渡辺麻友とWセンターを務めた「希望的リフレイン」(2014年)、前田敦子、大島優子ら卒業メンバーも参加した「君はメロディー」(2016年)で初の単独センター、松井珠理奈と「願い事の持ち腐れ」(2017年)でWセンターを務めるなど、AKB48楽曲でも数多くのセンターを務めてきた宮脇。対して、HKT48としてセンターを務めたシングル表題曲は兒玉遥とのダブルセンター「12秒」(2015年)のみ。単独センターの経験は一度もなかった。そんな宮脇がAKB48のセンターとして参加したIZ*ONE専任前ラストシングル曲が「NO WAY MAN」(2018年)。当時、史上最高難度の振付と謳われた激しいダンスは、『PRODUCE 48』に感化されての作品。AKB48全体のレベルを底上げしたのは間違いない(が、改めてMVを観てみるとIZ*ONEとのダンスレベルは雲泥の差であることは一目瞭然だ)。
【MV full】NO WAY MAN / AKB48 54th Single[公式]
同年、10月にIZ*ONEとしてミニアルバム『COLOR*IZ』でデビュー。コロナ禍に突入する2019年までは日韓を行き来し、コンサートに音楽番組への出演とカムバックの度にWIZ*ONE(ファンの呼称)を増やしていった。活動の集大成とも称される「Panorama」のヒットや『BLOOM*IZ』『Oneiric Diary』といったフィジカル盤の記録的売り上げは、IZ*ONE自体の成功とも捉えられるが、宮脇自身がラジオ『今夜、咲良の木の下で』(bayfm)内で認めているように、2年半の期間のうち1年半ほどは活動がままならない状態だった。それでも着実にき上げていったのは、フォーメーションダンスによるパフォーマンスとWIZ*ONEとの絆。特にダンスブレイクの一人に選ばれた「幻想童話(Secret Story of the Swan)」は、宮脇のこれまでの努力が結実した楽曲。次作「Panorama」でピンクヘアにしたのはその自信の表れとも言えるだろう。