運動うんどう強度きょうど(METs)」でる、効果こうかてき身体しんたい活動かつどうは?

家族で運動をするイメージ写真

新型しんがたコロナウイルスにともな外出がいしゅつ自粛じしゅくなどで、わたしたちを日常にちじょうおおきく変化へんかした2020ねん。テレワークが積極せっきょくてきれられるなど“あたらしい生活せいかつ様式ようしき”が徐々じょじょ定着ていちゃくしつつある今日きょうにおいて、になるのが“運動うんどう不足ふそく”です。
ここでは気軽きがるからだうごかし、日常にちじょう生活せいかつなかにスポーツをれるヒントとなる「METs(メッツ)」をご紹介しょうかいしていきます。

参考さんこう:あなたの1にち身体しんたい活動かつどうを「運動うんどう強度きょうど(METs)」でえるしませんか!
https://sports.go.jp/tag/life/mets-1.html

しゅう1にち以上いじょうなにか“スポーツ”をしていますか?

スポーツちょうの2019年度ねんど「スポーツの実施じっしじょうきょうとうかんする世論せろん調査ちょうさ」によると、運動うんどう・スポーツをする成人せいじん割合わりあいは、しゅうにち以上いじょうは53.6%、しゅうにち以上いじょうは27.0%という結果けっか発表はっぴょうされています。数値すうちだけでると、やく半数はんすうひとしゅう1にち以上いじょう運動うんどう・スポーツをおこなっていることになります。

しかし、「運動うんどう不足ふそくかんじる」(「おおいにかんじる」+「ある程度ていどかんじる」)と回答かいとうしたひとは、なんと78.7%。ここにテレワークや外出がいしゅつ自粛じしゅくかさなった2020ねんは、さらおおくのひと日常にちじょう生活せいかつにおける「運動うんどう不足ふそく」をかんじているとおもわれます。
また年代ねんだいべつにみると、30だい~50だいほうが「運動うんどう不足ふそく」をかんじ、60だい~70だいほう日常にちじょうてき運動うんどう・スポーツをおこなっている割合わりあいたかいこともわかりました。

一般いっぱんてきに「スポーツ」というと、野球やきゅうやサッカー、マラソンや水泳すいえいなど、「一定いっていのルールにしたがい、勝敗しょうはい記録きろく優劣ゆうれつきそ競技きょうぎ」をイメージするひとおおいとわれています。
しかし、スポーツ基本きほんほうによると、スポーツには、「健康けんこう体力たいりょく維持いじするためにからだうごかすこと」「たのしみやきがいのために、個人こじんまたは集団しゅうだんおこな身体しんたい活動かつどう」という意味いみふくまれています。スポーツは特別とくべつなものではなく、日常にちじょう生活せいかつなか自然しぜんれ、日常にちじょうてきつづけられることが理想りそうです。

世代別週1日以上スポーツ実施率の比較出典しゅってん:スポーツちょう - れいもと年度ねんど「スポーツの実施じっしじょうきょうとうかんする世論せろん調査ちょうさ」について

  • 運動うんどう不足ふそくを「かんじる」(「おおいにかんじる」+「ある程度ていどかんじる」)とする割合わりあい78.7%。(平成へいせい30年度ねんど:80.5%)
  • 運動うんどう不足ふそくを「かんじない」(「あまりかんじない」+「ほとんど(まったく)かんじない」)とする19.3%。(平成へいせい30年度ねんど:18.1%)
  • 性別せいべつると、運動うんどう不足ふそくを「かんじる」とする割合わりあい女性じょせい男性だんせいより5.6ポイントたかくなっている。
  • 年代ねんだいべつると、30だい~50だい運動うんどう不足ふそくを「かんじる」とする割合わりあいたか、70だいひくい。
  • 運動うんどう頻度ひんどべつると、直近ちょっきん1ねん運動うんどう頻度ひんどしゅうにち未満みまん・わからない」は運動うんどう不足ふそくを「かんじる」とする割合わりあいが92.2%ともっとたかい。

えっ?「掃除そうじをかける」のと「かるすじトレ」はほぼおなじ!?

日々ひび生活せいかつなかには、らずらずにからだうごかしているという無意識むいしき身体しんたい活動かつどうたとえば掃除そうじ洗濯せんたくもの子供こども世話せわなど数多かずおおくあります。これらを数値すうちすることで、「どれくらいエネルギーを消費しょうひしているのか」をることができます。それが「METs(メッツ)」です。

METsは身体しんたい活動かつどう強度きょうどあらわ単位たんいで、安静あんせいよこになったり、すわってらくにしている状態じょうたい)を「1」としたとき比較ひかくして、なんばいのエネルギーを消費しょうひするのかがかります。たとえば、「掃除そうじをかける」は3.3METs、「洗車せんしゃをする(ほどほどの労力ろうりょく)」は3.5METsで、これらは、「かるすじトレをすること」に相当そうとうします。

