その日ひ私わたしとイリアは、ケインとリアナを伴ともなって、王立おうりつ図書館としょかんにいた。

「どうしました？

私わたしが興味きょうみを持もちそうなものって・・・」

すると、二人ふたりは何なん冊さつかの本ほんを持もってきた。

「「ライテス自伝じでん」、「ハルカ・オガタの遺伝子いでんし工学こうがく」、「ノワール女王じょおう自伝じでん」・・・

これらを調しらべていたら、共通きょうつう項こうが・・・」

「それが、「遺伝子いでんし工学こうがく」です。」

ケインとリアナが、言いう。

「確たしか・・・

「遺伝子いでんし」とは、森羅万象しんらばんしょうの生物せいぶつが持もついわば設計せっけい情報じょうほう・・・

ライテス卿きょうが、書かかれた「超ちょう魔王まおう戦記せんき」にも出でてくる・・・」

イリアが言いった、「超ちょう魔王まおう戦記せんき」は、毎年まいとし、暮くれのアニメの題材だいざいになっている。

私わたしは、転生てんせいしてからずっと、暮くれにはテレビで観みていた。

地球ちきゅうの日本にっぽんでいうところの、忠臣蔵ちゅうしんぐら的てきな扱あつかいである。

「確かくか、言いっていましたね・・・

ハルカ博士はかせが超ちょう魔王まおうになる前まえ・・・

科学かがく導師どうしであったころから実験じっけん動物どうぶつとして仕つかえていたネズミ・・・

実験じっけん用ようマウス一いち号ごうは、不老不死ふろうふしの身体しんたいを持もち、最期さいごは大だい魔王まおうになるも、「混沌こんとん《カオス》の悟さとりに目覚めざめたノワール二に世せいに倒たおされた・・・」

「そう・・・

しかし、イリア殿どのはどうして彼かれが、ノワール二に世せいに倒たおされるまで生いきていたか、ご存知ぞんじか？」

ケインが、意地いじ悪わるく質問しつもんした。

「う・・・うーん・・・」

現在げんざい、錬金術れんきんじゅつにおいても、「不老不死ふろうふしの薬くすり」はないのだ。

う・・・うーん・・・

もしかして・・・

「もしかして、「複製ふくせい技術ぎじゅつ《クローニング》」？」

「正解せいかいです。

しかし、ライテス卿きょうは「自分じぶんの知しる限かぎり、卵子らんし使用しようの複製ふくせい技術ぎじゅつ《クローニング》では、遺伝子いでんしは劣化れっかし、下手へたをすれば、本来ほんらいの寿命じゅみょうを百ひゃく年ねんとすれば五ご十じゅう年ねんに減へらしてしまう可能かのう性せいがある。」と記しるしている。」

ケインが、答こたえた。

「しかし姉あね様さま・・・

ノワール女王じょおうは、薬品やくひんをかけられたわけでもないのに、ドロドロに融とかされた人間にんげんを見みているわ。」

リアナの答こたえに私わたしは、少すこし考かんがえる。

「もしかして・・・

遺伝いでん情報じょうほうとは、人体じんたいを建物たてものに例たとえれば、「骨組ほねぐみ」の役割やくわりも兼かね備そなえているのでは？

それを何なにかの理由りゆうで、「抜ぬき取とられた」ら・・・

逆ぎゃくに、それを「完全かんぜん」に複製ふくせい情報じょうほうを保管ほかんし、「超ちょう万能ばんのう細胞さいぼう」に書かき込こめれば・・・」

「正解せいかいです。

更さらに、「記憶きおく情報じょうほう」も同おなじように保管ほかん・複製ふくせいする技術ぎじゅつも有ゆうしていたようで・・・」

ケインが、私わたしの言葉ことばを補足ほそくする。

「地球ちきゅうじゃ、そんなことできなかったわよ。」

できてたまるか・・・

そんな、SFのラスボスみたいな・・・

「でも、どうしてこんなことを？」

「確たしかに凄すごい技術ぎじゅつです。

復活ふっかつさせれば、多おおくの身体しんたいの不自由ふじゆうな人ひとを救すくうことができる。

その一方いっぽうでこの技術ぎじゅつで超ちょう魔王まおうはつくられ、実験じっけん用ようマウス一いち号ごうは、「不老不死ふろうふし」を得えていたのです。

「老衰ろうすい」で「劣化れっか」する古ふるい身体しんたいを捨すて、新あたらしい身体しんたいを作成さくせいして・・・」

「危険きけんだってことですね・・・」

私わたしの言葉ことばに、二人ふたりはうなづいた。

私わたしは、「できる」と考かんがえています。

ただ、「技術ぎじゅつ」がないだけです。