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東京大学 総括プロジェクト機構国際建築教育拠点総括寄付講座 建築・都市DX人材育成プログラム DXフォーラム レビュー - 日経クロステック Special

東京大学 総括プロジェクト機構国際建築教育拠点総括寄付講座(SEKISUI HOUSE - KUMA LAB) 建築・都市DX人材育成プログラム DXフォーラム  レビュー

建築けんちく都市とし分野ぶんやのDXに関連かんれんする知識ちしき習得しゅうとく課題かだい分析ぶんせきつうじ、DXに寄与きよする事業じぎょうなどを起業きぎょうする意欲いよく人材じんざい育成いくせい目的もくてきとして実施じっしした東京大学とうきょうだいがく主催しゅさいによるプログラムの集大成しゅうたいせいとして、2024ねん3がつ30にちに「DXフォーラム」が開催かいさいされた。基調きちょう講演こうえんのちに、受講じゅこうせいによるビジネスアイデアなどのピッチがあり、識者しきしゃによる講評こうひょう実施じっしした。

3月30にち東京大学とうきょうだいがくにてDXフォーラムが開催かいさいされた。2023ねん10がつ7にちはじまり7かいにわたって開催かいさいした「建築けんちく都市としDX人材じんざい育成いくせいプログラム」をめくくるもの。昨年度さくねんどつづだい2かいで、今年度こんねんどはさらに充実じゅうじつしたプログラムとなった。10月から開催かいさいしてきたプログラムは (1)技術ぎじゅつセミナー(2)政策せいさくコロキアム(3)建築けんちく都市とし分野ぶんやのDXフォーラムの3構成こうせいする。

技術ぎじゅつセミナーでは、測量そくりょう計測けいそく情報じょうほう通信つうしん解析かいせき、ロボティクス、建築けんちく生産せいさん仮想かそう空間くうかん施工しこう管理かんりの7分野ぶんや活躍かつやくする研究けんきゅうしゃ専門せんもん最新さいしん技術ぎじゅつくわしく解説かいせつ政策せいさくコロキアムでは、デジタル行政ぎょうせい都市とし行政ぎょうせい住宅じゅうたく建築けんちく行政ぎょうせい不動産ふどうさん建設けんせつ行政ぎょうせいかく分野ぶんや実務じつむ担当たんとうしゃ最新さいしん政策せいさく動向どうこう講義こうぎした。

会場

総括そうかつとなるDXフォーラムでは、主催しゅさいしゃ代表だいひょうとして東京大学とうきょうだいがく和泉いずみひろしじんとくにん教授きょうじゅ登壇とうだんつづいてもとデジタルちょうデジタル審議しんぎかん赤石あかし浩一こういちが「DXの潮流ちょうりゅうとサイバー空間くうかん建設けんせつ」とだいして基調きちょう講演こうえんおこなった。さらに内閣ないかく科学かがく技術ぎじゅつ・イノベーション推進すいしん事務じむ局長きょくちょう松尾まつお泰樹やすきが「科技かぎイノベーション・スタートアップ創出そうしゅつ政策せいさくについて」のテーマで講演こうえん

つぎに7かいにわたる技術ぎじゅつセミナーと政策せいさくコロキアムで知見ちけん参考さんこうにしながら、社会しゃかい課題かだい解決かいけつするみのプレゼンをおこなう「受講じゅこうせいピッチ」が企画きかくされ、2めい登壇とうだん講評こうひょうしゃ3めいとのディスカッションが活発かっぱつおこなわれた。白熱はくねつした当日とうじつ模様もよう紹介しょうかいする。

主催しゅさいしゃ挨拶あいさつ

東京大学とうきょうだいがくとくにん教授きょうじゅ和泉いずみ ひろしじん

Society 5.0の実現じつげんけた
国土こくど交通省こうつうしょう

和泉いずみひろしじんとくにん教授きょうじゅ建築けんちく都市とし分野ぶんやにおけるDX(デジタルトランスフォーメーション)の位置付いちづけを整理せいりした。政府せいふ建築けんちく都市とし分野ぶんやのDXを推進すいしんするため、様々さまざま予算よさん措置そち政策せいさくこうじている。デジタルちょうくにのデジタル政策せいさく統括とうかつし、国土こくど交通省こうつうしょう建築けんちく都市とし不動産ふどうさん分野ぶんやのDXをすすめている。最終さいしゅうてき目標もくひょうは「Society 5.0」の実現じつげん狩猟しゅりょう社会しゃかいを1.0とかんがえたとき農耕のうこう社会しゃかいが2.0、工業こうぎょう社会しゃかいが3.0、情報じょうほう社会しゃかいが4.0とつづき、5.0はサイバー空間くうかんとフィジカル空間くうかん融合ゆうごうさせた社会しゃかい目指めざす。

