京都府で相続・相続手続を司法書士に相談する
京都府の相続と司法書士
京都府で相続を司法書士に相談する
司法書士の業務は、登記や供託手続きの代理人を務めたり、法務局に提出する書類を代わりに作成したりと、多岐にわたっています。また、相続の手続きの中では、相続人調査や相続放棄の手続き代行など、さまざまな相談に対応できます。ここでは、司法書士の業務である家族信託、成年後見、相続登記を紹介するとともに、京都府の傾向について解説していきます。
家族信託と京都府の傾向
家族信託とは、親の財産を家族で管理する仕組みです。活用例としては、親子間で契約を交わした上で、親が財産権を持ちながら、子どもに管理を任せる形が挙げられます。親が認知症等になり判断能力が低下すると、資産が凍結され、預貯金の引き出し等ができなくなってしまいます。こういった場合の備えとして、親の判断能力が低くなる前に家族信託をすることで、子が親の代わりに不動産の管理や、預貯金の引き出し等を行うことができるのです。
家族信託を行うには「信託契約書」が必要になります。インターネット上には、さまざまなひな型がありますが、まずは専門家に相談することをお勧めします。
厚生労働省の国民生活基礎調査によると、京都府の認知症患者数は、2016年におよそ1万8千人、2019年にもおよそ1万8千人と横ばいになっています。認知症はいつ発症するかわかりません。認知症になる前の対策として家族信託は非常に重要な手段です。豊富な知識と実務経験がある司法書士に相談することで、その後の相続を見通した家族信託をすることができます。
参考：厚生労働省「国民生活基礎調査」2016
参考：厚生労働省「国民生活基礎調査」2019
成年後見と京都府の傾向
成年後見制度は、認知症などで判断能力が低下した人を支援するためのもので、「任意後見」と「法定後見」の2種類があります。任意後見とは、自分で後見人になってほしい人を選んでおき、将来、判断能力が低下した時に財産管理などを依頼する方法です。一方で、法定後見とは、認知症や精神障がいなどによって判断能力が不十分になった場合に、本人や家族からの申し出により家庭裁判所が成年後見人を選任する方法です。
2020年の「成年後見関係事件の概況」によると、全国における成年後見制度の利用者数は2018年には218,142件、2019年には224,442件、2020年には232,287件と増加傾向にあります。男女別割合は男性が約43.4%、女性が約56.6%で、性別と年齢でみると、男女両方とも80歳以上がもっとも多い結果となりました。なお、京都府における申立件数は、2018年に1,123件、2019年に1,223件、2020年には1,361件と年々増加しています。
成年後見を始めた原因で最も多かったのが認知症で、その割合は約64.1%と半数以上を占めました。また、申し立ての目的で最多だったのは、「預貯金等の管理・解約」の32,601件（37.1%）となり、そのほか主立った点では、生活や療養看護に関する「身上保護」が20,828件（23.7%）、介護保険契約が10,562件（12%）、不動産の処分が9,114件（10.4%）、相続手続きが7,060件（8%）などとなりました。
全国の成年後見人のうち、もっとも多いのは司法書士で11,184件、次に弁護士が7,731件、親族が7,242件という結果になりました。このことからも、成年後見に関する相談は司法書士が適していると言えるでしょう。
参考：裁判所「成年後見関係事件の概況」
相続登記と京都府の傾向
親が亡くなった後、実家や土地を相続する人もいるでしょう。不動産を相続すると、名義を変更するために「相続登記」という手続きが必要になります。この手続きを怠ったまま年月が過ぎると、相続人が増え、不動産の売却に膨大な手続きが必要になる可能性があります。
京都府の相続登記の件数は、土地では2018年に18,309件、2019年に19,573件、2020年に18,254件と推移しています。また、建物においては2018年に3,110件、2019年に3,047件、2020年に2,992件と少しずつ減少しています。
