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レベル1だけどユニークスキルで最強です - 90.カウンター追跡
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レベル1だけどユニークスキルで最強さいきょうです 作者さくしゃ三木みきなずな

だいさんしょう

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90.カウンター追跡ついせき

 あさ、まだまだなれないアリスのいえめた。

 たしかにまずしいむらでアリスのいえ質素しっそなものだが、それ以上いじょうにエミリーハウスのあたたかさがこいしい。


からだがすっかり調教ちょうきょうされてるなあ」


 そんなことをつぶやきつつ、いえなかる。

 家具かぐもろくになくてしきりもない山小屋やまごやよういえなかでアリスとイヴとの雑魚寝ざこね

 アリスはホネホネとプルプルがあたまうえねこのようにっかってて、イヴはうす布団ふとんをガジガジかじっている。


「ダメだよこんこん……え? ほのおこおりもきかないの?」

「のーにんじん、のーふゅーちゃー」


 二人ふたりそろってなんか寝言ねごとっていた。

 なんかたのしそうなゆめてるなとおもいつつ、おれはして、さてダンジョンでちょっとかせいでくるか、とおもった。

 まずは装備そうび点検てんけん

 ちょう拳銃けんじゅう各種かくしゅ弾丸だんがん

 ポーチははつダンジョンのとき使つかわないが、もうドロップが砂金さきん金塊きんかいだって判明はんめいしてるからつけていく。

 それにスライムのなみだ

 ハグレモノからさいドロップしたのち追加ついか性能せいのうチェックしてなかったけど、あのしょう悪魔あくまどもは色々いろいろだましちしてくるから、ねんためにこれもつけておこう。

 そうして、点検てんけんいちとおりすませると。


 コンコン。


 ドアがノックされた。

 ちらっとアリスとイヴをる、二人ふたりはまだすやすやと寝息ねいきてている。

 仕方しかたないからおれがことにした。


「はーい、どちらさま? ――って」


 ドアをけると、そこにおんなさんにんっていた。

 いずれもむらおんなとしじゅうろくこうの世界せかいならJKくらいのとしだ。


「サ、サトウさまだ。ねえどうしよう、いきなりサトウさまてくるなんておもわなかったよ」

「いくしかないっしょ、ほらリース」

「わ、わたし無理むりだよ。二人ふたりからおねがい」


 おんなたちはおれのかおをみるなり、あわててゆずい……というかいをはじめた。

 一体いったいどうしたんだろう、っておもっているとなかおんなにん背中せなかされて、けっした様子ようすした。


「サトウさま!」

「お、おう?」

一昨日おとといはわたしたちたすけてくれてありがとうございました」

「ああ、ダンジョンにまれてたおんなか」

「はい! たすけてくれたときのサトウさま……すごく格好かっこうくて…大好だいすきです!」

「おおぅ?」


 自分じぶんでも間抜まぬけだなっておもこえくちかられた。

 大好だいすきって、あの大好だいすきのことか?

 そ、そんなことわれたことないからどうしたらいいのかあせってしまう。


 だけど、こげひまもなかった。


「あの! あたしもです!」

「わ、わたしも……」

「おうぇ!?」


 のこった二人ふたり自分じぶんたちもそうだと主張しゅちょうしてきた。

 最初さいしょに「大好だいすき」とってきたおんなとあわせて、さんにんがおれをまっすぐつめ、うったえかけてくる。


 つよ眼差まなざし、すなおな気持きもち。

 それはつたわったけど、おれはどうすればいいんだ?


「あ、ありがとう」


 しぼしたのが、そんなお間抜まぬけなせりふだった。


「きゃあああ」

「うれしい!」

「あぁ……ちくらみが……」


 お間抜まぬけな返事へんじもどうやらよろこんでもらえたみたいで。

 おれはまるで、きつねにつままれたよう気分きぶんになった。


     ☆


「あたりまえじゃん」


 したアリスといえてダンジョンにかう途中とちゅうはなしいたアリスがあっさりいいはなった。

 ちなみにイヴはいつのにかきていつのにか姿すがたしている。


「あたりまえ?」

わかくて格好かっこうくて、協会きょうかいちょうべばるほどの大物おおもの

「かっこいいのか? というかクリントはおれに依頼いらいしてきたし、そりゃ任務にんむ完了かんりょうのチェックにるさ」

「ピンチのとき颯爽さっそうたすけてくれたし。ポイントおおきいよそれ」

「そ、そうか」

「それにさ、ダンジョンでたたか冒険ぼうけんしゃってやっぱりあこがれなんだよ。あたしだってあこがれてシクロったじゃん」

「なるほど……」


 それはそうなのかもれない。

 あらゆるものがダンジョンからドロップする世界せかい。この世界せかい物流ぶつりゅうというか、おおげさにいうと命脈めいみゃくそのものが冒険ぼうけんしゃたちのにぎられているといっていい。