おなじく、「自転車じてんしゃ通勤つうきんする」や「階段かいだんをゆっくりのぼる」4.0METsは「卓球たっきゅう」や「バレーボール」と、「活発かっぱつ子供こどもあそぶ」5.8METsは「バドミントン(試合しあい以外いがい)」や「アクアビクス(水中すいちゅう運動うんどう)」に相当そうとうします。このように、様々さまざま身体しんたい活動かつどう強度きょうどがMETsとしてしめされているのです。

METs(メッツ)表国立こくりつ健康けんこう栄養えいよう研究所けんきゅうじょ - 改訂かいていばん身体しんたい活動かつどうのメッツ(METs)ひょう』より作図さくず

「METs」を意識いしきするだけで、おおきくわる1にち身体しんたい活動かつどう
スポーツをやすいち工夫くふう

自転車で買い物をするイメージ写真

日常にちじょう生活せいかつにおける身体しんたい活動かつどうひとひとつをMETsでみてみると、おもっていた以上いじょうにエネルギーを消費しょうひする活動かつどうがあることにづきます。METsっていると、くるま電車でんしゃでの通勤つうきんもの自転車じてんしゃえたり、エレベーターやエスカレーターは使つかわずに階段かいだん使つかうようにしたり、すこしでもエネルギー消費しょうひたか身体しんたい活動かつどうえることができます。

「Burn Calories, Not Electricity. Take the Stairs! (電気でんき使つかわず、カロリーをやそう。階段かいだん使つかおう!)」ニューヨーク市民しみん身体しんたい活動かつどうやすために作成さくせいしたポスターのキャッチコピーです。エレベーターにるとだて1.3METsですが、わりに階段かいだんをゆっくりのぼると4.0METsでやく3ばいはやのぼると8.8METsでやく7ばいのエネルギーを消費しょうひすることになります。海外かいがい研究けんきゅうでは、すうげつあいだ階段かいだん利用りようつづけたことにより、体力たいりょく向上こうじょうや、からだ脂肪しぼうりょう減少げんしょう、コレステロール改善かいぜんなどの効果こうかあらわれたことが報告ほうこくされています。

わざわざトレーニングウェアに着替きがえて、ランニングにかけたりジムにかよったりしなくても、健康けんこう体力たいりょくづくりのためにからだうごかそうという意識いしきち、日常にちじょう生活せいかつなか身体しんたい活動かつどうをほんのすこえるだけで「スポーツ」にすることができます。

これならすぐにはじめられる!
日常にちじょうれられそうなスポーツとは?

「スポーツは苦手にがて…」というほうは、まずはここからスタート

日常にちじょう生活せいかつなか自然しぜんに「スポーツ」をれられることは、ご理解りかいいただけたでしょうか。できればこうした日常にちじょう生活せいかつなかでの「スポーツ」にプラスしていきたいのが、「たのしみながら」ということです。とはいっても「スポーツは苦手にがてで…」とかんじているほうすくなくありません。まずは、身体しんたいへの負荷ふかすくなく、手軽てがるはじめられる「ウォーキング」や「ヨガ」「ストレッチング」などからはじめてみてはいかがでしょうか。

「ウォーキング」は、ゆう酸素さんそ運動うんどうひとつで、脂肪しぼう燃焼ねんしょう生活せいかつ習慣しゅうかんびょう予防よぼうのう活性かっせいなどに効果こうかてきです。いえなかあるくと2.0METs、ややあるきすると3.5METs、通勤つうきん通学つうがくでの歩行ほこうは4.0METs、ベビーカーをしながら、またはどもと一緒いっしょあるくと4.0METsになります。つまり、ベビーカーをしながらあるくと、いえなかあるいているよりやく2ばいのエネルギーを消費しょうひしていることがわかります。

最初さいしょ景色けしきたのしみながら散歩さんぽ感覚かんかくで、からだうごかしやすくなってきたら徐々じょじょにスピードをげていくなど、自分じぶん自身じしん強度きょうどをコントロールできるのも継続けいぞくしやすいポイント。特別とくべつ道具どうぐ必要ひつようないので、まずはいえまわりを散策さんさくするつもりではじめてみるのがおすすめです。

コロナによる外出がいしゅつ自粛じしゅく人気にんきあつめたのが「ヨガ(2.5~4.0METs)」や「ストレッチング(2.3METs)」です。マットが1まいあれば、いえにいながらからだうごかすことができる手軽てがるさにくわえ、豊富ほうふ動画どうが配信はいしんなどでも注目ちゅうもくあつめました。人目ひとめにせず、自分じぶんのペースでからだうごかすことができ、テレワークなどでかたまったからだをほぐすことができるなど、メリットのおおいスポーツのひとつです。

