目めを左右さゆう別々べつべつに動うごかす

こんにちは。

どうやら、解剖かいぼう学的がくてきにはできないようです。
取とり敢あえず、フクロウにはそのようなことはできません。鳥類ちょうるいといいますのは我々われわれ哺乳ほにゅう動物どうぶつに比くらべて眼球がんきゅうの稼動かどう範囲はんいが狭せまく、フクロウに至いたっては両りょう眼めがほぼ固定こていされており、左右さゆう別々べつべつに動うごかすどころか、そもそも眼球がんきゅうを動うごかすことができません。このため、フクロウは首くびを動うごかすことによって視線しせんを変かえます。このような特殊とくしゅ技能ぎのうを持もっていますのは、動物界どうぶつかい広ひろしといえどもやはりカメレオンくらいではないでしょうか。

我々われわれの両りょう眼めが左右さゆう協調きょうちょうして動うごくのは、眼球がんきゅう運動うんどうを司つかさどる神経しんけい核かくと、眼球がんきゅうを動うごかすための動どう眼め運動うんどう筋すじの神経しんけい配線はいせんが、左右さゆうセットでそのように接続せつぞくされているからです。
我々われわれの眼球がんきゅう運動うんどうには、
「左右さゆう注視ちゅうし：よこ目め」
「上下じょうげ注視ちゅうし：うわ目め・した目め」
「輻輳ふくそう調節ちょうせつ：より目め」
といったパターンがありますが、これらは全すべて担当たんとうする神経しんけい核かくによって神経しんけい配線はいせんが決きまっており、基本きほん的てきには、それ以外いがいの眼球がんきゅう運動うんどうを行おこなうことはできません。
まず「上下じょうげ注視ちゅうし」を行おこなう場合ばあい、眼球がんきゅうを上下じょうげに引ひっ張ぱるための「上うえ直ただし筋すじ」及および「下しも直じき筋すじ」に対たいしては左右さゆうの別べつなく全まったく同おなじ信号しんごうが同時どうじに送おくられますので、これらを別々べつべつに動うごかすことは不可能ふかのうです。次つぎに、例たとえば「左ひだり方かた注視ちゅうし」を行おこなうときには、左右さゆうの動どう眼め筋すじに対たいしては全まったく逆さかさまの信号しんごうが送おくられます。

「左ひだり外側そとがわ直じき筋すじ：（＋）信号しんごう」「左内側ひだりうちがわ直じき筋すじ：（－）信号しんごう」
「右みぎ外側そとがわ直じき筋すじ：（－）信号しんごう」「右みぎ内側うちがわ直じき筋すじ：（＋）信号しんごう」

これは、「左右さゆう注視ちゅうし」を行おこなうための神経しんけい核かくのその先さきで（＋－）の配線はいせんが予あらかじめ左右さゆう逆さかさまに接続せつぞくされているからです。このため「左ひだりを見みろ！」という命令めいれいが下くだされますと、左目ひだりめが外側そとがわを向むき、右目みぎめが内側うちがわを向むきますので「左ひだり流ながし目め」ということになります。そして、このような配線はいせんによって行おこなわれる動どう眼め運動うんどうには「前庭ぜんてい動どう眼め反射はんしゃ」といったものがあり、これにより、我々われわれは顔かおの向むきを変かえながら視線しせんを元もとの位置いちに留とめておくことができます。

同様どうように「より目め」といいますのは「輻輳ふくそう反射はんしゃ」を司つかさどる動どう眼め神経しんけい核かくによって行おこなわれるものでありまして、両りょう眼めを内側うちがわに向むけて近ちかくのものに焦点しょうてんを合あわせるために、左右さゆうの「内側うちがわ直じき筋すじ」に対たいして同おなじ（＋）信号しんごうが送おくられる配線はいせんになっています。「外側そとがわ直じき筋すじ」には両方りょうほうとも（－）信号しんごうですね。
我々われわれが意識いしきして「よこ目め」を使つかったり「より目め」をしたりできるのは、大脳皮質だいのうひしつ「視覚しかく運動うんどう野の」からそれぞれの神経しんけい核かくに命令めいれいを送おくることができるからなのですが、その神経しんけい核かくの先さきの左右さゆうの配線はいせんを変かえることはできません。従したがいまして、幾いくら練習れんしゅうをしましても、配線はいせんのない目めの動うごきは解剖かいぼう学がく上じょうできないということになります。

