「愛犬あいけんハンターはずっと私わたしたちのそばに」　たくさんの言葉ことばに涙なみだを流ながし、前まえを向むく

　昨年さくねんのクリスマスイブに虹にじの橋はしを渡わたっていったハンター。丸まる２日にち、自宅じたくで何なん度ども声こえをかけながら共ともに時間じかんを過すごし、27日にちの朝あさ、夫おっととハンターと「大蔵おおくら動物どうぶつ霊園れいえん」に向むかう前まえ、御ご世話せわになった「動物どうぶつ医療いりょうセンター赤坂あかさか」に立たち寄より、最後さいごのごあいさつをさせていただきました。

温あたたかく迎むかえられて

　もう診療しんりょう時間じかんがスタートしていたのですが、西田にしだ純じゅん平ひら院長いんちょうをはじめ「ハンターちゃん」「ハンターちゃん」と、いつも優やさしく呼よびかけてくださっていた動物どうぶつ看護かんご師しやケアスタッフの皆みなさんが待まっていてくださいました。

　私わたしから、イブの日ひのハンターについて記しるしたお手紙てがみを渡わたしたところ、本当ほんとうに思おもいがけず、先生せんせいやスタッフの皆みなさんからハンターへの寄よせ書がきをちょうだいしました。

　以前いぜん、ハンターが歯はを抜ぬくために１泊はくで入院にゅういんをしたときに撮とっていただいたエリザベスカラーを着つけたハンターの写真しゃしんをハガキにしていただき、表ひょうと裏うら、両面りょうめんに皆みなさんからのメッセージがギッシリ記しるされていました。

　院内いんないで検査けんさや治療ちりょうを頑張がんばったハンターのこと。それが終おわって私わたしに抱だっこされると本当ほんとうにうれしそうだったこと。まだ元気げんきだった頃ころ、ハンターが到着とうちゃくした途端とたん、待合室まちあいしつのソファーにピョンと飛とび乗のったことなどに加くわえて、「お母様かあさまもこの半年はんとし間あいだ、本当ほんとうに大変たいへんでしたが……」と私わたしのことも思おもいやってくださる文章ぶんしょうに涙なみだが止とまりませんでした。

　特とくに「ハンターちゃんにとって、お母様かあさまの愛情あいじょうを感かんじられた大切たいせつな半年はんとし間あいだだった」との西田にしだ院長いんちょうからの一文いちぶんには感謝かんしゃしかありません。

抗こうがん剤ざい治療ちりょうの経過けいか

　つらい抗こうがん剤ざい治療ちりょうを選択せんたくしたのは飼かい主ぬしである私わたしです。最初さいしょの２回かいで寛解かんかいしたこともあり、その後ごも治療ちりょうを続つづけていけばハンターの悪性あくせいリンパ腫りんぱしゅは悪わるさをしなくなると信しんじていました。

　でも計けい4種類しゅるいの抗こうがん剤ざいのき目きめもやがて薄うすれてきて……、ハンターは最後さいごの一いちカ月かげつほどは、後うしろ足あしを上あげてトイレをすることもできなくなって、女おんなの子このようなスタイルでトイレをしていました。また、病院びょういんのソファーには上あがりたくても上あがれなくなり、自宅じたくのリビングを歩あるいているときに転ころんでしまったり、頭あたまを部屋へやの隅すみっこに埋うめるような仕草しぐさをしたりもしていました。

　弱よわっていっていることは理解りかいしていましたが、昨年さくねん、奇跡きせきを起おこしてくれたココのように元気げんきになる日ひが訪おとずれると信しんじていたのですが、それは叶かないませんでした。

　前回ぜんかい、すぐ隣となりで寝ねていたハンターが旅立たびだったことに気きづかず眠ねむってしまっていたことを心しんから後悔こうかいし、「またダメな飼かい主ぬしでした」と書かいたところ、何人なんにんもの犬いぬ友ともさんからLINEやお手紙てがみをちょうだいしました。

届とどく言葉ことばの数々かずかずにまたも涙なみだ

　真まっ先さきにくださった方ほうは、以前いぜん、私わたしのススメで保護ほご犬けんを迎むかえる選択せんたくをしてくださり、「最期さいご、一緒いっしょの布団ふとんの中なかで眠ねむれたんですもの。仕事しごと柄がら、出張しゅっちょうでも仕方しかたないのに親孝行おやこうこうなハンターですね」と。

　続つづいて、「美保子みほこさんが大変たいへんそうにしているのを見みて、ハンターちゃんは『今いまだ！』と思おもって虹にじの橋はしを渡わたっていったんですね」という手紙てがみの一文いちぶんには、また涙なみだが止とまらなくなりました。それが親孝行おやこうこうならば、たとえ親不孝おやふこうでもハンターにはもっと長生ながいきをしてほしかったです。

