asmi、人生じんせいはつ失恋しつれんからはじまった物語ものがたり アルバム『リボン』と“かわいい”をつらぬ理由りゆうかたくす

asmi、初めてのアルバムを語り尽くす

 TikTok35おくかい再生さいせい記録きろくしたヒットソング「PAKU」、TVアニメ『ポケットモンスター』(テレビ東京てれびとうきょうけい主題歌しゅだいか「ドキメキダイアリー」、ドラマ『マイ・セカンド・アオハル』(TBS)挿入歌そうにゅうかひらきあお」などをうたうシンガーソングライター・asmiが、ついに1stメジャーアルバム『リボン』を完成かんせいさせた。その内容ないようは、これまでリリースした楽曲がっきょくをコンパイルするだけでなく、13きょくちゅう9きょく新曲しんきょくという充実じゅうじつっぷり。asmiはほんさくきょくじゅんをとてもっているというが、インタビューでげていくと、アルバムのながれはasmi自身じしん音楽おんがく活動かつどうはじめてから今日きょういたるまでの5年間ねんかん人生じんせい物語ものがたりそのものをあらわしていることがえた。『リボン』とこのインタビューから、「みとめられたい」という切実せつじつおもいからはじまったasmiのストーリーをおとどけする。(矢島やじま由佳子ゆかこ

人生じんせいはつ失恋しつれんからはじまったasmi「あの失恋しつれんがなかったらきょくいてないかも」

asmi(撮影=はぎひさこ)

――メジャー1stアルバム『リボン』が完成かんせいして、それがリスナーにもとどいて、いまどんな気持きもちがさきかんできますか?

asmi:なんねんもあたためて「はやいてほしいな」とおもっていたきょくはいっているので、これを全部ぜんぶせたいまは「スッキリした」というのがいちばんです。自分じぶんのなかでは傑作けっさくができたとおもっていても、いてくれたひと反応はんのうかんじないと自信じしんがなくなってくるタームもあったりするので、やっといてもらえて、いっぱい感想かんそうをもらえて、いまきしています。現時点げんじてんでの最高さいこう傑作けっさくは『リボン』です。

――みんなからポジティブな反応はんのうられて、いま自信満々じしんまんまんに「最高さいこう傑作けっさく」とえる、と。メジャー1stアルバムが13きょくちゅう9きょく新曲しんきょくであることにまずおどろいたんですけど、そこにはasmiさんのどういったおもいがありましたか。

asmi:“ワクワク”をさい優先ゆうせんしたというかんじです。わたしは、ひとをびっくりさせることとか、いたずらがきで。いままでしたきょく自信満々じしんまんまんのものばかりなんですけど、ワクワクしてもらいたいし、自分じぶんもワクワクしたいし、新曲しんきょくをいっぱいいてもらえるのは自信じしんにもなるので、こういったかたちにしました。

――その結果けっか、『リボン』は“シンガーソングライター・asmi”としていまやりたいことが鮮度せんどたかまったアルバムになっているとおもいました。5年間ねんかん音楽おんがく活動かつどうて、こんasmiさんはどんな音楽おんがく表現ひょうげんをやりたいとおもっているのか、言葉ことばにするといかがですか。

asmi:最近さいきんはいろいろなかたち活動かつどうされているほうがいますけど、わたし自分じぶんきょくいてそれをうたうこともあるし、シンガーとしてのいちめんもあるので、こうやってあたらしいかたち表現ひょうげんできていることがすごくうれしいです。そのなかでも、「かわいい」ということはやっぱりなにより大事だいじにしていて。それはただたんに「かたち綺麗きれい」とか「べっぴんさん」という意味いみではなくて。いろんな意味いみで「かわいい」ってあるとおもうんです。愛嬌あいきょうだったり、ウキウキする感情かんじょうだったり。「かわいい」は、だれかにわれていちばんうれしい言葉ことばかもしれないです。そのつぎは「面白おもしろい」(笑)。

――asmiさんにとっての「かわいい」は、ただのことをしたり、「おんならしい」ということではなく、いろんな側面そくめん内包ないほうするおおきな肯定こうてい言葉ことばとしてとらえている、ということですよね。

asmi:たしかに。ダメなところにも「かわいい」って使つかいますもんね。ちょっとアカンところもみとめてあげられる言葉ことばが「かわいい」だなっておもいます。

――1きょくかなわない」について、「asmiのはじまり、5ねんまえ人生じんせいはじめての失恋しつれんをした」とX(きゅうTwitter)にポスト(※1)されていましたが、このきょくはどういうきょくで、なぜメジャー1stアルバムの1きょくいたのかをかせてもらえますか。

asmi:このきょくは、5ねんまえにasmiがはじまるきっかけとなった失恋しつれんをしてから2、3ねんくらいってからいたんです。べつきずっているわけでもないし、まだきとかでもまったくないけど、あのとき気持きもちをおもしてすっごくむねいた瞬間しゅんかんがいつまでもあって。それをうたにしようとおもいました。「このきょくぶたをしよう」「あの失恋しつれんについてくのはこのきょく最後さいごにしよう」とおもってきましたね。でも、これがasmiのはじまったきっかけの物語ものがたりなので、このきょくからアルバムがはじまったら意味いみがあるかなとおもって1きょくにしました。

