「お姫ひめが、学校がっこうってどうなのよ・・・」

私わたしは、ツッコんだ。

「ま、姫ひめ様さまの前世ぜんせいの地球ちきゅうの王族おうぞくがどうかはわかりませんにゃ。

けど、姫ひめ様さまは勉強べんきょうだけが目的もくてきで、学校がっこうに行いかれる訳わけじゃありませんにゃ。」

アリシアの長女ちょうじょナキが言いう。

義務ぎむ教育きょういくなんだよね・・・

「是非ぜひとも、王おう太子たいし補佐ほさ官かんをゲットしていただかなければなりませんにゃ。

誰だれをお選えらびになっても、いいですにゃ。

イケメン、ブサメン・・・

よりどりみどりですにゃ。」

「オイ！

あたしゃ、エラル家かの男おとこか？」

エラル家か・・・

宰相さいしょう一族いちぞくで、仕事しごとは真面目まじめだが、下半身かはんしんに信用しんようがない、一族いちぞくだ。

「無礼ぶれいを承知しょうちで、言いいますが・・・」

ニヤリと笑わらう。

コワイ！

リアル・チェシャ猫ねこだ！

「王族おうぞくでも、絶食ぜっしょく系けいが許ゆるされるのは、「王おう太子たいし」のライセンスがない方ほうだけですにゃ。」

「うげッ！」

そうなのだ・・・

「高貴こうきなお血筋ちすじゆえ、これだけは「自由じゆう」ではないのですにゃ。

他国たこくの王侯おうこう貴族きぞくや有力ゆうりょく貴族きぞくとの政略せいりゃく結婚けっこんでないだけマシですにゃ。」

ひどい・・・

王おう太子たいしは、結婚けっこんしなければいけないようだ・・・

「絶対ぜったい、「補佐ほさ官かん」ゲットしないとダメ？」

「ダメですにゃ。

百ひゃく歩ほ譲ゆずってあちしや、ご両親りょうしんがイエスと言いっても、評議ひょうぎ会かいが許ゆるしてくれないにゃ。

逆ぎゃくに・・・」

「逆ぎゃくに・・・？」

「どんな「ブサメン」でも、姫ひめ様さまと相思相愛そうしそうあい・ラブラブなら、すんなり通とおりますにゃ。」

「だから、どんな女王じょおう様さまにも「補佐ほさ官かん」がいるのね・・・」

「はいですにゃ。」

「た・・・種馬たねうまあ～・・・」

「はいにゃ。そう呼よばれた補佐ほさ官かんもおられましたにゃ。」

確かくか、画伯がはく女王じょおうと言いわれた女王じょおうの補佐ほさ官かんがそうだったようだ・・・

なんたること！

「ひどい・・・！」

ふつう、がんばって産うむほうが、こういう立場たちばに立たたされるのではなかろうか。

逆ぎゃくだ。

「はーい！授業じゅぎょうを始はじめます！」

教師きょうしは、メガネの女性じょせい。

エラル家かの出だしで、子供こどもが既すでに六ろく人にんもいる美人びじんさんである。

地球ちきゅうの猫ねこでいうと、アメリカン・ショートヘアといったところか。

隣となりの席せきに座すわった少年しょうねんがいた。

「イリア・マーティンです。」

白しろ猫ねこの少年しょうねんは、にっこりと笑わらった。

尻尾しっぽを立たてている。

人ひと猫ねこ《ワーキャット》の親愛しんあい表現ひょうげんである。

私わたしの心臓しんぞうが、どくんと鳴なった。

イケメン彼氏かれしキターッ！

キティルハルムには、「義務ぎむ教育きょういく制度せいど」があります。

六ろく～十じゅう五ご歳さいまで、一般いっぱん教養きょうようからかなり「濃こい」専門せんもん分野ぶんやまで学まなびます。