一いち冊さつの閉とじられた世界せかいから、WWWの繋つながりの世界せかいへ。電子でんし書籍しょせきは、紙かみの本ほんの代替だいたい品ひんではない、「あたらしい本ほん」になる

なぜ電子でんし書籍しょせきは愛あいされないのか？　——それは便利べんりな代替だいたい品ひんに過すぎないからだ。

WWW（World Wide Web）の出現しゅつげんで多おおくの情報じょうほうがリンクし合あうようになったなか、なぜ本ほんだけが姿すがたを変かえないのか。私わたしたちは、出版しゅっぱんについてある種しゅの特別とくべつな枠わくにはめて考かんがえてきたのかもしれない。出版しゅっぱんは、テキストを印刷いんさつした紙かみを束たばねて綴とじた「書籍しょせき」だと。それを便利べんりに読よむ方法ほうほうが「電子でんし書籍しょせき」だと——。

冊子さっしというパッケージの塀へいを越こえて、本ほんと本ほんとが情報じょうほうを通とおして結むすびつく。一いち冊さつの閉とじられた世界せかいから、WWWの繋つながりの世界せかいへ。電子でんし書籍しょせきは、紙かみの本ほんの代替だいたい品ひんではない、「あたらしい本ほん」になる。

電子でんし書籍しょせきの過去かこ・現在げんざい、そして出版しゅっぱんの未来みらいを示しめす、画期的かっきてき提言ていげん。全ぜん出版しゅっぱん人じん必読ひつどく。

【目次もくじ】

はじめに　どこまでも書かいていきたい

第だい１章しょう　電子でんし書籍しょせきとは何なにだったか？

みんなが知しる電子でんし書籍しょせき
愛あいされない“便利べんりな代替だいたい品ひん”
出版しゅっぱん市場いちばで“電子でんし書籍しょせき”は25％を占しめる
テキストを活いかして新あたらしい本ほんを作つくる
ＷＷＷが“ひっくり返かえした”もの
読者どくしゃが本ほんに深ふかく関かかわりをもつ時代じだいへ

第だい２章しょう　やるのか、やらないのか

ＳＮＳ＝「今いま」の世界せかい／本ほん＝「残のこる」世界せかい
“残のこる”は自分じぶんでやるしかない
これからの出版しゅっぱんは本ほんを作つくる“あなた”が担になう
やるのか、やらないのか

第だい３章しょう　捨すてるからこそＷｅｂうぇぶへ

Ｗｅｂうぇぶ出版しゅっぱん三さん原則げんそく
世界せかいの共通きょうつう性せいに準拠じゅんきょする
本ほんは“構造こうぞう”と“スタイル”でできている
パッケージの塀へいを越こえ、ＷＷＷの情報じょうほうと融合ゆうごうする
考かんがえ抜ぬかれた結論けつろんは“シンプルに作つくる”
画像がぞう表現ひょうげんは二にパターンだけ
見栄みばえを排はいし、Ｗｅｂうぇぶの世界せかいへ

第だい４章しょう　Ｗｅｂうぇぶの普遍ふへん性せいと出版しゅっぱん

読よむ。クリックする。聴きく。これぞＷｅｂうぇぶ出版しゅっぱん
エルヴィスを書かいて、その場ばでエルヴィスを聴きく
さまざまな画面がめんサイズに対応たいおうさせるには
出版しゅっぱんはデジタルメディアに“本ほん”を載のせた

第だい５章しょう　情報じょうほうのリンクこそ本ほんの役割やくわり

情報じょうほうへのアクセスは基本きほん的てき人権じんけんである
視覚しかく障さわがい者しゃとデジタルの“本ほん”
デジタルによる本ほんの生うまれ変かわり
ボーンデジタルに既得きとく権益けんえきはない
情報じょうほうのリンクこそ本ほんの役割やくわり

第だい６章しょう　作つくる・見みる・売うる・残のこる

作つくる　作家さっかが受うけ持もつ役割やくわりが増ふえていく
見みる　ブラウザこそＷｅｂうぇぶ出版しゅっぱんのリーダー
売うる　各かく書店しょてんの形式けいしきで納品のうひんする
残のこる　こうして、テキストは残のこった
Ｗｅｂうぇぶ出版しゅっぱんの制作せいさくフロー
出版しゅっぱんデータ制作せいさく工程こうていで“仕掛しかけ”を入いれる
何なにのために“残のこる”のか

第だい７章しょう　出版しゅっぱんはどう生いきるか

Ｗｅｂうぇぶに流通りゅうつうし、“新あたらしい本ほん”は生うまれる
モノづくりの実体験じつたいけんで得えたもの
最新さいしんデジタル技術でじたるぎじゅつで蘇よみがえったフィルム映像えいぞう
残のこされたデータに挑いどむ「新あたらしい出版しゅっぱん行為こうい」
来きたるべき次世代じせだい出版しゅっぱんの基本形きほんけい
好このむと好このまざるとＷｅｂうぇぶが土俵どひょう

あとがき　いつまでもチルドレン