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ESXi「サポート切れ」後の代替候補になるHyper-V、KVM、AHVの違いはこれだ:「vSphere」「ESXi」のサポート終了を乗り切るには【第3回】 - TechTargetジャパン 仮想化

ESXi「サポートれ」代替だいたい候補こうほになるHyper-V、KVM、AHVのちがいはこれだ「vSphere」「ESXi」のサポート終了しゅうりょうるには【だい3かい

「VMware vSphere」や「ESXi」のサポート終了しゅうりょうは、ハイパーバイザーの移行いこう検討けんとうする機会きかいになる。「Hyper-V」「KVM」「Nutanix AHV」など、おもなハイパーバイザーの特徴とくちょう比較ひかくするときのポイントを説明せつめいする。

2024ねん03がつ28にち 0500ふん 公開こうかい

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VMware vSphere | VMware | サーバ仮想かそう


 VMware(Broadcom が2023ねん11月に買収ばいしゅう)のハイパーバイザー「ESXi」をふくむサーバ仮想かそう製品せいひんぐん「VMware vSphere」(以下いか、vSphere)のバージョン6.5と6.7は、2023ねん11月にEoTG(End of Technical Guidance:テクニカルガイダンス期間きかん終了しゅうりょう)をむかえた。EoTGをぎたバージョンのvSphereは、セキュリティパッチ(パッチ:修正しゅうせいプログラム)の配布はいふしん機能きのう追加ついかがされなくなる。

 ほん連載れんさいは、vSphereのふるいバージョンを使つかつづけるリスクと、ESXiのバージョン7.0以降いこう搭載とうさいされたしん機能きのう解説かいせつしてきた。vSphereのサポート終了しゅうりょうは、バージョンアップだけでなく、ESXi以外いがいのハイパーバイザーを検討けんとうする機会きかいでもある。ハイパーバイザーの選択肢せんたくしはさまざまで、それぞれこまかな機能きのうはあるが、仮想かそうマシン(VM)の実行じっこう管理かんり必要ひつよう大抵たいてい機能きのうそなえている。ただし機能きのうめんでの比較ひかく単純たんじゅんではない。

 企業きぎょう利用りようするハイパーバイザーの選択肢せんたくしとしてはESXiのほかに、Microsoftの「Hyper-V」やRed Hatが開発かいはつしたオープンソースの「KVM」(Kernel-based Virtual Machine)、Nutanixの「Nutanix AHV」などがげられる。これらの3つのハイパーバイザーの特徴とくちょう説明せつめいする。

ESXiの代替だいたい候補こうほ「Hyper-V」「KVM」「Nutanix AHV」のちがいとは?

Hyper-V

 Hyper-VはMicrosoftのサーバOS「Windows Server」で実行じっこう可能かのうなハイパーバイザーとして、基本きほんてきにはWindows Serverの更新こうしんわせてバージョンアップがなされている。Windows ServerのうちHyper-Vの機能きのうだけを搭載とうさいした無料むりょうのハイパーバイザー「Microsoft Hyper-V Server」も存在そんざいするが、どう製品せいひんは2019年版ねんばん最新さいしんで、2022年版ねんばん(「Windows Server 2022」対応たいおうばん)は発表はっぴょうされていない。

 ハイブリッドクラウドけアプライアンスの「Azure Stack HCI」の提供ていきょう開始かいししてから、Microsoftの仮想かそう製品せいひん戦略せんりゃく変化へんかしつつある。Azure Stack HCIのOSは、以前いぜんはWindows Serverベースであったが、現在げんざいはAzure Stack HCI独自どくじのHyper-VベースのOSにわっている。

 従来じゅうらいのWindows ServerのHyper-Vは、2〜3ねんごとにだい規模きぼなアップデートがあった。しかし近年きんねんは、最新さいしんのハードウェアやクラウドサービスのしん機能きのう追従ついしょうするために、Hyper-Vのライフサイクルは変化へんかしている。今後こんごMicrosoftの仮想かそう製品せいひんは、Azure Stack HCIが主流しゅりゅうになるとかんがえられるため、Hyper-Vを利用りようするユーザー企業きぎょうには、バージョンアップのタイミングを見直みなおすことがもとめられる。

KVM

 KVMは、OS「Linux」で利用りよう可能かのうなオープンソースのハイパーバイザーだ。2007ねん発表はっぴょうされたLinuxのカーネル2.6.20以降いこうは、KVMが搭載とうさいされている。

 KVMはLinuxのアクセス制御せいぎょ機能きのうである「Security-Enhanced Linux」(SELinux)を利用りようして、VMのセキュリティを強化きょうかできる。KVMはのハイパーバイザーと同様どうように、基本きほんてきなVMの管理かんり機能きのうそなえている。

 単一たんいつのホスト(サーバ)ですうだいのVMを手動しゅどう管理かんりすることも可能かのうだが、企業きぎょう利用りようする場合ばあいは、KVMをもとにしたRed Hatのハイパーバイザー「Red Hat Virtualization」や、同社どうしゃのコンテナ管理かんり製品せいひんぐん「Red Hat OpenShift」などのソフトウェアを利用りようするのが一般いっぱんてきだ。