このおおきな枠組わくぐみのなかで、国土こくど交通省こうつうしょうは、BIMをふく建築けんちく分野ぶんや都市としモデリングを中心ちゅうしんとする都市とし分野ぶんや不動産ふどうさん登記とうきのデジタルんでいると説明せつめい。BIMの導入どうにゅう促進そくしんするため、2025年度ねんどから建築けんちく確認かくにん申請しんせいにBIMの利用りようはじめ、2028年度ねんどからの義務ぎむ目指めざす。加速かそく事業じぎょうにより中小ちゅうしょう企業きぎょうへのBIM導入どうにゅう後押あとおししていく。また、不動産ふどうさんIDの導入どうにゅうにより、将来しょうらいてきにドローンによる配送はいそうなどが可能かのうになる見込みこみだという。

和泉洋人特任教授

主催しゅさいしゃ挨拶あいさつ登壇とうだんした東京大学とうきょうだいがく和泉いずみひろしじんとくにん教授きょうじゅ

くに目指めざ社会しゃかい建築けんちく都市としのDX

我が国の目指す社会と建築・都市のDX

今年ことしで2ねんとなった人材じんざい育成いくせいプログラムだが、2022年度ねんどの89めいたいし、2023年度ねんどは112めい参加さんかしゃ増加ぞうかしている。「来年度らいねんど規制きせい改革かいかく提案ていあんや、開発かいはつ技術ぎじゅつ社会しゃかい実装じっそうけた障壁しょうへき特定とくていなどもおこない、3年間ねんかんりまとめにしたい」とはなしむすんだ。

建築けんちく都市としのDX」にかかれい5年度ねんど補正ほせい予算よさんのポイント

「建築・都市のDX」に係る令和5年度補正予算のポイント

基調きちょう講演こうえん

もとデジタルちょうデジタル審議しんぎかん赤石あかし 浩一こういち

データ基盤きばん連携れんけい整備せいび課題かだい
欧米おうべいおくれをとる日本にっぽん

基調きちょう講演こうえんったもとデジタルちょうデジタル審議しんぎかん赤石あかし浩一こういちは、デジタル世界せかいてき潮流ちょうりゅうと、日本にっぽんにおけるデジタルみについてまとめた。

ヨーロッパや米国べいこく中心ちゅうしんに、デジタルトランスフォーメーション、グリーントランスフォーメーション、セキュリティトランスフォーメーションなどのうごきが加速かそくしていると赤石あかし説明せつめいする。ヨーロッパではGAIA-Xなどのデータプラットフォームが構築こうちくされ、産業さんぎょう分野ぶんやごとのデータ連携れんけいすすめられている。

一方いっぽう米国べいこくではソフトウェアのセキュリティ基準きじゅん策定さくていや、サプライチェーンのデジタルすすんでいる。また、カーボンフットプリントの管理かんりや、自然しぜん災害さいがいへの対応たいおうなどでもデジタル重要じゅうようされていると現状げんじょう分析ぶんせきした。

日本にっぽんでも、デジタルちょう中心ちゅうしん公共こうきょうサービスのデジタルすすめられている。具体ぐたいてきには、公共こうきょうサービスメッシュというプラットフォームの構築こうちく健康けんこう医療いりょう教育きょういく防災ぼうさい分野ぶんやでのデータ連携れんけい基盤きばん整備せいび、スマートシティの推進すいしんなどがおこなわれている。だが、データ連携れんけい基盤きばん整備せいび課題かだいおおく、ヨーロッパにくらべておくれているとみている。

赤石浩一氏

もとデジタルちょう デジタル審議しんぎかん 赤石あかし浩一こういち

データ戦略のアーキテクチャー/包括的データ戦略/実現したい社会(Society 5.0)

