に野菜と栄養価の高い「草食動物用ビスケット」を食べている。
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