Journal

チェーンのようにつながった独特どくとくなデザインに思おもわず目めがひきつけられる。ゴールドやプラチナ、ダイヤモンドなどを使用しようした上質じょうしつでラグジュアリーなジュエリーだが、どこか遊あそび心ごころが漂ただよう……。ロサンゼルス発はつのファインジュエリーブランド、「HOORSENBUHS」（ホーセンブース）です。2005年ねんにスタートして以来いらい、ミュージシャン、アーティスト、デザイナーなど多おおくのクリエイターたちからも支持しじされているアメリカでも指折ゆびおりの人気にんきジュエリーです。カジュアルでもフォーマルでもシームレスに楽たのしめるアメリカ西海岸にしかいがんらしい自由じゆうさが、人々ひとびとを魅了みりょうする理由りゆうの一ひとつでしょう。

ロンハーマン神戸こうべ店てんでのトランクショーのために来日らいにちした「HOORSENBUHS」（ホーセンブース）ブランドディレクターのケシャー・パーカーさん。ロンハーマン・ウィメンズバイヤーの篠崎しのざき茜あかね(しのざきあかね)が出迎でむかえた

創業そうぎょう者しゃのロバート・キースさんは、ハリウッドで写真しゃしん家かや俳優はいゆうとして活躍かつやくしていました。しかし、自分じぶんが求もとめるものがその世界せかいに見みつからずに、他たの道みちへ進すすむことを決意けつい。そのころに、まったく知識ちしきがないにもかかわらず、何なんの気きなしに一ひとつのリングをつくりました。ゴールドをチェーンのように結むすびつけたデザイン。そのアイデアは16世紀せいき、ロバートさんの祖先そせんがキャプテンをしていたオランダ商船しょうせんの鎖くさりから思おもいつきました。そして、運命うんめいの日ひが。ある日ひコーヒーショップで女性じょせいから声こえをかけられたのです。「すごく素敵すてきね！」。ロバートさんがつけていたリングを目めにした女性じょせいが、同おなじデザインのリングをオーダーしたのです。それが、すべての始はじまりでした。

愛用あいようのリングとブレスレット、右手みぎてにはトランクショーのジュエリーを。「ゴールドは僕ぼくにとって“人間にんげん”を感かんじる特別とくべつな素材そざい。ゴールドは何なん千せん年ねんも昔むかしから人々ひとびとに愛あいされているから、人々ひとびとのエネルギーを感かんじる」とケシャーさん

そのようなエピソードから、ブランド名めいには祖先そせんが乗船じょうせんしていた船ふねの名前なまえ「HOORSENBUHS」を。そして、「TRI-LINK」（トライリンク）——チェーンのように結むすびつけたデザインが、ブランドのシグネチャーデザインとなったのです。「HOORSENBUHS」に欠かかせないのが、ブランドディレクターのケシャー・パーカーさん。二人ふたりともカリフォルニア出身しゅっしんで、サーフィンやバイクはライフスタイルの一部いちぶ。サンタモニカの「HOORSENBUHS」のアトリエには、カスタムバイクがスタンドをおろしサーフボードが転ころがり、西海岸にしかいがんらしいストリートカルチャーのエッセンスに満みちています。そのような空気くうきが、ファインジュエリーとしての「HOORSENBUHS」にエッジを与あたえているのでしょう。とはいえ、ものづくりの姿勢しせいはブレることはないと、ケシャーさんは語かたります。


右みぎ：ウィメンズの別注べっちゅうネックレス。クラシックなオープンリンクチェーンを長ながさを変かえてオーダー。長ながさが異ことなるだけでまったく違ちがう表情ひょうじょうが生うまれる。マイクロという最小さいしょうのチェーンを採用さいようすることで繊細せんさいでエレガントに　左ひだり：「HOORSENBUHS」の原点げんてんともいうべきゴールドのトライリンクリング（中央ちゅうおう）

