成長著しいマリンビジネス
ヤマハ発動機のマリン事業が好調だ。船外機の出荷台数および売上高が2020年から3年連続でアップするなど、国内および海外市場で成長を続けている。ヤマハ発動機上席執行役員マリン事業本部長の井端俊彰氏は、「マリンレジャーが文化として定着している欧米を中心に需要は堅調に増えています。また、世界中で新型コロナの三密を避けられるアウトドアでのアクティビティが注目され、ボートや釣りなどを始めようという人が増えました」と話す。
「当社は船外機、クルージング用やフィッシング用などの各種ボート、水上オートバイなどの製品を手掛けています。また、総合マリンビジネスとしてレンタルボートクラブSea-Styleを運営するなど、包括的にレジャーを提供していくことを目指しています。マリンビジネスの価値をさらに高めるために、未来への投資は必須と考えています」(井端氏)
マリン事業発展のカギを握る要素については、「やはり人づくりです。特に今後のマリン版CASE戦略推進を見据えて、他業種で活躍されている方に、マリン業界に新たな知見や技術革新をもたらしてほしいと考えています。そのためにエンジニア職のキャリア採用を積極的に進めています」(井端氏)。
ヤマハ発動機株式会社
上席執行役員 マリン事業本部長
井端 俊彰 氏
ヤマハ発動機のマリン事業はワールドワイドがベース。米国にも開発拠点・工場があり、海外出張も多く、海外で働きたいという人材には最適な職場。
井端氏は、「マリン業界では当面、内燃機関が販売の主流となると想定しており、特に自動車や建機・農機などの業界でエンジン開発に従事された経験がある方を求めています」と語る。
また、エンジンだけではなくボートとしての付加価値を高めるために、快適性や安全性を向上させていく技術開発も必要となり、エレクトロニクスなど幅広い人材の確保が急務になっているという。
市場ニーズに対応して大型船外機の開発・量産化に力を入れていることに加えて、カーボンニュートラル実現への貢献も見据えている。
「当社も、電動推進機や水素燃料エンジンを含めたカーボンニュートラルに向けた新商品の量産開発など、チャレンジする要素はたくさんあります。エンジンに限らず電動化などに興味のある方にも入社してほしいと思っています」(井端氏)と胸を張る。
チャレンジが実現する職場
現場の担当者からも、共に働く新たな人材への期待が高まっている。業績が好調なことから生産拡大への対応が急務だ。製造技術を担当するマリン事業本部製造統括部マリン製造技術部の阿波祐希氏は、「拡大する大型船外機需要に対応するため、最先端のFA技術を用いて、生産能力の効率化や品質向上を実現することが私の担当業務です。工場のDX化や自動化領域でキャリアを積んだ方にぜひ当社の新たな仲間になってほしいですね」と話す。「例えば、どのモデルでも対応できる生産ラインにするなどの施策を進めています。こういった製造技術面でチャレンジすることは多いですね」という。「ヤマハ発動機には、チャレンジを推奨する風土があります。誰の意見でも論理性や個人の成長に繋がる要素があれば実行させてもらえる会社です」(阿波氏)。
ヤマハ発動機株式会社
製造統括部 マリン製造技術部
阿波 祐希 氏
エンジンの設計に携わる開発統括部PJT設計部の高木悠氏は、「マリン用のエンジンは冷却や潤滑構造が自動車用エンジンなどとは似て非なるものです。他商品での開発キャリアを積んできた方には、これまでに会得したスキルを生かしつつ、新たなチャレンジを経験することができると思います」と語る。
チャレンジを受け入れる風土とともに、阿波氏と高木氏が強調するのが「風通しのよさ」だ。高木氏が入社したきっかけはインターンシップに参加したこと。「その時の雰囲気がよかったので、最初からマリン事業を希望して入社を決めました。入社後も期待通り部門間のコミュニケーションが多く、マリン事業として一体感を持って業務に取り組めています」と入社して間違いはなかったと笑顔で話す。
ヤマハ発動機株式会社
開発統括部 PJT設計部
高木 悠 氏
福利厚生も充実しており、船舶免許取得の費用補助や、参加希望者を募って外洋でのカジキ釣り大会へ参加する機会なども作っている。
阿波氏は「カーボンニュートラルやDXなど、取り組むテーマは多いですね。新たな分野にチャレンジしたいという人に仲間になってほしい」と話す。高木氏も「業務で頻繁に船に乗る機会があり、非日常体験を仕事で味わうことができます。アウトドアレジャーが好きな方には良い選択肢になると思います」と語る。マリン事業に携わる面白さ、そして挑戦を後押しする風土など、働く人にとって魅力的な同社の今後に期待が高まる。