 ダンジョンでたたかえる冒険ぼうけんしゃたちをあこがれる気持きもちは理解りかいできる、とくにダンジョンのないむらならなおそうだろう。


今度こんど協会きょうかいちょうになるしさ、リョータはもうこのむらのスターなんだよ」

「スターってわれるとれるけど、はなしかった」


 納得なっとくしてアリスと一緒いっしょあるく。

 アリスのいえからダンジョンにかう途中とちゅう、よくれば村人むらびと遠巻とおまきにおれのことている。

 全員ぜんいん好意こういてき視線しせんで、何人なんにんかは今朝けさおんなたちとおな表情ひょうじょうだ。


 そんなふうられるとむずむずするから、おれはダンジョンのなかむことにした。

 早足はやあしでダンジョンのくちまでやってくる。


「よし、じゃあいこう。おれがさきにいって、一旦いったんくちまでもどってくるから」

「うん、まってる」


 うなずくアリスをいて、おれはさきにダンジョンにはいった。

 だれかがるたびに構造こうぞうわるこのダンジョンで一緒いっしょ攻略こうりゃくする方法ほうほうは、はいってから合流ごうりゅうするしかない。


 合流ごうりゅうのしかたはふたつあって、おれは一番いちばん確実かくじつ方法ほうほうをとることにした。

 すなわちおれがさきはいって、くちまで一旦いったんもどってから、からはいってくるアリスを出迎でむかえて一緒いっしょにどこかにばされる。


 アリスと一緒いっしょ攻略こうりゃくするのは、彼女かのじょ特殊とくしゅ能力のうりょく目当めあてだ。

 ダンジョンでまれた彼女かのじょはなんとなくでダンジョンの構造こうぞうとかモンスターのいる場所ばしょとかかる。

 はいるたびに構造こうぞうわるダンジョンで、したかいがあるかどうかをさぐるためにはアリスが必要ひつようだ。


 見知みしらぬダンジョンのなか、それっぽい方向ほうこうすすんでくちもどろうとする。

 実質じっしつはじめてのダンジョンでちょっとまよった。


 ガサッ。


 物陰ものかげから物音ものおとがした。

 村人むらびとだれかがダンジョンにもぐってるんだろうか、とおもっていると。


「――ッ!」


 いきなり何者なにものかがおそいかかってきた。

 くろかげ疾風しっぷうごとおそいかかってきて、鈍色にびいろひかり反射はんしゃしてえがいておそってきた。

 モンスターじゃない!


 鼻先はなさきをかすめたをとっさにつかんで、そのままボディブローをたたむ。

 人間にんげんだ、すくなくとも人間にんげんがたのなにかだ。


 相手あいてからだをくのげて、うごきがまった。

 とおもったらおれがつかんでるはなしてふところんでなにかをするそぶりをせたから、そのまま顔面がんめん強烈きょうれつなフックをたたんだ。


 くろかげかべんで、そのままくずちた。

 よくるとやっぱり人間にんげんだ、しかもそのち、


暗殺あんさつしゃ?」


 あたまなかおもわずその言葉ことばかびがった。

 おれがにぎってうばったのはするどのアイクチ、そして黒装束くろしょうぞくでいきなりおそいかかってきた。

 オーソドックスな暗殺あんさつしゃちだ。


 暗殺あんさつ? おれを?

 ……どうして?


 疑問ぎもん次々つぎつぎかびがって、これはつかまえてかせなきゃ、となったとき


 ダンジョンの構造こうぞうわった!


 暗殺あんさつしゃつかまえようとしたらダンジョンがいきなり構造こうぞうわって、相手あいてとはぐれてしまった。


「……このタイミング、偶然ぐうぜんじゃないな」


 なにをどうやったのかからないけど、直感ちょっかんてきにおれにつかまえられないようにされたのがかった。

 なにかを発信はっしんしたのか監視かんしされてたのかからないけど、おれがそいつをつかまえられるタイミングでダンジョンの構造こうぞうわったのは偶然ぐうぜんだとおもえない。