世界せかいてきにデータプラットフォームの構築こうちくすすなか日本にっぽん企業きぎょうもグローバル市場いちば視野しやれる必要ひつようがあるというのが赤石あかし見方みかただ。自社じしゃのデータをどう活用かつようし、連携れんけいさせるかが競争きょうそうりょくかぎとなる。また、国際こくさいてきなデータガバナンスの議論ぎろん活発かっぱつしており、日本にっぽんとしても戦略せんりゃくてる必要ひつようがある。OECDなどの国際こくさい機関きかん連携れんけいし、データ連携れんけいのための枠組わくぐづくりがすすめられている。

ひろ意味いみでのデジタルツインアーキテクチャをどうつくっていくかを、みなさんと一緒いっしょかんがえていくべきだとおもっている」とはなしをまとめた。

基調きちょう講演こうえん

内閣ないかく科学かがく技術ぎじゅつ・イノベーション推進すいしん事務じむ局長きょくちょう松尾まつお 泰樹やすき

スタートアップ育成いくせい
2027ねんまでに10ちょうえん投資とうし規模きぼ

基調きちょう講演こうえん2人ふたり内閣ないかく科学かがく技術ぎじゅつ・イノベーション推進すいしん事務じむ局長きょくちょう松尾まつお泰樹やすき日本にっぽん政府せいふのスタートアップ支援しえんさく教育きょういく改革かいかくみについて説明せつめいした。

はじめにサイバーセキュリティとデータ保護ほご重要じゅうようせいいた。具体ぐたいてきにはサイバー攻撃こうげき脅威きょういたかまるなかくにとして情報じょうほうデータをどうまもるかが重要じゅうよう課題かだいとなっていると強調きょうちょうする。JAXAでのサイバー攻撃こうげき事例じれい紹介しょうかいされ、ウクライナ情勢じょうせい観点かんてんからも、国家こっかのデータ保護ほご安全あんぜん保障ほしょうじょう重要じゅうよう課題かだいであるという。

つぎにスマートシティのみについてれた。省庁しょうちょうごとにバラバラにんでいたことを改善かいぜんし、5省庁しょうちょう連携れんけいしてロードマップを作成さくせいすることになったと経緯けいい説明せつめいした。自治体じちたいからのヒアリングをて、ベンダーロックインの解消かいしょうやOSの公開こうかい設計せっけい標準ひょうじゅんなどが検討けんとうされている。

スタートアップ育成いくせい5カ年かねん計画けいかくでは、創業そうぎょうすう投資とうしがく拡大かくだい、2027ねんまでに投資とうしがくを10ちょうえん規模きぼにすることを目標もくひょうとしている。人材じんざいネットワーク構築こうちく資金しきん調達ちょうたつ支援しえん、オープンイノベーション推進すいしんが3ほんばしらとなっている。地域ちいきのスタートアップエコシステム構築こうちく大学だいがくはつベンチャー支援しえん、SBIRによる技術ぎじゅつ実証じっしょう支援しえんなどもおこなわれている。

松尾泰樹事務局長

内閣ないかく 科学かがく技術ぎじゅつ・イノベーション推進すいしん事務じむ局長きょくちょう松尾まつお 泰樹やすき

文部もんぶ科学かがくしょうにおける大学だいがくはつスタートアップ創出そうしゅつ成長せいちょうけた施策しさく

文部科学省における大学発スタートアップ創出・成長に向けた施策

最後さいご教育きょういく改革かいかくみについて、GIGAスクール構想こうそうもとづき、1人ひとり1だい端末たんまつ活用かつようした個別こべつ最適さいてき教育きょういく実現じつげん目指めざしていると説明せつめい多様たよう特性とくせい児童じどう生徒せいと対応たいおうするため、教育きょういく多様たよう重要じゅうようされている現状げんじょうかたった。教師きょうし不足ふそくへの対応たいおうとして、実務じつむ教員きょういん活用かつようなど様々さまざま見直みなおしが検討けんとうされていているという。

スタートアップの重要じゅうようせい強調きょうちょうする講演こうえん内容ないようとなったが、最後さいご松尾まつおは「スタートアップだけが成長せいちょうすればいいわけではなく、スタートアップとだい企業きぎょうのコラボが必要ひつようで、経団連けいだんれんでもんでいる。様々さまざまなステークホルダーが一緒いっしょになって日本にっぽん経済けいざい成長せいちょう雇用こよう拡大かくだいにつながればいい」と展望てんぼうをまとめた。

わせ

東京大学とうきょうだいがく 総括そうかつプロジェクト機構きこう 国際こくさい建築けんちく教育きょういく拠点きょてん総括そうかつ寄付きふ
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