――失恋しつれんした気持きもちをきょくにしたところからasmiははじまった?

asmi:ちょうど5ねんまえ高校こうこう卒業そつぎょうして専門せんもん学校がっこうはいってから3カ月かげつくらいったひとられて。人生じんせいはじめてられて、もう電車でんしゃるだけでなみだてくるし、なにかんがえてもいちゃうようになって。「失恋しつれんってこんなにツラいんや」ってったときに、せんもん先生せんせいからも「asmiのその気持きもちがいまいちばんしゅになるよ」とおしえてくれて、この気持きもちをきょくにしていけばいいんだとおもってきょくはじめました。その失恋しつれんがなかったら、もしかしたらきょくいてないかもしれないし、音楽おんがくあきらめていたかもしれないので、こんなことにはなってないですね。

asmi(撮影=はぎひさこ)

――そのとき恋愛れんあいにおける感情かんじょうさぶりを音楽おんがくにするたのしさややりがいをかんじて、それがいまもasmiさんがラブソングを動機どうきとしてつづいているという感覚かんかくですか?

asmi:うん、そうですね。そのころいたきょく音源おんげんになってないものもあるんですけど、「osanpo」をはじめてせんもんひとたちのまえ披露ひろうしたときに「これいいやん!」ってってもらって、そこでみとめられたかんじがして。asmiがはじまってからのすう年間ねんかんは、だれかにみとめられることを目標もくひょうにしていたというか、それをいちばん大事だいじにやっていたんです。4つうえのおねえちゃんがすごくうた上手うまくて、お正月しょうがつあつまりとかで親戚しんせきまえうたってめられてるのをて、「わたしめられたい」という気持きもちがずっと根底こんていにあって。「osanpo」をみんなにめてもらったことをきっかけに、「わたしはこの感情かんじょうがすごくしあわせだ」「きてる心地ここちがするぞ」とおもって、asmiがはじまってからもずっとそれをさい優先ゆうせんにしていたんですよね。でも、応援おうえんしてくれるひとてきて、だんだん目的もくてきわっていきました。

――前回ぜんかいのインタビュー(※2)でも「応援おうえんしてくれるひとたちの存在そんざい直接ちょくせつかんじて、もうちょっとちからになりたい、もうちょっとつよ存在そんざいになりたいとおもった」というおもいをかたってくれましたよね。「みとめられたい」というおもいから、どういうふうにわっていったのでしょう。

asmi:「みとめられなくてもいいかもっておもえたんやな」とおもったんですけど、いまこのはなしをしていて、それはみとめてくれるひとがいるからやなともおもいました。こうやってみとめてくれて、わたし自信じしんあたえてくれたひとたちを、もっともっとおおきいところへれていって恩返おんがえしをしたいというのがいまのいちばんの目標もくひょうですね。

――それは「あのね、」などにつながってくるはなしだともおもうんですけど、いまはなしでもうひとつだけ質問しつもんさせてもらうと、なぜ「osanpo」がみんなにめてもらえるきょくになりたのだとおもいますか? きっと、その手応てごたえがasmiさんがきょくつくるうえでずっと大事だいじにしていることのひとつになっているのだろうなとおもって。

asmi:たしかに。そのままやったからかなあ。あまりかざらない自分じぶんでいたいということはつねおもっていて。歌詞かしくうえで、たとえば言葉ことば発音はつおんをそのままメロディにできたらなとか、はな言葉ことばみたいにしたいなとおもっていて、それは「osanpo」をいたときからやっていたことで、ずっとわってない部分ぶぶんかもしれないです。それ、いまづきました。ありがとうございます(笑)。

――(笑)。「My Life」はいつごろいたものですか? これはまさにasmiさん自身じしん人生じんせい性格せいかくまるごとそのままきょくになっているようなきょくで。

asmi:いま大阪おおさか東京とうきょうの2拠点きょてん生活せいかつをしてるんですけど、東京とうきょうにも拠点きょてんつくることをかんがはじめたタイミングできました。世界せかいひろがったタイミングで。わたし、ビビりな部分ぶぶんもあるんです。ただ、行動こうどうりょく半端はんぱないところはわたし長所ちょうしょだとおもっているので、そういうわたしらしさをうたって、みんなにとってもパワーになるきょくけたらなとおもっていたきょくです。

――asmiさんは、どういうことにたいしてビビる気持きもちがるんですか。

asmi:自分じぶんのことを「メンタルよわい」っておもつづけちゃってるのかなあ。だから、あたらしい環境かんきょう自分じぶんんだとしてもつぶれちゃったらダメやなあって、想像そうぞうしちゃうところがあるんですよね。そこがビビりやなっておもいます。でも、そうとめたらすぐに行動こうどうするところがわたしのよさですね。このきょくは、わたし自身じしんひかりになれているかんじがして心地好ここちよいです(笑)。

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