「『HOORSENBUHS』のコンセプトは、オリジナルメイカーズマーク（製造せいぞう者しゃの印しるし）、つまりトライリンクという受うけ継つがれた遺産いさんにあるんだ。ロバートがデザインするアイテムのすべてはその遺産いさん、受うけ継つがれたDNAからの発想はっそうから生うまれているのさ。だから、僕ぼくたちは流行りゅうこうに左右さゆうされることはなく、一貫いっかんしてコンセプトを守まもり抜ぬいていく。リンクはとても強つよいつながりとともに、技術ぎじゅつ的てきにもデザイン的てきにも“強つよさ”を表あらわしている。だから『HOORSENBUHS』を身みにつけていれば、どこへ行いってもそのDNAを感かんじられるはずさ」

メンズの別注べっちゅうはブレスレット、リング、ネックレスの3アイテム。どれもSilver.925を使用しようし武ぶ骨こつでソリッドに。「デザインをトーンダウンして、芸術げいじゅつ的てきでミニマムに仕上しあがっている。とても感動かんどう的てきなアイテムだよ」

ブランドディレクターの仕事しごとの一ひとつは、世界せかいへと「HOORSENBUHS」の魅力みりょくを広ひろげていくこと。現在げんざい、海外かいがいの多おおくのショップで受うけ入いれられているのは光栄こうえいだとケシャーさん。ロンハーマンでも、多おおくのお客様きゃくさまが「HOORSENBUHS」を愛あいしています。今こんシーズンはウィメンズ、メンズともに別注べっちゅうをオーダーして、大おおきな人気にんきを呼よんでいます。さらに、好評こうひょうなのはストアで開催かいさいするトランクショー。「ロンハーマンと『HOORSENBUHS』は最高さいこうのマリアージュだと思おもうよ。だって、僕ぼくたちはカリフォルニ出身しゅっしんでロンハーマンはいつも身近みぢかな存在そんざいだったから。ハイブランドのショップに行いくと、まるでロボットが話はなしているような決きまりきった出迎でむかえ方かたをするけど、気きさくにお客様きゃくさまをお迎むかえしたい。友達ともだちを迎むかえ入いれるような感かんじでね。どんなに高価こうかなジュエリーでも、身構みがまえずに手てに取とって気分きぶんよく見みてもらう。そんな新鮮しんせんな経験けいけんをしてもらいたいんだ」。

ジェンダーレスで楽たのしめるのも「HOORSENBUHS」の魅力みりょく。レイアーをして、さまざまなスタイリングに合あわせることができる自由じゆうさも人気にんきの理由りゆうの一ひとつ

現在げんざい、「HOORSENBUHS」はブランドの成長せいちょうにともない、アイウエアやアパレルなども手てがけています。ですが、「ジュエリー」が礎いしずえであることは揺ゆるがないと、ケシャーさんは力強ちからづよく語かたります。「世代せだいを受うけ次つぐクラシックなジュエリーをつくり続つづける。100年ねん先さきも受うけ継つがれていき、誰だれかが海うみの底そこで僕ぼくたちのジュエリーを見みつけてくれたら、とてもクール！ タイムレスでクラシック、エレガントだけど奇きをてらっていない。そんなジュエリーを目指めざしているんだ。年齢ねんれいや性別せいべつに関係かんけいなくすべての人ひとに身みにつけてもらいたい。僕ぼくたちにとって、ジュエリーこそすべてなのさ」。上質じょうしつでラグジュアリーながら、遊あそび心ごころを忘わすれない。そして、流行りゅうこうに左右さゆうされないアイテムをお客様きゃくさまへ提案ていあんする。そのコンセプトは、私わたしたちのフィロソフィーとも重かさなります。きっと「HOORSENBUHS」は、この先さきも世界せかいのジュエリーの海うみをどこまでも航海こうかいしていくことでしょう。

「『HOORSENBUHS』のジュエリーは、トレンドに左右さゆうされて２，３年ねんで飽あきられてしまうようなものではない。このトライリンクというシグネチャーデザインは、DNAとして受うけ継つがれていくのさ」