社会福祉法人さぽうと21は、主に日本に定住する難民(インドシナ難民・条約難民)、中国からの帰国者、日系定住者の子弟に対して、学業継続のための助言、生活支援金の支給や、学習支援室の運営(日本語教室・補完教育・パソコン教室など実施)等を通じた自立支援活動を展開する団体として、永年に亘り活動してまいりました。
このほど、従来の活動範囲を拡大し、日本人や在日韓国人などで日本国内で高等教育を受けようとする方々も支援の対象とすることになりました。
活動の始まりは、1979年に設立された「インドシナ難民を助ける会」(現・認定NPO法人難民を助ける会=AAR Japan)にさかのぼります。
当時インドシナ紛争の影響で祖国を追われた方々が、難民として命からがら日本にたどり着いてこられていました。しかし日本で生活を始めたものの、言葉はもちろん、生活習慣や学校生活など、慣れない環境に苦労される方が沢山おられました。
縁あって日本で暮らすこととなった難民の方々に手を差し伸べよう、お手伝いしようという、古来、日本人に共通なごく当たり前の気持ちから、創設者・相馬雪香(AAR元会長、さぽうと21元理事長)先生が日本で最初の国際救援NGOとなる団体を立ち上げたのが、その設立の経緯です。私自身も同会の創立準備段階から関わって参りました。
その後1992年にAARの国内事業を引き継いでさぽうと21が設立され、難民を助ける会と相携えて活動し、2003年からは私が同会の責任者の任にあります。みなさまの多年に亘るご支援、ご協力により今日を迎えている次第です。
現在は、条約難民、中国からの帰国者および日系定住者などにも支援の輪を広げ、日本で生活していく中で生じる各種の相談への対応や、日本語や学校教科の補完・指導など、多方面にわたる支援活動を行っています。
AARが発足した時はもちろん、さぽうと21が活動を開始した当初は「日本人だって困っている人がいるのにあなたはなぜ外国人の世話をするのか」とおっしゃる方がしばしばおられました。
そうした中にあって、相馬雪香先生が「世界の中の日本」を常に見据えて思いを受け継いできたつもりです。
国際化が進んだ最近は、めったにそういう声を聞きませんが、私としても「日本を忘れず、世界との縁を大事に」してゆくために、活動を続けて参りましたが、これからは生活困難な日本人学生も支援の対象とすることに致しました。
また、当法人は極力、情報や活動の公開に努めております。どうぞ、お立ち寄りくださり、活動にご参加ください。みなさまのご健勝を祈念し、一層のご理解ご支援をお願い申し上げます。
社会福祉法人さぽうと21
会長 吹浦 忠正