シドShinji、ELT伊藤いとう一朗いちろう、UVERworld克哉かつや & あきら……じつ凄腕すごうでなギタリストたち6せん

 90年代ねんだいヒットチャートを席巻せっけんした音楽おんがくプロデューサーのひとり、小林こばやし武史たけしがけたMY LITTLE LOVERのギタリストだった藤井ふじい謙二けんじが、The Birthdayのメンバーとして、THEE MICHELLE GUN ELEPHANTのヴォーカリストだったチバユウスケのよこでギターをくことになるとは、あの当時とうじだれ予測よそくしていたであろうか。

 MY LITTLE LOVERとTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTは、当時とうじはまったくちが場所ばしょたかのようにえたし、実際じっさいのところ、そのファンそうことなっていたともおもう。

 れればれるほど、流行りゅうこうという言葉ことばにより、その本質ほんしつにある音楽おんがくせいうずもれてえづらくなってしまうことはいなめない。それが偏見へんけん先入観せんにゅうかんたれやすいジャンルであればなおさらだ。

 しかし、そういった先入観せんにゅうかんなどをばらって、音楽おんがくそのものにみみかたむけてみれば、あらたな発見はっけんもあるはずである。そこで今回こんかいは、あえて音楽おんがくジャンルを固定こていせずに、その音楽おんがくせいやプレイにあらためて注目ちゅうもくしたいギタリストたちをあつめてみた。

個性こせいひか腕利うでききギタリスト3せん

シド:ヴィジュアルけいの“いぶしぎん”ギタリスト、Shinji

シド (SID) 「なつこい

 テクニックでせるタイプというよりも、楽曲がっきょく世界せかいかん表現ひょうげんするタイプ。個人こじんプレイにははしらず、きょく関係かんけいのないギターはかない、うた邪魔じゃまするギターはかない。それでいてくろっぽさをかんじるハネの心地ここちよいカッティングと、あくまで楽曲がっきょく延長線えんちょうせんじょうにあり、うたりそうようなみみのこるギターソロは、わかひとよりもおじさん世代せだいのほうがおもわずニンマリとしてしまうしぶさなのかもしれない。

 パワーコードやサウンドのあつみにたよりがちなバンドがおおなかゆがみやエフェクトを多用たようせずに基本きほんクリーン~クランチでめるアプローチは、まさに玄人くろうとこのみのプレイ。ふところひろさをかんじる実力じつりょくギタリストとえるだろう。

Every Little Thing:ひとさそうなもとジャパメタギタリスト、伊藤いとう一朗いちろう

Every Little Thing / Every Little Thing Concert Tour 2013 -ON AND ON-

 人柄ひとがらさそうなルックスとは裏腹うらはらに、つのはだまるハードロックギタリストのあかし「キラーギターズ」。しかも数少かずすくないオリジナルのシグネイチャーモデルを使用しようしている一人ひとりでもある。

 ELTのライブが“アツイ”とわれる所以ゆえんひとつに、音源おんげんとは一味いちみちがったギタープレイがある。ピッキングハーモニクスをたくみにれた豪快ごうかいなバッキングや、アドリブとアーミングをまじ流暢りゅうちょうかれるギターソロは、まさにまぎれもなくハードロックギタリスト。

 アルバムに伊藤いとうインストきょく収録しゅうろくされることは定番ていばんになっており、ハードロックからジャジーなアコースティックまで多彩たさいなギタープレイと音楽おんがくせい垣間かいまみることが出来できる。

 横須賀よこすか出身しゅっしん伊藤いとうは、じつはX JAPANのHIDEが結成けっせいしたことでられるSAVER TIGER(横須賀よこすかサーベルタイガー)の弟分おとうとぶんバンド、The ACE(エース)のリードギタリストだった。メンバーには後年こうねん凄腕すごうでベーシストとしてせる、DIE IN CRIES~BUGのTAKASHIがた。そんな実力じつりょくバンドに在籍ざいせきしていた経歴けいれきかんがえれば、このプレイの幅広はばひろさにも納得なっとくできるものがある。

UVERworld:バンドアンサンブルのたのしさをつたえる、克哉かつや & あきら

UVERworld 『UVERworld Live at Avaco Studio 2』

 高校生こうこうせい中心ちゅうしんわか世代せだいでは絶大ぜつだい人気にんきほこっているバンドではあるが、ある程度ていど年齢ねんれいからうえ世代せだいでじっくりといたことあるひと意外いがいすくないのではないだろうか。

 疾走しっそうかんとヘヴィさをかんじさせるハードロックをベースとした音楽おんがくでありながら、ギターソロのある楽曲がっきょくほとんどない。けっしてけないわけではない、楽曲がっきょくがソロを必要ひつようとしないからかないのだ。

 複雑ふくざつなリズムや綿密めんみつ構築こうちくされたリフのかた、メリハリのあるグルーヴ、抑揚よくようかた面白おもしろく、バンドアンサンブルとしてのギターの役割やくわりさい認識にんしき出来でき演奏えんそうといえよう。

 ロックギターの醍醐味だいごみはソロではなくバッキングだとはよくったものだが、ロックギターをくというたのしさをあらためておしえてくれるかもしれない。

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