 Red Hatの「Red Hat OpenStack Platform」は、Red Hat Enterprise Linuxをベースに、パブリッククラウド(リソース共有きょうゆうがたのクラウドインフラ)またはプライベートクラウド(リソース専有せんゆうがたのクラウドインフラ)を構築こうちくするためのソフトウェアだ。「OpenStack Compute」はRed Hat OpenStack Platformの機能きのうひとつで、KVMを使用しようして仮想かそうマシンを実行じっこうする。Red Hat OpenStack Platformのバージョン16と17は、4年間ねんかんのサポート(Production Support)がある。最終さいしゅう年度ねんどはオプションでExtended Lifecycle Support(ELS)となり、合計ごうけい5年間ねんかんのサポート期間きかんがある。

Nutanix AHV

 Nutanix AHV(以下いか、AHV)はKVMをベースにNutanixが開発かいはつしたハイパーバイザーだ。企業きぎょうけの管理かんり機能きのうやセキュリティ強化きょうか重点じゅうてんかれている。

 AHVは、NutanixせいのHCIでのみ利用りようできる。NutanixせいHCIはのハイパーバイザーも利用りようできるが、AHVならではのメリットがある。それは専用せんようハイパーバイザーとして無料むりょう利用りようできることと、NutanixせいHCIとAHVをわせた場合ばあいにだけ利用りよう可能かのう機能きのうがあることだ。

 Nutanixのクラウドインフラ構築こうちく運用うんようソフトウェアぐん「Nutanix Cloud Platform」とAHVを利用りようすれば、IaaS(Infrastructure as a Service)のVMを構築こうちくできる。オンプレミスのインフラとクラウドサービスを連携れんけいさせるハイブリッドクラウドインフラの構築こうちくや、オンプレミスシステムのクラウド移行いこう可能かのうになる。

ESXi

 ESXiは、1だいのホストサーバで利用りようすることも、サーバ管理かんりソフトウェアの「VMware vCenter」で複数ふくすうだいのホストサーバのクラスタを構成こうせいして利用りようすることも可能かのうだ。ESXiはDell Technologiesの「Dell VxRail」(以下いか、VxRail)といった、ハイパーコンバージドインフラストラクチャ(HCI)のハイパーバイザーとしてまれていることもある。

 VxRailはDell TechnologiesとVMwareが共同きょうどう開発かいはつした製品せいひんのため、のVMware製品せいひんとの相性あいしょうい。VxRailでVMware vSphereが使つかわれるのはそのいちれいだ。

 vSphereを使つかい、IaaSのVMを構築こうちくすることもできる。オンプレミスインフラを、VMwareのクラウドインフラ構築こうちくようソフトウェアぐん「VMware Cloud Foundation」で構成こうせいすることで、ハイブリッドクラウドの構築こうちくや、オンプレミスシステムのクラウド移行いこうができるようになる。


 かくハイパーバイザーを比較ひかくする場合ばあいなに着目ちゃくもくすればいいのか。たとえば主要しゅようハイパーバイザーのひとつであるESXiとAHVは、どちらもVMを動作どうささせるための基本きほんてき機能きのう搭載とうさいしている。

 ESXiとAHVを比較ひかくするさいは、ハイパーバイザーの機能きのうやコストだけに着目ちゃくもくすべきではない。仮想かそうインフラを構築こうちくするために利用りようちゅうのハードウェアやソフトウェア、クラウドサービスとの関係かんけいせい考慮こうりょして比較ひかくするのがよい。

 次回じかいは、ESXiととAHVのサポート体制たいせいや、VMのクラウド移行いこうという選択肢せんたくしについてくわしく説明せつめいする。

執筆しっぴつしゃ紹介しょうかい

小林こばやし浩和ひろかず(こばやし・ひろかず) ネットワンシステムズ ビジネス開発かいはつ本部ほんぶ応用おうよう技術ぎじゅつ

おもにVMware製品せいひん担当たんとうし、製品せいひん評価ひょうか検証けんしょう実施じっし近年きんねんではエッジコンピューティングやAI(人工じんこう知能ちのう技術ぎじゅつなど、クラウドインフラにかかわる先進せんしん技術ぎじゅつ調査ちょうさにもんでいる。

篠崎しのざき智昭ともあき(しのざき・ともあき、「さき」はただしくは「たつさき」) ネットワンシステムズ ビジネス開発かいはつ本部ほんぶ応用おうよう技術ぎじゅつ

2018ねんからビジネス開発かいはつ本部ほんぶ 応用おうよう技術ぎじゅつ所属しょぞく。サーバやHCI(ハイパーコンバージドインフラ)製品せいひん担当たんとうとしてプラットフォーム製品せいひん提案ていあん設計せっけい検証けんしょう構築こうちく運用うんようなどにみ、技術ぎじゅつてき観点かんてんからビジネスを推進すいしんしている。


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