-私わたしの自己じこ紹介しょうかい-
どうかよろしく！ 　斉藤さいとう　喜一きいち

1947年ねん舞鶴まいづる生うまれの舞鶴まいづる育そだち。郷土きょうどとか地域ちいきと呼よばれるもの、地名ちめいや歴史れきしに興味きょうみを持もち出だしたのは３０歳さいくらいの頃ころだったか。会社かいしゃ社会しゃかいしか知しらない者ものには驚おどろきの連発れんぱつだった。
３０年間ねんかんもやっていてもまだご覧らんになる程度ていどのもの、迷宮めいきゅう深ふかく迷まよい込こんでしまった、しかしこれではこの先さき、死しぬまでやったところでタカが知しれていると気きが付ついた、まことに人生じんせいは短みじかく、学がく成なりがたしである、木乃伊みいらとりが木乃伊みいらになりそうである、現在げんざい書かけるところから書かき始はじめて迷宮めいきゅうの木乃伊みいら状態じょうたいから抜ぬけ出だしてみるより仕方しかたないと思おもい立たった。
丹後たんご古代こだい史しなどは特とくにその感かんが強つよいが、私わたしとしては、あまり満足まんぞくできる書しょがなく、誰だれに聴きいたところでそんな昔むかしを知しるはずもない。これは自分じぶんで書かくより手てが無ないなと、自分じぶん向むけに書かいている途中とちゅうです。
古代こだいの表玄関おもてげんかん。異様いように輝かがやく丹後たんごの古代こだい史しを解とくカギはこの海うみを越こえて渡わたってきた渡来とらい人じんにあるとネライをつけています。丹後たんごのいたるところに海うみを越こえてきた渡来とらい人じんたち(彼かれらこそが我々われわれ丹後たんご人じんの祖先そせん)の姿すがたが見みえるまで、丹後たんごの歴史れきしをさかのぼらせたいと思おもい苦闘くとう中ちゅうです。
２１世紀せいきは古ふるい古代こだいと同おなじように、日本海にほんかいの時代じだいとなろう。過去かこばかりを眺ながめているわけにはいかない。歴史れきしとはそもそも現代げんだいのためにこそ書かかれるものであろう。ならば愛あいすべき郷土きょうどの現代げんだい的てき課題かだいにも黙だまっているわけにもいかない。これもまた郷土きょうど史家しかに課かせられる重要じゅうような役割やくわりでなかろうか。温故知新おんこちしんの観点かんてんであり、取とり立たてて政治せいじ的てきな発言はつげんをしようとは思おもわぬが、やはり若干じゃっかんは問題もんだいはそこに及およばざるを得えまい。
本来ほんらいは郷土きょうど建設けんせつのための勉強べんきょうであるはずなのだが、何故なぜかその志こころざしは忘わすれられ、この分野ぶんやからの発言はつげんは昔むかしから一般いっぱんに保守ほしゅ的てき、あるいは反動はんどう的てきに権力けんりょくに追従ついしょうするようである。大だい郷土きょうど史家しかと定評ていひょうたかい人ひとたちすら侵略しんりゃく戦争せんそう反対はんたいなどといった者しゃは一人ひとりもいない。郷土きょうど研究けんきゅう者しゃが何なにのために中央ちゅうおう権力けんりょくにしっぽを振ふるのか。狭せまい地球ちきゅう上じょうで万物ばんぶつの霊長れいちょうと自負じふする人間にんげん様さまなら鉄砲てっぽうや核かくを撃うち合あうような情なさけないことはやめようではないか。
意図いと的てきに過去かこを自分じぶんに都合つごういいように修正しゅうせいしたりするのはもってのほか、深ふかい慚愧ざんきの念ねんを抱いだく者ものからのみ新あらたな２１世紀せいきの郷土きょうど史家しかと郷土きょうど社会しゃかいが誕生たんじょうするであろう。そのハシクレにでもなれればと念ねんじながら書かいております。