太陽系たいようけいは周囲しゅうい1000光年こうねんにほとんど「何なにもない泡あわ」の中心ちゅうしんにいる

太陽系たいようけいを包つつむ局所きょくしょ泡あわの歴史れきし

地球ちきゅうは現在げんざい、直径ちょっけい1000光年こうねんの幅はばを持もつ、宇宙うちゅう空間くうかんの空洞くうどうの中なかに位置いちしています。

宇宙うちゅうは真空しんくうという認識にんしきの人ひとも多おおいため、宇宙うちゅう空間くうかんの空洞くうどうって何なに？　と感かんじる人ひともいるかも知しれません。

しかし実際じっさいには、銀河ぎんが系けい内ないの宇宙うちゅう空間くうかんは完全かんぜんに何なにもない真空しんくうなわけでなく、地球ちきゅう大気たいきと比くらべればはるかに希薄きはくですが、水素すいそ原子げんしなどの星ほし間あいだ物質ぶっしつが漂ただよっています。

地球ちきゅうは現在げんざい、そんな星ほし間あいだ物質ぶっしつが非常ひじょうに希薄きはくな空洞くうどうの中なかにあるのです。

太陽系たいようけいの周囲しゅういの星ほし間あいだ物質ぶっしつの密度みつどを調しらべると、1立法りっぽうセンチメートルあたり0.05原子げんしだとされますが、銀河系ぎんがけいの平均へいきん密度みつどは1立法りっぽうセンチメートルあたり約やく0.5原子げんしであり、泡あわの外そとと比くらべた場合ばあい、密度みつどの差さは10倍ばい近ちかくあります。

では、なぜ太陽系たいようけいの周まわりは星ほし間あいだ物質ぶっしつがそんなに希薄きはくなのでしょうか？

ネイチャー誌しに発表はっぴょうされた今回こんかいの論文ろんぶんは、銀河系ぎんがけいの進化しんか史しを再さい構築こうちくし、1400万まん年ねん前まえに始はじまった一連いちれんの出来事できごとが、近傍きんぼうのすべての若わかい星ほしの形成けいせいに関与かんよする広大こうだいな泡あわを作つくり出だしたことを示しめしています。

可視かし化かされたデータモデルでは、局所きょくしょ泡あわ（ local bubble）と呼よばれるこの巨大きょだいな泡あわが、1400万まん年ねん前まえに約やく15個この星ほしがわずか数すう百ひゃく万まん年ねんの間あいだに連続れんぞくして超新星ちょうしんせい爆発ばくはつを起おこしたことで、星ほし間あいだ物質ぶっしつを押おし出だして形成けいせいされたことを説明せつめいしています。

大昔おおむかしとはいえ、1400万まん年ねん前まえは地球ちきゅうの歴史れきしから見みても比較的ひかくてき最近さいきんのことであるようにも感かんじます。

そんな激烈げきれつな現象げんしょうが起おきたとき、地球ちきゅうはなんの被害ひがいも受うけなかったのでしょうか？

実じつは、この局所きょくしょ泡あわに地球ちきゅうがやってきたのは500万まん年ねん前まえのことで、超新星ちょうしんせい爆発ばくはつで泡あわが形成けいせいされたとき、地球ちきゅうはこの領域りょういきからはるか離はなれた位置いちにいたのです。

そのため、この連続れんぞくした超新星ちょうしんせい爆発ばくはつの影響えいきょうも地球ちきゅうは受うけていませんでした。

そして、500万まん年ねん前まえに宇宙うちゅう空間くうかんにできたこの空洞くうどうの中なかに太陽系たいようけいが飛とび込こみ、現在げんざい1000光年こうねんの幅はばを持もつ泡あわのちょうど真まん中なか辺あたりに、太陽系たいようけいがあるというのです。

天文学てんもんがく者しゃたちはこれが非常ひじょうにラッキーなことだといいます。

それはどういうことなのでしょうか？