プロフィール

手塚てづか治虫おさむは、1928年ねん11月3日にち、大阪おおさか府ふ豊中とよなか市しに3人にん兄弟きょうだいの長男ちょうなんとして生うまれ、5歳さいの時ときに兵庫ひょうご県けん川辺かわべ郡ぐん小浜おばま村むら（1954年ねんに宝塚たからづか市しとなる）へ引ひっ越こした。その後ご、上京じょうきょうするまでそのまま宝塚たからづかで過すごした。
開放かいほう的てきな家庭かていに育そだち、漫画まんがとアニメーションに親したしみ、機智きちに富とんだ想像そうぞう力りょく豊ゆたかな少年しょうねんであった。
また昆虫こんちゅうをこよなく愛あいし、ファーブルを思おもわせる少年しょうねんでもあった。自身じしんのペンネームに「虫むし」という字じを当あてたことでも、その興味きょうみの程ほどがわかる。
戦争せんそう体験たいけんから生命せいめいの尊とうとさを深ふかく知しり、医学いがくの道みちを志こころざして後年こうねん医学いがく博士はかせになるが結局けっきょく彼かれ自身じしんが一番いちばん望のぞんだ職業しょくぎょうを選えらんだ。
すなわち漫画まんが家か、アニメーション作家さっかである。手塚てづか治虫おさむが創作そうさくした漫画まんがとアニメーションが、第だい２次じ世界せかい大戦たいせん後ごの日本にっぽんの漫画まんが・アニメ界かい、また青少年せいしょうねんの精神せいしん形成けいせいの過程かていで果はたした役割やくわりは計はかり知しれない。

手塚てづかは、それまでの我わが国くにの漫画まんがの概念がいねんを変かえ、数々かずかずの新あたらしい表現ひょうげん方法ほうほうでストーリー漫画まんがを確立かくりつし、漫画まんがを魅力みりょく的てきな芸術げいじゅつにした。また、彼かれの作品さくひんは、文学ぶんがくや映画えいがをはじめ、あらゆるジャンルに影響えいきょうを与あたえた。
同時どうじにTVアニメーションにおいても、漫画まんがにおけるそれに勝まさるとも劣おとらない大おおきな足跡あしあとを残のこした。
我わが国くに初はつの長編ちょうへんＴＶてれびアニメーションシリーズ「鉄腕てつわんアトム」や、長編ちょうへんＴＶてれびカラーアニメーションシリーズ「ジャングル大帝たいてい」、２時じ間あいだＴＶてれびアニメの「バンダーブック」など、これらの作品さくひんの愛あいすべきキャラクター達たちは、ＴＶてれびを通つうじて日本にっぽん中ちゅうを席巻せっけんし、アニメーションを大衆たいしゅうに深ふかく浸透しんとうさせることになった。
また手塚てづかの作品さくひんは、アメリカ、ヨーロッパ、アジアの各国かっこくにも輸出ゆしゅつされ、世界せかいの子供こども達たちの夢ゆめを育はぐくんだ。加くわえて大人おとな向むけ長編ちょうへんアニメの制作せいさくなど、アニメのあらゆる可能かのう性せいにチャレンジした。
これらのＴＶてれびアニメ、商業しょうぎょうアニメにおける業績ぎょうせきに加くわえ、実験じっけんアニメにおいても国際こくさい的てきに大おおきな評価ひょうかを得えた。
それらのすべての作品さくひんには、手塚てづかの永遠えいえんのテーマである生命せいめいの尊とうとさが貫つらぬかれている。
偉大いだいな文化ぶんかの創造そうぞう者しゃである手塚てづかは、立たち止どまることを知しらず、常つねに大おおいなる開拓かいたく精神せいしんと飽あくなき情熱じょうねつと未来みらいを見みつめる確たしかな眼差まなざしを持もって、その生涯しょうがいを走はしり抜ぬけた。
1989年ねん2月がつ9日にち、その60年ねんの生涯しょうがいを閉とじた。