さて、ＡＮｏ．なんばー３がご紹介しょうかいして下くださいました「目めのバトンタッチ」ですが、これは全すべて可能かのうです。
この中なかで、「片かたより目め（　●　）（●　　）」といいますのはやや特殊とくしゅなパターンのように思おもわれますが、これも「中心ちゅうしんから少すこしずれた近ちかくのもの」に焦点しょうてんを合あわせる場合ばあいには必要ひつようですから、恐おそらく「輻輳ふくそう反射はんしゃ」の神経しんけい核かくによって無意識むいしき的てきには頻繁ひんぱんに行おこなわれているはずです。ですが、これを意識いしきしてできるというのは、ちょっと凄すごいですね。私わたしは「目めのバトンタッチ」というのを初はじめて知しりましたが、感動かんどうしました！　
では、これと同様どうように、遠とおくのものを見みる場合ばあいには「輻輳ふくそう調節ちょうせつ」として「より目め」とは反対はんたいの「離はなれ目め（●　　）（　　●）」という状態じょうたいが作つくられるということにもなります。ですが、それがどんなに遠とおくても、我々われわれの視線しせんの焦点しょうてんが平行へいこう線せんよりも外側そとがわに結むすばれるということはまず絶対ぜったいにあり得えません。ＡＮｏ．なんばー３さんの才能さいのうを以ってしてもできないということでありますならば、やはりちょっと無理むりなのかも知しれませんね。そして、更さらに「右みぎうわ目め、左ひだりした目め」といった特殊とくしゅな組くみ合あわせには神経しんけい配線はいせんそのものを変更へんこうする必要ひつようがありますので、もしでこれがきたとしますならば、それはやはり超ちょう常つね現象げんしょうとして取とり扱あつかう必要ひつようがあるのではないかと思おもいます。

ANo.3です。

「目めのバトンタッチ」で検索けんさくしたら、この方ほうもできるようです。私わたしとは別人べつじんです。

http://www.jttk.zaq.ne.jp/te21/profile.html

より目めにしたまま、右目みぎめだけ左右さゆうに動うごかす。

または左目ひだりめだけ左右さゆうに動うごかす。

部分ぶぶん的てきに、できます。

私わたしは、より目めのように対称たいしょう的てきに動うごかせるだけでなく、非対称ひたいしょうに動うごかす場合ばあいの１ひとつを行おこなうことができます。ほんとうです。

こんな感かんじです。目めのバトンタッチと呼よんでいます。

(　　●)　(　　●)

(　　●)　(　●　)

(　　●)　(●　　)

(　●　)　(●　　)

(●　　)　(●　　)


これができるようになるまでの練習れんしゅう方法ほうほうは、目めの前まえで指ゆびなどを動うごかし、それを片方かたがたの目めで意識いしき的てきに見みるようにすることです。

なお、

(●　　)　(　　●)

は、できるかどうかわかりません。

左ひだりの目めは右みぎの方ほうを、

右みぎの目めは左ひだりの方ほうを向むかせる事ことは簡単かんたんですね。
いわゆるより目めというやつです。

その逆ぎゃくはすくなくとも私わたしにはできないです。

通常つうじょうはできません。

自由じゆうに左右さゆう別々べつべつにというわけではありませんが、両目りょうめの方向ほうこうがそろわない場合ばあいは斜視しゃしと言いわれる症状しょうじょうで、場合ばあいによっては治療ちりょうが必要ひつようになってきます。

参考さんこうURL：http://www.ocular.net/jiten/jiten014.htm