ヨガをするイメージ写真

いそがしいほうには「自転車じてんしゃ」や「縄跳なわとび」がおすすめ

自転車じてんしゃ」は、時速じそく16.1km未満みまん通勤つうきんペース4.0METsから、きついのぼざか14.0METsまで、ウォーキング同様どうよう自分じぶん自身じしん速度そくど負荷ふかをコントロールすることができ、ウォーキングやジョギングよりもひざへの負担ふたんすくないので、体力たいりょく自信じしんのないほうやこれから体重たいじゅうとしたいほうにもおこないやすいです。
また、移動いどう手段しゅだんにもなるので日常にちじょう生活せいかつなかれやすく、通勤つうきん使つかうことができれば満員まんいん電車でんしゃ渋滞じゅうたいなどのストレスからも解放かいほうされるのもうれしいメリットです。

みじか時間じかん効率こうりつよくおおきなエネルギーを消費しょうひしたい…というほうにおすすめなのが「縄跳なわとび」です。「縄跳なわとび」は上半身じょうはんしんをまっすぐにたもってぶことで、からだみき使つかいながらおこなえるゆう酸素さんそ運動うんどうひとつです。1分間ふんかんに120~160ステップのはや縄跳なわとびはなんと12.3METsです。このステップのはや縄跳なわとびを10分間ふんかんおこなったときの身体しんたい活動かつどうりょうは、はやあるきを30分間ふんかんおこなったときに相当そうとうします。

身体しんたい活動かつどうりょうは、強度きょうど(METs)×時間じかんぶん時間じかん換算かんさん)で計算けいさんします。
ステップのはや縄跳なわとび12.3METs×10ふん=2.05METs・
はやあるき4.3METs×30ふん=2.15METs・

縄飛びをするイメージ写真

「スポーツをたのしみたい」積極せっきょくてきうごいてリフレッシュ!

スポーツは、ただからだうごかすだけでなく、たのしむことで心身しんしんともにリフレッシュすることにも効果こうかがあります。友人ゆうじん家族かぞく仲間なかま一緒いっしょたのしめる「登山とざん」や「サイクリング」、みず浮力ふりょくにより足腰あしこしへの負担ふたんすくない環境かんきょうで、爽快そうかいかんられる「水泳すいえい」などもおすすめです。

登山とざん荷物にもつおもさにより6.3METs~)」は、自然しぜんなかたのしめるスポーツです。ぶしごとの草木くさきはなとりのさえずり、おいしい空気くうき心地ここちよいふうなど日常にちじょうてき環境かんきょうによるリフレッシュ効果こうかおおきいとわれています。また、おも荷物にもつ背負せおって、山道さんどうあるきますので、下肢かしからだみききたえられます。

水泳すいえい(ゆっくりクロール5.8METs、平泳ひらおよぎ5.3METsなど)」は、全身ぜんしん筋肉きんにくをバランスよく使つかうスポーツです。浮力ふりょくによるリラックス効果こうかや、水圧すいあつによるマッサージ効果こうかなどもられるため、最近さいきんではアスリートが筋肉きんにくをほぐすことや疲労ひろう回復かいふくさせる目的もくてき水泳すいえい水中すいちゅう運動うんどうれています。およぐことが苦手にがてほうは、水中すいちゅうウォーキング(ゆっくり2.5METs~はやい6.8METs)もおすすめです。ゆっくりとしたうごきでもみず抵抗ていこうによりエネルギーをおお消費しょうひすることができ、水中すいちゅうでは転倒てんとうによる骨折こっせつやけがもないので、子供こどもから高齢こうれいしゃまでたのしむことができます。

水泳をするイメージ写真

毎日まいにち生活せいかつなかにスポーツを「Sport in Life」で心身しんしんともに健康けんこう

運動うんどう・スポーツ不足ふそくは、肥満ひまん糖尿とうにょうびょうなどの生活せいかつ習慣しゅうかんびょう発症はっしょうリスクや死亡しぼうリスクを増大ぞうだいする可能かのうせいがあります。また、筋力きんりょく持久じきゅうりょくなど体力たいりょく低下ていかまねき、関節かんせついたみや、外出がいしゅつなどの活動かつどう機会きかい減少げんしょうさせ、生活せいかつしつ低下ていかにつながりやすくなります。

スポーツちょうでは、一人ひとりでもおおくのほう自然しぜんとスポーツをたのしみ、スポーツをおこなうことが生活せいかつ習慣しゅうかん一部いちぶとなる「Sport in Life」をつうじて、心身しんしんともに健康けんこうでいきいきとした毎日まいにちごしていただくことを目指めざしています。あらためて運動うんどうやスポーツをはじめようとかまえなくても、今回こんかい紹介しょうかいした「METs」を意識いしきすれば、無理むりなく自然しぜん日常にちじょう生活せいかつなかでスポーツをつづけることができます。今日きょうから自分じぶんのペースでできる身近みぢかなスポーツを、まずは気軽きがるはじめてみませんか。

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まえ

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