さがすか、いやくちってるアリスだ」


 ダンジョンの構造こうぞうわったのならだれかがはいってたのだ。

 となるとくちにいるアリスがあぶない。


 おれははしった、構造こうぞうからないダンジョンをはしった。

 しょう悪魔あくまどもとエンカウントするが無視むしする、攻撃こうげきされるがHPと体力たいりょくSでまるっと無視むしした。


 ふんくらいはしって、ダンジョンのくちえた。


「アリス!」

「リョータ!」

大丈夫だいじょうぶだったのか?」

「うん、あたしは。それよりもへんひとげてった」

げてった?」

「うん、だれかがあたしをばしてはいったんだけど、そのにんてきて、ばらばらにげてった」

がしたか」

「どういうこと?」

「おれをおそってきたんだ、いや暗殺あんさつか」

暗殺あんさつ!? あっでも、それっぽい格好かっこう……」


 おどろいたのち格好かっこうおもしたアリスは納得なっとくした。

 そう、格好かっこう納得なっとくするほど暗殺あんさつしゃてきかんじだ。

 問題もんだいなのはだれが? なにのためにそうしたのか。


 つかまえられなかったのがいたいな。


「ねえリョータ、からだがなんかひかってるよ?」

「え?」


 アリスに指摘してきされると、たしかにからだひかってるのがかった。

 正確せいかくえばふくしたあか点滅てんめつしている。

 どういうことなのかとそれをすと。


「スライムのなみだ……」

「それってダメージをカウンターするヤツだよね」

「ああ、ハイガッツスライムのドロップ、そのハグレモノでさいドロップさせたヤツだ……このひかり追加ついか効果こうかか?」


 スライムのなみだをじっとつめる、ひかりがどういう意味いみなのかと観察かんさつする。


「……アリス、げていったヤツはどっちにいった」

「えっと、あっちとあっち」


 アリスはせい反対はんたいとなるふたつの方角ほうがくをさした。

 スライムのなみだをもってまずは片方かたがたにむかっていく、点滅てんめつがちょっとだけおそくなった。

 今度こんどはもう片方かたがたかってく、点滅てんめつはやくなった。


「どういうこと

多分たぶん……カウンターした相手あいて追跡ついせきをしてるんだ」


 おれは、はや点滅てんめつしているほういかけることにした。


     ☆


「しくじったか」

もうわけありません!」

「ふん、ヤツめ、予想よそう以上いじょうつよかったということか。ただの新興しんこうファミリーだとおもっていたがそこそこに出来できようだな」

「どうする?」

かおはみられてないか? 追跡ついせきは?」

られてないしつけられてもいない」

「ならしばらくかくせ、つぎさくかんがえる」

「わかった――むっ」

「どうした――え?」


 もりなかはなしていた二人ふたりからだ異変いへんづいた。

 二人ふたりともからだひかるなにかにしばられていた。


「くっ……な、なんだこれは」

うごけん……どういうことだ」


 ひかりなわ必死ひっしこうとする二人ふたり、が、もがいてももがいてもびくりともしない。


「そういうことか」

「だれだ!」


 誰何すいかするおとこに、おれは(、、、)ゆっくりちかづいていった。

 じゅうをしまい、ゆっくりあるいてく。

 強化きょうかだんマシマシの拘束こうそくだんは、二人ふたりにはりほどけないだろうという確信かくしんがある。


「サトウ……リョータ」


 絶句ぜっくするおとこかお、サメチレンのダンジョン協会きょうかいちょうだった。

 そいつのよこ拘束こうそくされているのは、さっきおれをおそった黒装束くろしょうぞくおとこ


「つまり、おまえけたってことか」

「な、なんのことだ」

「すっとぼけるか。まあいい、そういうのはおれ苦手にがてだから。アリス」

「うん!」


 一緒いっしょについてきたアリスがよこならんできた。


むらもどってクリントをんでてくれ、かれほうがこういうの得意とくいだろう」

「わかった!」


 うなずくアリス、即座そくざひるがえしてはしした。

 のこされたおれ、そして拘束こうそくされている二人ふたり


 サメチレンの協会きょうかいちょうは、面白おもしろいくらいかおあおざめてくのだった。

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■2024ねん3がつしん連載れんさいはじめました

●タイトル
ていスペだとののしられて結婚けっこんあきらめたおっさん、じつはチートきゅう魔術まじゅつだった。まわりがづいていいよってくるけどもうおそい、もう愛娘まなむすめができたからよめしでも最高さいこう人生じんせい満喫まんきつします』


可愛かわいおさなむすめとSきゅう魔術まじゅつのスローライフものです。
面白おもしろけたとおもいますので是非ぜひこちらも一度いちどんでくれるとすごくうれしいです。
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