　そして、盲導犬もうどうけんや介助かいじょ犬けん、そして保護ほご活動かつどうを長ながくしていらっしゃることで、何なん匹ひきものワンコとの別わかれを経験けいけんしていらっしゃる女性じょせいからは「愛犬あいけんとの想そう（おも）い出では永遠えいえんですが、もう抱だっこしてあげられない、なでなでできない寂さびしさも、お別わかれしてからどんどん膨ふくらみ、本当ほんとうに辛からし（つら）いと思おもいます。（中略ちゅうりゃく）愛犬あいけんたちのお別わかれの仕方しかたは、その子こたちが決きめているんだなぁと思おもうようになりました。抱だっこしてそのまま腕うでの中なかで目めを閉とじた子こもいましたし、最期さいごの声こえを伝つたえて力尽ちからつきた子こもいました。でも、こちらが寝ねてしまい、気きが付ついたときは旅立たびだっていた子こもいました」と……。

　さらに、「そんな子こは、最期さいごの瞬間しゅんかんを私わたしに見みられたくなかったんだなぁと思おもうんです。きっと、いちばん憶（おぼ）えていてほしいのは、お別わかれではなく、楽たのしい想おもい出でだったのかなって。ハンターちゃんは、美保子みほこさんや御ご主人しゅじん、そして後ごを託たくす4本ほん足あしの家族かぞくに『ありがとう』の旅立たびだちだったのは間違まちがいありません」

　本当ほんとうにありがたいメッセージの数々かずかずに、また涙なみだが止とまらなくなりましたが、私わたしの記憶きおくのページに“別わかれの瞬間しゅんかん”をつづることなく虹にじの橋はしを渡わたっていったハンターの遺影いえいに毎朝まいあさ、毎晩まいばん、「ありがとう」と伝つたえています。

ずっと私わたしたちのそばに

　先日せんじつ、私わたしに「マル」とのご縁えんをつないでくださった浅田あさだ美代子みよこさんにお会あいしたら、やはり、「美保子みほこさんとダンナさんと川かわの字じになって寝ねているときに旅立たびだったなんて、最高さいこうに幸しあわせだったんじゃない？」と言いっていただきました。

　そして坂上さかがみ忍しのぶさんです。ある日ひの早朝そうちょう、「元気げんきしてますか？」とLINEをいただきました。sippo読者どくしゃの皆みなさんはご存知ぞんじのとおり、坂上さかがみさんのおうちのコウタくんが旅立たびだった数すう週間しゅうかん後ごにハンターが旅立たびだったことを知しっていてくださり、「元気げんきしてますか？」とだけ……。いかにも坂上さかがみさんらしいお気遣きづかいに感謝かんしゃしながら、その後ご、ひとしきり、コウタくんとハンターの思おもい出でをLINEでやりとりしました。

　以前いぜん、ハンターを連つれて『坂上さかがみどうぶつ王国おうこく』（フジテレビ系けい）の取材しゅざいに行いかせてもらったとき、坂上さかがみさん、パグゾウくん、私わたし、ハンターで撮とった写真しゃしんのコピーをハンターの棺かんに入いれました。緊張きんちょうしぃのハンターですが、坂上さかがみさんに抱だっこしてもらったときだけ、ハァハァが止とまったことも忘わすれられません。

　実じつはこの連載れんさいの担当たんとう編集へんしゅうさんからも「あまりご自分じぶんを責せめないで……」とメッセージを頂戴ちょうだいしました。確たしかに、ずっと自分じぶんを責せめていたのですが、多おおくの方ほうからのお言葉ことばに救すくわれて、17歳さい７カ月かげつの老ろう犬いぬ「ココ」と、コロナ禍かに迎むかえた推定すいてい９～10歳さいのマルとの日々ひびを過すごしています。

　保険ほけん会社かいしゃのアニコムさんに届とどけを出だしたところ、「こころはいつもそばに」という一文いちぶんが添そえられたプリザーブドフラワーが届とどき、ハンターの遺影いえいの前まえに飾かざらせてもらいました。

　そう、ハンターはずっと私わたしたちのそばに、こころを寄よせてくれているんですね。皆様みなさま、本当ほんとうにありがとうございました。

（次回じかいは４月がつ９日にち公開こうかい予定よていです）

【前まえの回かい】「本当ほんとうにかわいい子こでした」　クリスマスイブに虹にじの橋はしを渡わたっていった愛犬あいけん「ハンター」