2023ねん上半期かみはんき(1がつ~6がつ)にプレジデントオンラインで配信はいしんした人気にんき記事きじから、いまなおしたい「編集へんしゅうセレクション」をおとどけします――。(はつ公開こうかい:2023ねん6がつ27にち

あるくとあぶないが、まれば怒鳴どなられる…

エスカレーターであるいたことはないというひとはどれだけいるだろうか。関東かんとうでは左側ひだりがわまり右側みぎがわ歩行ほこう関西かんさいではそのぎゃくというルールは「東西とうざい文化ぶんかちがい」の代表だいひょうれいとしてげられるように、エスカレーターでの歩行ほこう当然とうぜんされてきた。

モーニングラッシュアワー
写真しゃしん=iStock.com/ooyoo
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しかし歩行ほこうしゃにぶつけられた、邪魔じゃまだと怒鳴どなられたなど「まり」から歩行ほこう禁止きんしもとめるこえ根強ねづよく、近年きんねん障害しょうがいなどで左側ひだりがわすりにつかまることができないひとにとって危険きけんという指摘してきもあり、歩行ほこう論争ろんそう具体ぐたいてきみに発展はってんしている。

2021ねん3がつ全国ぜんこくはつの「エスカレーター歩行ほこう禁止きんし条例じょうれい」を制定せいていしたのが埼玉さいたまけんだ。これはエスカレーター利用りようしゃに「まった状態じょうたいでエスカレーターを利用りようしなければならない」、事業じぎょうしゃ管理かんりしゃ)に「利用りようしゃたいし、まった状態じょうたいでエスカレーターを利用りようすべきことを周知しゅうちしなければならない」との努力どりょく義務ぎむ内容ないようで、同年どうねん10がつ1にち施行しこうされた。

名古屋なごや今年ことし10がつから「名古屋なごやエスカレーターの安全あんぜん利用りよう促進そくしんかんする条例じょうれい」を施行しこうし、「まっての利用りよう」を義務ぎむ。エスカレーター歩行ほこうきんじるながれができつつある。

歩行ほこうはやめたほうがいい」とかんがえるひと年々ねんねん増加ぞうか

だが2022ねん10がつ3にちづけ読売新聞よみうりしんぶん電子でんしばん)は、エスカレーター条例じょうれい施行しこうから1ねん経過けいかした埼玉さいたまけんについて、条例じょうれい施行しこう直後ちょくごあるひと割合わりあい減少げんしょう傾向けいこうしめしたが、1ねん経過けいかするころにはもと水準すいじゅんもどったという筑波大学つくばだいがく徳田とくた克己かつみ教授きょうじゅ調査ちょうさつたえており、罰則ばっそく規定きていのない条例じょうれいでは実効じっこうせいけるとの指摘してきもある。

利用りようしゃはどうおもっているのだろうか。一般いっぱん社団しゃだん法人ほうじん日本にっぽんエレベーター協会きょうかい毎年まいとし11がつ10日とおかの「エレベーターの」にあわせて、エレベーターとエスカレーターの「安全あんぜん利用りようキャンペーン」を展開てんかいしており利用りようしゃアンケート実施じっししている。

このうち「エスカレーターを歩行ほこうしてしまうことがある」「ひとやかばんなどがぶつかり、危険きけんかんじたことがある」「エスカレーターの歩行ほこうは、やめたほうがいいとおもう」の3項目こうもくの2011ねんから2022ねんまでの推移すいいてみよう。

【図表1】エスカレーター利用者アンケート集計結果

興味深きょうみぶかいのはエスカレーター歩行ほこう経験けいけん禁止きんし意向いこうとも2018ねんごろからトレンドがわっており、とくに2020ねん以降いこうおおきく変化へんかしているてんだ。2018ねんごろから兆候ちょうこうがある以上いじょう、コロナによる外出がいしゅつ頻度ひんど生活せいかつ様式ようしき変化へんか要因よういんとはえず、歩行ほこう問題もんだいげられる頻度ひんどえたためとかんがえるのが自然しぜんだろう。