2016年時点で日本における相続未登記の不動産は、九州本島（約367万ヘクタール）を上回る約410万ヘクタールにまで広がりました。そのため、公共事業や再開発を進めようにも、土地の所有者探しに時間がかかってしまうのです。そこで、国はこの社会問題を解決するべく、法改正により2024年から相続登記を義務化することにしました。この動きを受け、今後は相続登記の件数が増える可能性があります。
相続登記の手続きは、書類などに不備があると、法務局とのやりとりが何度も発生してしまい、仕事などをしながら進めようとすると、多くの手間暇がかかってしまう事態もあり得ます。そういった時、手続きを代行してくれるのが司法書士です。相続登記を司法書士に依頼した場合の報酬は5〜15万円が目安になります。また、その他の相続手続きを代行できるので、費用対効果を考えて依頼することも検討してみてください。相続税の申告手続きが必要な時は、税理士を紹介してもらうことも可能です。
参考：法務省『登記統計 年報』※各年計表の「土地の権利に関する登記」と「建物の権利に関する登記」のうち「相続その他一般承継による所有者の移転」より集計
参考：相続登記の申請義務化が決定 2024年までに施行される制度を解説
参考：京都司法書士会
京都府で相続を司法書士に相談する
京都府で相続手続きを司法書士に相談するには
2023年4月現在、京都司法書士会には合計で588人の個人会員と29の法人会員が登録しています。同会では対面による無料相談を、「京都司法書士会館」や総合相談センター「みちしるべ」の各会場で定期的に実施しています。相談には予約が必要ですので、前もって京都司法書士会に問い合わせてください。
参考：日本司法書士会連合会
京都司法書士会の相談窓口
■京都司法書士会総合相談センター
所在地：京都府京都市中京区柳馬場通夷川上ル五丁目232番地の1 京都司法書士会館
■総合相談センター「みちしるべ」京丹波町
所在地：京都府船井郡京丹波町須知色紙田3番地5 道の駅丹波マーケス コミュニティホール
■総合相談センター「みちしるべ」舞鶴
所在地：京都府舞鶴市字伊佐津213番地の8 舞鶴市西駅交流センター
■総合相談センター「みちしるべ」峰山
所在地：京都府京丹後市峰山町杉谷1030番地 峰山地域公民館
■総合相談センター「みちしるべ」福知山
所在地：京都府福知山市広峯町115番地 NPOプラザ福知山
参考：京都司法書士会
京都司法書士会の支部一覧
一般の司法書士事務所も相続登記や家族信託の無料相談に応じている事務所が多数ありますが、京都司法書士会の各支部でも時期によっては相続登記などに関する相談会を実施している場合があります。お住まいのエリアに近い支部のウェブサイトなどを確認してみるとよいでしょう。
- 洛北支部
- 洛央支部
- 洛南支部
- 洛西支部
- 城南支部
- 園部支部
- 丹後支部
- 中丹支部
参考：京都司法書士会
公正証書遺言の作成や相続放棄などの窓口
京都府を管轄する家庭裁判所
京都府を管轄する家庭裁判所は以下の通りです。遺産相続トラブルなどで調停や審判が必要な際や、相続放棄をする際は家庭裁判所で手続きをすることになります。
- 京都家庭裁判所（京都府京都市左京区下鴨宮河町1）
- 京都家庭裁判所 園部支部（京都府南丹市園部町小桜町30）
- 京都家庭裁判所 宮津支部（京都府宮津市字島崎2043-1）
- 京都家庭裁判所 舞鶴支部（京都府舞鶴市字南田辺小字南裏町149）
- 京都家庭裁判所 福知山支部（京都府福知山市字内記9）
参考：裁判所
京都府の公証役場一覧
公正証書遺言を作成する際は公証役場が窓口となります。
- 京都公証人合同役場（京都府京都市中京区東洞院通御池下る笹屋町436の2 シカタディスビル5階・6階）
- 宇治公証役場（京都府宇治市宇治壱番132-4 谷口ビル2階）
- 舞鶴公証役場（京都府舞鶴市字北田辺126-1-1 広小路SKビル5階）
- 福知山公証役場（京都府福知山市駅前町322番地 三右衛門ビル3階）
参考：京都地方法務局
相続トラブルの相談窓口～京都府の弁護士会と法テラス～
相続で紛争やトラブルが発生した場合は弁護士に相談するのがよいでしょう。弁護士事務所へ相談するほか、弁護士会や法テラスなどを利用することもできます。
京都府内の弁護士会の相談窓口
■京都弁護士会法律相談センター
所在地：京都府京都市中京区富小路通丸太町下ル 京都弁護士会館
■京都駅前法律相談センター
所在地：京都府京都市下京区室町通木津屋橋下る東塩小路町579-1 山崎メディカルビル6階
■南部法律相談センター 京田辺相談所
所在地：京都府京田辺市田辺中央4-3-3 CIKビル 京田辺商工会館
■南部法律相談センター 木津相談所
所在地：京都府木津川市木津宮ノ堀149 木津川市東部交流会館内
■園部法律相談センター
所在地：京都府南丹市園部町小桜町62-1 南丹市国際交流会館内
■丹後法律相談センター 大宮相談所
所在地：京都府京丹後市大宮町周枳1 大宮織物ホール内
■丹後法律相談センター 宮津相談所
所在地：京都府宮津市字鶴賀2164 みやづ歴史の館内
■丹後法律相談センター 与謝野相談所
所在地：京都府与謝郡与謝野町字岩滝2271 与謝野町立生涯学習センター「知遊館」2階
■福知山法律相談センター
所在地：京都府福知山市駅前町400 市民交流プラザふくちやま内
■舞鶴法律相談（東）センター
所在地：京都府舞鶴市浜66 舞鶴市商工観光センター内
■舞鶴法律相談（西）センター
所在地：京都府舞鶴市伊佐津213-8 舞鶴市西駅交流センター内
■綾部法律相談センター
所在地：京都府綾部市宮代町1 綾部市市民ホール
参考：弁護士会の法律相談センター
京都府で利用できる法テラス
経済的にお困りの方は法テラスの活用も可能です。弁護士や司法書士が相談に応じているケースが多数です。
■法テラス京都
所在地：京都府京都市中京区御池通東洞院西入る笹屋町435 京都御池第一生命ビルディング3階
TEL：0570-078332
参考：日本司法支援センター法テラス
京都府の相続税申告・遺族年金などの手続きの窓口
京都府を管轄する税務署
相続税はいわゆる国税に該当するため、相続税申告は税務署で行います。京都府内の税務署は以下の通りです。
■右京税務署
所在地：京都府京都市右京区西院上花田町10の1
TEL：075-311-6366
■宇治税務署
所在地：京都府宇治市大久保町井ノ尻60-3
TEL：0774-44-4141
■上京税務署
所在地：京都府京都市上京区一条通西洞院東入元真如堂町358
TEL：075-441-9171
■左京税務署
所在地：京都府京都市左京区聖護院円頓美町18
TEL：075-761-5371
■下京税務署
所在地：京都府京都市下京区間之町五条下ル大津町8
TEL：075-351-9161
■園部税務署
所在地：京都府南丹市園部町小山東町平成台1号11
TEL：0771-62-0340
■中京税務署
所在地：京都府京都市中京区西ノ京笠殿町38 京都地方合同庁舎
TEL：075-842-1601
■東山税務署
所在地：京都府京都市東山区渋谷通大和大路東入下新シ町339-5
TEL：075-561-1131
■福知山税務署
所在地：京都府福知山市篠尾新町1丁目37番地
TEL：0773-22-3121
■伏見税務署
所在地：京都府京都市伏見区鑓屋町
TEL：075-641-5111
■舞鶴税務署
所在地：京都府舞鶴市字上安久240
TEL：0773-75-0801
■宮津税務署
所在地：京都府宮津市字鶴賀2070-14
TEL：0772-22-3271
■峰山税務署
所在地：京都府京丹後市峰山町杉谷147番地12
TEL：0772-62-0460
参考：国税庁
京都府内の年金事務所
年金事務所では年金受給権者死亡届や未支給年金、遺族年金・寡婦年金などの相談が可能です。各種年金に関しての相談や手続きは年金事務所が窓口となります。相続の際は相続税申告や相続登記以外に年金の手続きが必要な場合がありますので、必ず確認しておきましょう。
- 上京年金事務所（京都府京都市北区小山西花池町1-1 サンシャインビル2･3階）
- 京都西年金事務所（京都府京都市右京区西京極南大入町81）
- 京都南年金事務所（京都府京都市伏見区竹田七瀬川町8-1）
- 下京年金事務所（京都府京都市下京区間之町通下珠数屋町上ル榎木町308）
- 中京年金事務所（京都府京都市中京区土手町通竹屋町下ル鉾田町287）
- 舞鶴年金事務所（京都府舞鶴市南田辺50-8）
参考：日本年金機構
本テキストは2023年4月時点の情報に基づいています
